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UnrealEngineのパッケージをLinuxでビルドする(前編:UnrealEngineをソースコードからビルドしよう)

2023/08/22に公開

はじめに

UnrealEngineで制作したパッケージを、Linuxにビルドする必要があったのですが、
素の状態のUnrealEngineだとLinuxにビルドが出来ない!という状況に直面しました。

githubのソースコードからUnrealEngineをビルドした場合、クロスコンパイルという機能を適応して、Linuxにビルドできると聞いたので、備忘録も兼ねて記事にしていきます。

今回の記事では、Linuxビルド手前の、UnrealEngineをgithubからダウンロードし、ソースコードからビルドする過程まで記述します

ソースコードからUnrealEngineをビルドしたいときに参考にしてください。

後編はこちら
https://zenn.dev/eightbeat/articles/e369332a3aa618

https://docs.unrealengine.com/4.27/ja/ProgrammingAndScripting/ProgrammingWithCPP/DownloadingSourceCode/

やること一覧

  1. githubからUnrealEngineソースコードをダウンロード
  2. UnrealEngineのソースコードをVisualstudioでビルド(前半記事はここまで!)
  3. Linuxビルド設定をする

UnrealEngineのソースコードをgithubから入手する

Epicgamesランチャーから起動できるUnrealEngineには、Linuxをクロスコンパイルする機能がありません。ソースコードからビルド時に、Linuxでコンパイルできるよう設定を付与する必要があります。

まず初めに、Githubに公開されているUnrealEngineのソースコードをダウンロードします

下記のリンク通りにやっていけば、問題なくできるかと思います
・Githubアカウントの作成
・Epicgamesアカウントにログインし、Githubアカントと紐付ける
・登録したメールアドレスに送信された、メールから連携承認を行う

最後にメールアドレスで連携の承認をします。連携のメールを送られた時点で承認されていると思ってしまい、連携されていないじゃん!なぜ!?と数時間彷徨ったので皆様はご注意ください

githubの連携がされていないと404で締め出されます

https://www.unrealengine.com/ja/ue-on-github

認証されるとUnrealEngineのGithubページにアクセスできるようになります
このページから、ベータ版過去版のUnrealEngineのソースコードをダウンロードできます。

UE5.0のソースコードをダウンロードする

今回、私はUE5.0バージョンのソースコードが欲しかったので、例としてダウンロードの手順を紹介します。
UnrealEngineのgithubページを開き、左上のreleaseボタンを押すと、バージョンのブランチが表示されます。今回は5.0を開きました。

遷移したバージョンのページ右上にある**<Code>コード** ボタンをクリックし、DownloadZipをクリックすれば、ダウンロードできます

UnrealEngineのZipを解凍するときの注意点があります

注意点1 プロパティから許可設定をしよう
Zipを右クリックし、プロパティから許可設定しないと、解凍できません!見落としがちなので、気をつけて下さい。

注意点2 パス名が50文字超えるとビルド時にエラーがでる!(ガチ注意!)
ビルド時に、**パス名(ユーザー/document/download......)が長いとビルド時にエラーが起きます。**Cドライブ直下に置くなど、名前が長くならないように気をつけてください。(5回程死にました)
解凍・batファイルの展開時にとにかく文字数でエラーが出ます。できるだけ短く!


Zipファイルの展開には1時間ほどかかります。気長に待ちましょう。

VisualStudioCodeのセットアップ

ソースコードをビルドするにあたって、VisualStudioCodeでいくつかセットアップする項目があります。

VisualStudioInstallerのインストールとC#設定については、次の記事が参考になりますのでこちらを参照してください。
https://zenn.dev/posita33/books/ue5_starter_cpp_and_bp_001/viewer/chap_01_vs2022_setup

今回はLinuxのパッケージ化を行うため、Linuxのコンポーネントも追加していきます。

VisualStudioInstaller→VisualStudioCommunity→変更 をクリックし、

**「C++を使用したLinuxおよび埋め込み開発」 **のチェックをクリック。Linuxコンポーネントを追加します。

画像のとおりにコンポーネントを選択し、右下の変更ボタンをクリックすれば追加されます。

UnrealソースコードをVisualStudioでビルド

ついにソースコードをビルドしていきます。
解凍したUnrealEngineソースコードファイル内にある、Setup.batファイルをダブルクリックします。
何やら色々fileの追加が行われます、1時間ほどかかるのでこちらも気長に待ちましょう。
完了すると、UE5.slnファイルが作成されますので、こちらを開きます。

VisualStudioCodeの画面が開かれます。
右のソリューションエクスプローラーから、工具マークのプロパティをクリックします。

構成:Development_Editor
プラットフォーム:Win64
に変更してください(後ほどLinuxに変更します)

ソリューションエクスプローラーのUE5を右クリック→ビルドを押すとビルドが開始されます。
ビルドには数時間かかりますので、寝る前にやることをおすすめします。

これにて、UnrealEngineのソースコードビルドが完了しました。
次回の後編では、Linuxのパッケージ化を解説していきます。

https://zenn.dev/eightbeat/articles/e369332a3aa618

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