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Google Cloud で生成 AI アプリケーションを作ろう!パート 0:Google Cloud の生成 AI ソリューション

2023/08/15に公開

本シリーズの執筆者

Google Cloud で生成 AI アプリケーションを作ろう! シリーズの記事は、Google Cloud Japan の下記の有志メンバーが共同で執筆しています。

  • 執筆者

    • 下田倫大(Norihiro Shimoda, Google Cloud AI/ML Practice Lead)
    • 中井悦司(Etsuji Nakai, Google Cloud Solutions Architect)
    • 木村拓仁(Takuto Kimura, Google Cloud Customer Engineer)
    • RyuSA
  • レビュアー

    • 牧 允皓(Yoshihiro Maki, Google Cloud AI/ML Specialist)
    • 鈴木かの子(Kanoko Suzuki, Google Cloud Associate Customer Engineer)
    • 吉田望(Nozomu Yoshida, Google Cloud Associate Customer Engineer)

はじめに

「生成 AI が流行っているけど、生成 AI を活用したアプリケーションってどうやって作ればいいの?」----- このような方を対象にして、Google Cloud の生成 AI サービスを利用したアプリケーションのアイデアや具体的な作成例を紹介していきます。

Google Cloud の API サービスを利用すれば、意外と手軽に生成 AI アプリケーションが作れることがわかるでしょう。本シリーズの例をもとに、ぜひ、みなさんのアイデアでアプリケーション開発に挑戦してください。

このパート 0 では、手始めに Google Cloud で提供される生成 AI ソリューションを紹介します。Google Cloud では、データサイエンティストや機械学習エンジニアなど、専門知識を持った機械学習モデルの開発者から、生成 AI をビジネスに活用したいビジネスユーザーまで、幅広いユーザーに向けて、生成 AI のソリューションを提供しています。まずは、ソリューションの全体像を説明した上で、本シリーズの目的をあわせて説明します。みなさんの目的にあう Google Cloud の生成 AI ソリューションは何なのか、これをイメージできるようになりましょう!

本シリーズの流れ

本シリーズでは、Google の最新の大規模言語モデルである PaLM 2 が利用できる PaLM API を中心に取り扱います。本シリーズを通して、PaLM API の活用方法や PaLM API を活用したアプリケーションの開発について学んでいきます。

以下は、それぞれの記事へのリンクです。

各パートで紹介するソースコードは GitHub のリポジトリで公開しています。Google Cloud を利用できる方であれば、誰でもコードを実行できるようにしてありますので、実際に動かしながら Google Cloud の生成 AI ソリューションを学んで下さい。

Google Cloud が提供する生成 AI ソリューションの全体像

次の図は Google Cloud が提供する生成 AI 関連ソリューションの全体像です。

この図は、上に行くほど、ビジネスユーザーが生成 AI を「使う」ためのソリューションで、下に行くほど、データサイエンティストや機械学習エンジニアが生成 AI を「作る」ためのソリューションになっています。

例えば、最上部に位置する Duet AI は Google Workspace / Google Cloud に搭載された機能です。文章の草稿作成を支援したり、プレゼンテーションに利用する画像を生成するといった機能があり、こちらの Blog 記事では、具体的なユースケースが説明されています。ユーザーは生成 AI のモデルそのものを意識する必要はなく、Google Workspace の 1 つの機能という形で生成 AI のテクノロジーが利用できます。

一方、本シリーズが想定するユーザーは、生成 AI を活用したアプリケーションを開発するエンジニアです。生成 AI を活用したアプリケーションの開発に役立つソリューションは、図の真ん中に位置する Vertex AI SearchVertex AI Conversation と Vertex AI です。

Vertex AI Search and Conversation

Google Cloud では、生成 AI を組み込んだアプリケーションを Generative AI App (通称 Gen App)と呼びます。この Gen App を簡単に作成するソリューションとして、Vertex AI Search and Conversationを提供しています。 Vertex AI Search and Conversationは、生成 AI の典型的なユースケースである「検索」と「会話」を手軽にアプリケーションに組み込むためのマネージドサービスです。検索には Vertex AI Search、会話には Vertex AI Conversation をそれぞれ提供しています。

Vertex AI Search and Conversation を利用する上では、生成 AI そのものの知識は不要です。生成 AI のテクノロジーを活用することで、問合せの意味を汲み取った検索や実際の人と対話しているかのような自然な会話が実現できます。つまり、生成 AI 活用の典型的なユースケースをマネージドサービスとして簡単に実現します。マネージドサービスという性質上、高いカスタマイズ性は提供されていませんが、Google 品質の検索や会話ベースのユーザー体験をアプリケーションに組み込みたい開発者にはマッチするソリューションです。

Vertex AI SearchVertex AI Conversation それぞれの説明 & デモ動画が公開されています。Vertex AI Search and Conversation が気になる方は、ぜひチェックしてください。

Vertex AI

「検索」「会話」の機能をアプリケーションに組み込む上では、さきほどの Vertex AI Search and Conversation がお勧めですが、生成 AI のユースケースはこれだけではありません。本シリーズでは Vertex AI Search and Conversation は使わずに、もう一段低いレイヤーである Vertex AI で提供されている様々な API を活用して、その他のユースケースを想定したアプリケーション開発を進めていきます。

Vertex AI は Google Cloud におけるエンドツーエンドの機械学習プラットフォームです。ML Ops のフローをカバーする機能群が提供されており、データサイエンティストや機械学習エンジニアが機械学習モデルを構築して、さらに、デプロイしたモデルを管理運用するための機能があります。

この VertexAI に、生成 AI を活用するための様々な機能が追加されました。具体的には、次のような機能があります。

  • Model Garden: Google が独自開発した基盤モデル、および、OSS として公開されている基盤モデルが検索・利用できます。

  • Generative AI Studio : プロンプトエンジニアリングで基盤モデルの動作を調整したり、ファインチューニングを行うための統合インターフェースを提供します。

  • PaLM API : Google の最新の大規模言語モデルである PaLM 2 を API 経由で利用できます。

このほかにも、プログラムコード生成モデルの Codey や画像生成モデルの Imagen など、様々なデータ形式に対応したモデルや、データから「意味」を取り出す Embedding 処理の API など、生成 AI に関する様々なモデルやサービスがあります。気になった方は、公式ドキュメントや GitHub で提供しているサンプルコードもチェックしてください。

本シリーズでは、PaLM API を中心とした言語モデル の API を活用して、大規模言語モデルを活用したアプリケーションを開発する方法を説明していきます。

まとめ

今回は、Google Cloud の生成 AI サービスの全体像と本シリーズの流れを説明しました。次のパートからは、実際にコードを実行するための環境構築手順や PaLM API を利用するコードの例を紹介していきます。お楽しみに!

Google Cloud Japan

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