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Zenn Publication ならテックブログへの執筆を続けるモチベが湧く理由

2023/03/30に公開

Zenn Publicationでのテックブログを投稿をしてみて、執筆者として感じたメリットとデメリットをまとめました。

Zennでテックブログを開設しようか考えている方に、参考になれば幸いです。

勤務先の話が出ますが、すべて個人の見解です。

Zenn Publication とは

Zennにおいて、最近Zenn Publicationという新機能が登場しました。

https://info.zenn.dev/about-publication

Zenn Publicationとは、Zenn上に複数人で管理するメディアを作ることができる機能です。

Publicationを作成すると、次のようなページが作成されます。Publicationに紐づけた様々なメンバーの記事が集約されています。

Zenn Tech Blog の Zenn Publication ページのスクリーンショット
Zenn Tech Blog ページのスクリーンショット

Zenn Publication のメリット

勤務先でテックブログを投稿する場としてZenn Publicationが採用されてから、自分は月2記事以上のペースで継続して書き続けられています。

そのモチベーションが湧く理由をまとめました。

執筆した記事は自分のものになる

最も大きなメリットは、執筆した記事が自分のものになることです。

転籍する前の企業では、はてなブログを用いたテックブログが運用されています。しかし、自分は2年近く在籍していましたがテックブログの執筆を一度も行っていませんでした。

特に自分自身はアウトプットを避けていたわけではありません。外部へのアウトプットは積極的に行うべきだという考えを持っており、仕事で得た知見は個人ブログで発信し続けていました。「全部俺」と題して25日連続投稿も行っていたほどです。

https://qiita.com/advent-calendar/2022/bicstone

それなのに、テックブログの執筆をしてこなかった最も大きな理由は、執筆した記事が会社のものになってしまうからです。会社のテックブログに記事を投稿したら、その記事は自分のものでなくなります。

将来記事の内容を修正したり削除したりしたくても手続きを踏まなければなりません。さらに、退職後も記事は残り続けて記事はデジタル遺産として1人歩きすることになります。自分の書いた記事をコントロール下に置けないことに対して大きなリスクを感じました。

一方、Zenn Publicationは「テックブログに投稿する記事を著者本人のものに」と謳われており、自分の投稿した記事にPublicationが紐付けられるだけで、記事の所有権は自分に残ります。

実際に自分のZenn個人ページにはPublicationに投稿した記事も掲載されています。また、自分の意志でPublicationの紐づけを解除できます。

この仕組みは、自分がテックブログに執筆する上で大きなモチベーションになっています。

自分の Zenn 個人ページのスクリーンショット
自分 Zenn 個人ページのスクリーンショット

Zenn の執筆体験が良い

次に、Zennでは、エンジニアにとって執筆体験が良いと感じる仕組みが整っていることがメリットに感じます。

https://zenn.dev/zenn/articles/connect-to-github

ワークフローを組まなくとも、GitHub RepositoryにMarkdownファイルをプッシュするだけでZenn上に記事がデプロイされます。また、Zenn CLI を使用することで、ローカル上でプレビューしながら普段使い慣れたエディタで執筆できます。

自分は、自身で保有しているGitHub Repository上に置いたMarkdownをデプロイしています。textlint, markdownlint, Prettier, Code Spell Checker などのツールも活用でき、とても執筆体験が良いです。

Publicationの記事であっても同じ仕組みを活用することが出来ます。この執筆体験の良さは、執筆するモチベーションを継続する上で大きなメリットだと感じています。

https://github.com/bicstone/zenn-content

また、Zenn CLIを始めとしたツールはオープンソースになっており、ユーザーからのPull RequestやIssueを受け付けています。 Zenn CLIを使用していて不便だと思ったときに、(事前に相談した上でですが) 自分の手で改善できるということも大きなメリットです。

https://github.com/zenn-dev/zenn-editor/pull/431

露出が高い

最後に、Zennプラットフォーム上で記事の露出が高いことにメリットがあります。

企業内で保有するブログでは、記事の露出を増やすために自社のSNSでシェアをしたり、コーポレートサイトに掲載したりするかと思います。しかし、有名な企業でない限り、もともと会社に興味があるユーザー以外の獲得が難しいです。

そもそもテックブログの目的の1つとして、会社の認知度を上げることが挙げられます。会社のことを知らない新規ユーザーにも読んでもらうことが重要です。

Zennでは、TrendingやFeaturedを始め、新しい記事を積極的に露出してくれる仕組みが整っています。今まで勤務先でPublicationに投稿された記事はすべてトップページに載ることができており、会社を知らない新規ユーザーにも露出しています。結果、記事や会社の認知度を上げることができます。

Zenn トップページのスクリーンショット。自分の記事がトレンドに載っている
Zenn トップページに記事が載っている様子

Zenn Publication のデメリット

一方、課題もいくつか感じたので、まとめます。

レビューの手間がかかる

記事を公開する前に社内でレビューしますが、現状Zennではレビュー機能が未実装です。

下書き状態の記事を、他のPublicationメンバーがプレビューできる機能はあるものの、レビューを行える機能はありません。そのため、自分は次のようなフローで執筆しています。

  1. Markdownファイルに執筆して非公開リポジトリにプッシュし、プレビューを作成する
  2. 社内のnotionにプレビュー URLと記事本文を貼り付け、レビューを依頼する
  3. 記事本文のレビューを受けて、ファイルとnotionの記事本文を両方とも修正する

2つのソースを維持するのは手間で、実際に片方への反映が漏れて公開してしまうミスをしてしまったこともあります。

Zenn内で、記事レビュー機能について検討してくださっているので、今後実装されることを期待しています。

https://github.com/zenn-dev/zenn-community/issues/440

効果測定が難しい

ZennではGoogle Analyticsのトラッキングコードを埋め込むことが出来ますが、Publicationの記事の場合でも個人で設定しているトラッキングコードが埋め込まれます。

そのため、テックブログの効果測定をするために、個人で所有しているAnalyticsプロパティのアクセス権を会社のメンバーに付与する必要があります。また、記事の執筆者ごとにトラッキングが分散してしまうため、集計するためにはそれぞれのアカウントのAnalyticsを参照する必要があります。

今のところ勤務先ではあくまで参考程度としていますが、定量的に計測できるようになることで、チームとしてのモチベーション維持や採用への影響分析に役立つと考えています。

こちらも、実装を検討してくださっています。

https://github.com/zenn-dev/zenn-community/issues/449

まとめ

Zenn Publicationは、まだまだ未熟なところがあるものの、エンジニアが記事を継続して執筆する上ではかなり魅力的なプラットフォームだと感じています。

テックブログのプラットフォームを検討する際、参考にして頂ければ幸いです。

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