【連載第2回】VRだるま落とし大解剖!~みんなで楽しむ3つのステージの遊び方~
1. はじめに:だるまちゃんを救い出せ!
こんにちは!DMC VR部隊です。
前回の記事「【Maker Faire Tokyo 2025】MFT2025でVRが減った理由とは? 私たちが創った「みんなで楽しむVR」」では、私たちの作品『VRだるま落とし』が目指した 「共鳴体験」 についてお話ししました。

今回は連載第2回として、MFT2025で長蛇の列を作った『VRだるま落とし』の具体的な 遊び方 と 3つのステージ を、開発時のこだわりポイントと共にご紹介します!
2. 体験構成
街に出現した巨大な街から小さなだるまちゃんを助ける大冒険です!
三つのミニゲームを立て続けにやるので、結構ワイワイ忙しいゲームです。

ステージ1:【脱出】ダルマをこわせ!
物語は、街に出現した巨大なだるまの上から始まります。プレイヤーの目的は、巨大だるまを壊して囚われただるまちゃんを救い出すことです!!

【遊び方】
サポートプレイヤーが ピコピコハンマー で現実の椅子を叩くと、その衝撃に連動してVR空間の巨大だるまが少しずつ罅が入って壊れていきます。すべて壊しきれば、落下して見事脱出成功です!
【特徴】
VRゴーグルをつけたメインプレイヤーは、東京の街並みを一望できる美しい景色を楽しみつつ、壊れていく足場と落下への恐怖と期待感に包まれます。サブプレイヤーはハンマーに増幅して返ってくる衝撃音を伴った手ごたえと、画面上で崩れていく美しいだるまのひび割れとともに、メインプレイヤーのリアクションを楽しみます。
一方、周りで見ている人たちは、プレイヤーがハンマーで椅子をたたくたびに歓声をあげ、一体となって盛り上がれる、シンプルながらも爽快感あふれるステージです。
だるまが崩れる様子はラピ〇タの最後のようにいっそ美しさすらある新鮮な体験です。
あと、やっぱりだるま役が落ちたときのリアクションが楽しいですね。
ステージ2:【収集】フウセンをとろう!
地面に激突する・・・!!??直前にワープして脱出に成功しただるまちゃんが次にたどり着いたのは、なんと空の上!たくさんの風船が浮かんでいます。取りに行きたいけど、だるまは自力で空を飛べない・・・どうしよう?

【遊び方】
サポートプレイヤーが うちわ で扇ぐと、その風を受けてだるまちゃんが右や左に飛ばされて移動します!うまく操作して、たくさんの風船を集めましょう。風船は色によって点数が異なります。赤は5点だけど、黒だとなんと-10点!!
【特徴】
このステージの鍵は 「役割の非対称性」 です。
- VRゴーグル役(指示役): 全ての風船の色が見えるが、操作はできない。
- うちわ役(実行役): モノクロの画面しか見えず、風船の色が分からない。
「赤いのは一番右だよ!」「それは黒いやつ!」といったVRゴーグル役の指示が不可欠となり、自然とコミュニケーションが生まれます。もどかしくも楽しい、連携が試されるステージです。
赤い風船が取れても、黒い風船を取っちゃっても、なんなら届かなくても、みんな笑顔で楽しんでましたねー。
ステージ3:【救出】ウキワでキャッチ!
風船の旅を終えただるまちゃんは、ついに海に向かって落ち始めてしまいます!でもだるまちゃんは泳げません・・・。浮き輪でキャッチして助けなきゃ!!

【遊び方】
サポートプレイヤーが現実の フラフープ を左右に動かすと、VR空間の浮き輪が連動して動きます。うまくタイミングを合わせて、空から落ちてくるだるまちゃんをキャッチして助けてあげましょう!成功するとイルカが祝福してくれるよ!!失敗すると・・・海の底でサメに囲まれちゃうよー・・・。
【特徴】
ここでもVRゴーグル役の的確な指示が重要になります。「もっと右!」「今正面!」といった声かけで、サブプレイヤーは浮き輪の位置を調整します。最後はプレイヤーと観客が一体となってだるまちゃんの救出劇を見守ります。単純な操作だからこそ、子供から大人まで、一喜一憂していましたね。
3.まとめ:みんなでワイワイはやっぱり面白い!!
『VRだるま落とし』は、このように「ハンマー」「うちわ」「フラフープ」といった 現実のモノ を使った直感的な操作と、プレイヤー間の コミュニケーション を誘発するゲームデザインで、VRゴーグルを付けていない人も含めた全員が楽しめる体験を実現しました。
次回は、これらの体験を支える フィジカル・コンピューティング の具体的な仕組みや、VR酔いをさせないためのUI/UX設計など、より技術的な内容に踏み込んでいく予定です。
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