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Google Cloud で生成 AI アプリケーションを作ろう!パート 8:Google Cloud の生成 AI を日本語で触ってみよう

2023/08/27に公開

はじめに

2023年8月22日に開催された Generative AI Summit で、PaLM 2 が日本語で利用可能になったことが発表されました。PaLM 2 の日本語の性能は、J.TEST 実用日本語検定の上級者向け (A-C) において94%を正解するというベンチマークがあり、日本語特有の言い回しや細かいニュアンスの理解、生成が可能です。

Generative AI Summit では、Google がこれまでに開発してきた生成 AI 技術を Google Cloud のプロダクトに活用し、日本のお客様のイノベーションを支援する様々な発表が行われました。個々のブレークアウトセッションでは、データ分析、 SaaS、アプリケーションといった観点で生成 AI がもたらす変化、そして、Google Cloud のパートナーやコンサルティングサービスによる支援プログラムの紹介などがありました。セッションの録画は、こちらからご覧になれます。

グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 上級執行役員 小池が PaLM 2日本語対応を発表

この記事では、PaLM 2の日本語対応を記念して、「パート 2 : PaLM API の利用例 1 〜 英文を日本語に要約して理解する」、「パート 3 : PaLM API の利用例 2 〜 メールを分類する」で紹介した内容をあらためて日本語で試してみます。

英文を日本語に要約する

クラウドコンソールのナビゲーションメニューから[Vertex AI]-[GENERATIVE AI STUDIO]-[言語]を選択します。

次の画面が表示されるので、[テキスト プロンプト]をクリックします。

本シリーズの読者の皆さんには、お馴染みの入力画面が現れます。

パート2では、量子コンピュータに関する英文を短い英文に要約した後に、Translation API で日本語に翻訳しました。一方、日本語にした対応した PaLM 2 であれば、Translation API を使用せずに、直接、日本語で要約することが可能です。

まず、要約する対象の英文はこちらです。

Our quantum computers work by manipulating qubits in an orchestrated fashion that we call quantum algorithms.

The challenge is that qubits are so sensitive that even stray light can cause calculation errors — and the problem worsens as quantum computers grow.

This has significant consequences, since the best quantum algorithms that we know for running useful applications require the error rates of our qubits to be far lower than we have today.

To bridge this gap, we will need quantum error correction.
Quantum error correction protects information by encoding it across multiple physical qubits to form a “logical qubit,” and is believed to be the only way to produce a large-scale quantum computer with error rates low enough for useful calculations.

Instead of computing on the individual qubits themselves, we will then compute on logical qubits. By encoding larger numbers of physical qubits on our quantum processor into one logical qubit, we hope to reduce the error rates to enable useful quantum algorithms.

これを要約するにように、日本語で依頼してみましょう。次の内容をプロンプトに入力します。

以下の文章の要点を平易な文章で3行以内にまとめなさい。

入力: [ここに先ほどの英文を挿入します]

出力: 

次のような結果が得られます。日本語で依頼したので、要約した結果も日本語になっています!

量子コンピュータは量子アルゴリズムと呼ばれる手順で量子ビットを操作することで動作する。
量子ビットは非常に繊細で、わずかな光でも計算エラーを引き起こす可能性がある。
この問題は、量子コンピュータが大きくなるにつれて悪化する。

日本語の文章を分類する

続けて、日本語で書かれたメールの分類を試してみましょう。パート 3 と同様に、金融機関あての問い合わせメールを「クレジットカード」、「銀行口座」、「融資・住宅ローン」の 3 種類に分類します。

先ほどの入力画面の右上にある[構造化]をクリックします。

Few-Shot プロンプティングに特化した対話コンソール画面が開くので、「Context」の部分に、次の内容を入力します。

サポートチケットのカテゴリーを次の選択肢の中から選びなさい。
- クレジットカード
- 銀行口座
- 融資・住宅ローン

その下の「Examples」の「入力」と「出力」に次の内容を入力します。それぞれのカテゴリーについて、1 つずつの例を与えています。

入力 出力
番号 12345 のクレジットカードを紛失しました。カードの停止をお願いします。 クレジットカード
口座に登録している住所を変更したいのですが、何度も電話しましたがつながりませんでした。 銀行口座
債務の現状確認を求めてメールしたのですが、対応できないとのことで、債務の督促メールが届き続けています。対応をお願いします。 融資・住宅ローン

そして、「Test」の「入力を記述します」という部分に分類したい次のテキストを入力します。

利用停止になってしまい、お金を引き出すことができません。どうすればよいでしょうか?

送信ボタンを押すと「銀行口座」という結果が表示されます。

まとめ

日本語対応によって、PaLM API のビジネス利用の可能性が大きく広がりました。ぜひ、さまざまなアイデアを試してみてください。

Google Cloud Japan

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