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マネジメントメンバーで「エンジニアのためのマネジメント入門」を読んでみた

2023/12/03に公開

TL;DR

この記事では、弊社開発部のマネジメントロールメンバーで「エンジニアのためのマネジメント入門」を読んでみたので、感想や体験を共有しています。

はじめに

弊社開発部では、マネジメントロールメンバーで定期的に集まり、マネジメントに関する悩み相談や本・外部イベントからのインプット共有、プロジェクトマネジメントの学習計画について話し合っています。

前提:開発部体制とマネジメントメンバー

弊社開発部のマネジメントロールメンバーを簡単に紹介します。

体制としてはざっくりこんな感じです。

説明のためにかなり簡略化しています。

  • わたし
    • BABYJOB株式会社で手ぶら登園というサービスのシステム開発チームにおけるプロジェクトマネージャー。
    • ただの若手エンジニアとして採用されたが、1年半ほど前から徐々にプロジェクトマネジメントを開始し、今年の3月から正社員のピープルマネジメントや四半期ごとの目標設定・一次評価も担当中。
    • 現職以前で本格的なマネジメントの経験はなく、試行錯誤の日々。
  • Kさん
    • エンジニアチーム全体のエンジニアリングマネージャーであり、わたしの直属の上長。
    • 元々は手ぶら登園のプロジェクトマネジメントも担っていたが、1年半ほど前から徐々に役割を移譲。現在はほぼ手を離れており、手ぶら登園については気になったことがあれば適宜ツッコミを入れてくれる。
    • 組織体制の都合上、弊社が展開するもうひとつのサービスであるえんさがそっ♪開発チームのプロジェクトマネジメント、ピープルマネジメントを兼務。
  • Mさん
    • 6月入社の新メンバー。
    • 手ぶら登園開発のプロジェクトマネジメントをKさんからわたしへ移譲したように、えんさがそっ♪開発におけるプロジェクトマネジメントの役割をKさんからMさんへ移譲中。

この本に出会うまで

マネジメントの学習って取っ掛かりが難しい

わたしが本格的にマネージャーの役割を担い始めた頃、マネジメント経験ゼロの自分に向けた学習ロードマップを作りたい!と思い、学習方法を調べ始めました。すると、マネジメントに関する学習方法について王道パターンのような学習方法がいまいち見つかりませんでした。

情報収集のために外部イベントへ参加してみたり、記事やXのポストなどいろんな情報を覗いてみたのですが、まず圧倒的に多かったのは「現場叩き上げ」「先輩PMに教えてもらった」の声で、「何から勉強したらいいかと聞かれても、自分の経験しか話せない」というものでした。

また、「PMBOKから勉強し始めたらすぐ挫折しました」という意見も多く見られ、資格を取る方向でなんとかなるかも?と思っていたわたしは、完全に途方にくれていました。なんて取っ掛かりづらいのだ!!!

概論→入門がしたい

右往左往し続けていると、有名な広木さんの記事に出会います。

そこでマネジメントのカテゴリ分類と、各マネジメントを構成する要素が解説されているのを見ます。
各スキルに対する読書ガイドが紹介されているのですが、それを見たわたしは

  • 「そもそも知らない項目が多すぎる。こういうのを丁度よい深さで学習できるものがほしい」
  • 「その後に必要な学習の優先度を決めて、詳しく勉強したい」

と考えました。

自分の中では大学の授業のとり方が近く、

  • 1年春:「概論」の授業を受ける
  • 1年秋:興味を持った領域の「入門」の授業を受ける

というイメージでした。

この本に出会って

ドンピシャのマネジメント概論本!

ほどなくして、今回のテーマである「エンジニアのためのマネジメント入門」に出会いました。

すでにX等でバズっているのを目にしていたのですが、出版イベントや呼んだ感想のポストで情報収集をしていると、

  • 「自分がマネージャーになりたての頃にこの本があったら嬉しかった」
  • 「端的でマネジメントの取っ掛かりを作るにはもってこい」

という意見がいくつも上がっていたので、自分のニーズにピッタリの良書であると感じ、手に取ることにしました。

本の概要

エンジニアからマネージャーになるのは転職するくらいの変化がある、という内容から始まり、コミュニケーション・リーダーシップ・組織マネジメント・採用と育成など、多岐にわたる内容が記載されています。

各項目について著名な文献からの引用が多数されているものの、平易な文章で書かれているので、マネージャーとして入門する上で必要な取っ掛かりを幅広くインプットできる構成です。

なぜみんなで読むことにしたか

この本を読みたいと思った同タイミングで、弊社の別プロダクトでMさんが本格的にマネジメントに挑戦し始めていました。そこで、「マネジメントロールのメンバー同士でお互いの問題を相談出来たらいいよね」という話になり、全体のマネージャーのKさんを含め3人で週次の振り返りをすることになりました。

振り返りの場で学習ロードマップの話や、書籍のことを紹介したところ「一緒に読みたい!」と言ってもらえたので、ふりかえりの直後30分を使って読書会形式で読むことになりました。

わたし個人の右往左往具合が誰かの役に立てばいいな〜と思っていたので、その点でもみんなで読めてよかったと感じました。

特に良かった内容

書籍全般でとんでもない量のインプットがあり、本当に読んでよかったと感じました。その中でも個人的に感銘を受けた部分をピックアップします。

仕事の委譲はスキルであり、一種の覚悟が必要

書籍「マネジメント3.0」で示されている「権限の委譲は単に業務の丸投げではなく、委任から委譲までのグラデーションが存在する」という考え方が紹介されていました。
特に、

委譲をしたにもかかわらず、尋ねたり助言をしたりすることがあるでしょう。委譲した業務や実務者を気にかけての行動ですが、このような行動を続けてしまうと、権限レベルが下がってしまうだけではなく、マイクロマネジメントになりかねません。したがって、委譲をするからには、実務者を信じて委ねなければなりません。

の部分には、任せた後から口を出しすぎるのが何故良くないかが端的に纏められており、すごく納得出来ました。
また、仕事を委譲することはマネージャーとしてある種の覚悟を問われているようにも感じ、身が引き締まる思いでした。

マネジメントもアジャイル

マネジメントも組織にリリースすることで、仮説が検証できるのです。 いかにして高速に仮説検証を繰り返せるかが、マネジメントにおける成果の鍵になります。決断を1日でも悩んでしまうと、リリースまでのリードタイムも1日以上長くなってしまうでしょう。マネジメントもアジャイルなのです。

最後の章ですが、読んだときに声が漏れるほど響きました。

普段、開発チームに対して「仮説検証のサイクルをいかに高速で回すか」「アジャイル開発とはなんぞや」と力説していたのですが、暗黙的にマネージャーである自分には適用出来ないな...と考えていたことが認識出来ました。仮説検証のサイクルの回し方に役割は関係無いのです!

今後の展望

読書会を通して、まずはプロジェクトマネジメントへ入門するのが必要だ!という結論に至りました。

そのため、次はITエンジニアのためのプロジェクトマネジメント入門を読むことになりました。

あえてPMBOK第6版対応のものを選び、昔ながらのプロジェクトマネジメントを理解しながらアジャイル開発でどのように適用すべきか考えながら読んでいく作戦です。今からワクワクしています!

最後まで読んでいただきありがとうございました!


余談

「エンジニアのためのマネジメント入門」とDDDのシナジー

DDDで有名な増田さん主催のイベントに著者の佐藤さんが出ると聞いて、イベントを視聴しました。
増田さんによるイベント概要記事がありますので、参考まで。

DDDを取り入れている開発チームとのシナジーがありそうと感じたのもの決め手のひとつです。

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