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「問題解決の全体観」を読んで気づいたこと

2024/07/01に公開

はじめに

私はエンジニアとしてキャリアを進める中で、問題解決能力を高めたいと強く感じるようになりました。そのために、「問題解決の全体観」という本を手に取り、論理的思考力と抽象思考能力の基礎固めを目指しています。このブログでは、精読して感じたことや実践を通じて得たことを共有していきます。

冒頭

私たちが取り巻く問題は、時代の変化とともに難しくなっていて、解決できない事が増えてきています。これは問題解決に使っていた思考方法が古くなってきたからともいえます。ではどうすればよいのか?
問題の全体観を正しく捉えつつ、新しい思考方法を学び、戦闘力を高める必要があります。

本書では、個人の戦闘力強化、すなわち「問題解決力強化のための全体観と方法論」を題材としています。

全体構成

本書シリーズの全体構成は以下のようになってます。
私は上下巻を精読しました。セクションごとに気になったところを紹介していきます。

各セクションの所感

問題解決ルーティーン(型)

問題解決の思考パターンとして、【空・雨・傘】 が挙げられていました。
空:事実に基づく状況把握
雨:その状況に対する自分なりの解釈
傘:その解釈から導き出される行動

様々な問題のタイプに扱える基本的な型で、私たちが知らないうちに普段から使っているみたいです。ここで問題なのが、不完全な【空・雨・傘】がそこら中に氾濫しているということです。

私の場合は無意識のうちに、傘を突然持っていきがちだと思いました。思い込み・思いつきで物事を進めてしまうことがクセになっているので、最近は "空" からステップを踏むように気をつけてます。

ちょうど読み進めてて、以下の問題にぶつかったので早速実践したことを共有します!

公文の宿題に集中して取り組めない娘がいます。
空:宿題に集中できない。最後にご褒美をあげると伝えているが大きな効果がない
雨:宿題が単調で量が多いので集中力が続かないと考える
傘:1 問解けたら、毎回ご褒美をあげる

どうやら宿題が終わるまで時間がかかるので、ご褒美になかなかありつけないことに気づき、途中で諦めてしまっていたようです。解けるたびにご褒美をもらうことでやる気が出て、集中力も続きました。

もう一つ紹介したいのが、【空・雨・傘】が複数ある場合に洩れを少なくする方法です。
「それ」と「それ以外」をツリー構造で作ることで、【空・雨・傘】のバリエーションを簡単に網羅できます。これは、機能開発の要件定義で風呂敷を広げるときにとても役立ちました。

問題解決ツール(道具)

ここでは威力のある道具として、論理ツール仮説思考 を挙げられてました。

論理ツールは、14種類紹介されてました。

分類 ツール名
洩れのない見方 MECE、対極オプション、ペア・コンセプト、ロジカル因数分解、フレームワーク、「それ」と「それ以外」
論理的なツリー 因数分解ツリー、ロジックツリー、ロジカル評価軸
特殊な論理ツール ロジック問答、パラフレイジング、進化・深化マトリックス、ロジカルマトリックス、グルーピング推理

無意識で使っているものもいくつかありますね。「それ」と「それ以外」は先程紹介させてもらいました。適切にツールを使うことで、問題解決の質もスピードも大きく変わりそうなので、積極的に試していきたいです。

仮説思考では、いろいろ気付かされました。
まず仮説とは、「その時点で最も確からしい読み・見方」のようです。
私は勘違いしていて、最も確からしいという観点が抜けてました。

そして、仮説に対して苦手意識があり、課題の背景に対して仮説を立てるのにいつも苦労してます。
以下のアプローチがとても参考になりました。

  1. 一連の仮説群を創る
  2. 仮説マップで全体像を掴む
  3. シミュレーションで精度と効率を上げる
  4. 仮説の検証・修正のサイクルをパラレルに回す

仮説に対して、ここまでのステップがあるとは思いもしなかったです。
ここで大事なのが、簡単な問題や時間が限られているときでも、どのステップも落とせないということ。
どれかが欠けてもゴールはできそうですが、ベターな解決方法にたどり着かなかったり、たどり着けたとしても時間がかかるかもしれません。

問題解決モード(思考様式)

ここからは下巻に入るので、ソフト思考(心構え)の要素が強くなります。

効果的な問題解決には直観力と論理力の両方が必要である。
なぜならば、直観力だけでは思いつき・夢物語になりやすく納得性を得られないし、論理力だけでは月並みな答えに陥りやすいからである

つまり、スポット的発想と構造的発想を何度も切り替えて使うと良さそうということでした。感じた直観を論理力(分析)でフォローするなど。。。
私の場合、スポット的発想が強めで、説得力に欠ける事が多いので、論理力をうまく織り交ぜる必要がありそうです。

問題解決ワーク・マネジメント(試合運び)

皆さんは、「仕事」と「作業」の違いはわかりますか?
私は、作業は何かを実行に移すこと。仕事は作業などを抽象的にしたものだと思っていました。
でも本書では解釈が違いそうです。

仕事:ある成果を出すために思考する(アタマを使う)
作業:思考のために準備する、思考したことを実行する(主に手足を使う)

価値や答えを創るという観点からも、「仕事」の重要性がわかります。
ただ、気をつけないといけないところがあって、仕事は一日に 3 ~ 4 時間しか続かないようです。

1 日中、機能開発の要件定義などをしていて、集中力が続かない理由がわかりました!アタマの使いすぎですね。

あと息抜きでデータメンテするのが楽しいと思っているのは、仕事と違って必ず成果がついてくるからということに気づきました。「作業」だけを好む人にはならないように気をつけます。

全体を通して

読んでみた感想としては、一回読んだだけでは全てを理解できないということがわかりました。読んで→行動に移して...を繰り返していかないと体に染みつかないので、何度も読みたいと思います。

あと、問題解決の武器(型・道具・思考様式・試合運び)をいろいろ試してみたい。ウズウズしています!

個人の戦闘力強化に向けて頑張っていきます!

おまけ

参考として、マインド・マネジメントに関する話がいくつか挙げられていました。
「時間と心に "余白" を生み出す」 話が、心を打たれたので紹介させてください!

遅くまで仕事に残って仕事をしている人がいる。休日返上で仕事をしている人がいる。
「忙しそうですね」と言うと、「貧乏暇なしで...」みたいな返事が返ってくる

しかし
「貧乏だから暇がない」のではない
「暇がないから貧乏になる」のである

時代が激しく複雑に変化している中で、新しい知識や知恵が求められる

ところが
暇がなければ新しいことを学べない
古い方法論に上書きができない

貧しくなりこそすれ、決して豊かにはなれない

だから
豊かになろうと思うならば、もっと「余白」創りに執着しよう
新しい戦闘力を手に入れる第一歩になるだろう

私の場合、プライベート(主に子育て)が忙しくて時間が取れないので、とても響きました。新しい知識や知恵を入手しながら、効率の良い動きを身につけていきたいですね。

余白を生み出していかなければ!!

最後に、、、こちらの記事もオススメなので合わせて読んでみてください!

https://zenn.dev/babyjob/articles/ad5fdf6573f575

https://zenn.dev/babyjob/articles/f5f82de916ff74

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