2024年、個人的に良かったインプットのふりかえり
メリークリスマス!🎄 BABY JOB株式会社のたかしろです。
私は普段、"Scrum Master as a Project Manager" [1]という役割を自称し、手ぶら登園というサービスの開発に従事しています。
個人的に良かったインプットをふりかえります
今年は、色んな角度のインプットを意識しようと思い、イベント参加・読書・スライドなどなど、これまで自身が弱かったアンテナを広げることを意識し続けました。12月現在、だいぶ身についてきているので、取り組みとして成功だったように感じます。
ただ、課題としてアウトプットの少なさを感じました。情報の波に飲まれ、Xの後で読む・積読などが文字通り山積みになった結果、自分の考えをまとめるようなアウトプットが殆ど出来ませんでした。
そこで、来年はアウトプットに重点を置いた年にしよう!と決意し、その前段として今年のインプットで特に良かったものを羅列します。
まとめることで、未来の自分が良かったインプットの情報元を探す手間が省けますからね。ナイスプレゼント🎁
選定基準
後に引用したことがあるものを中心にセレクトしています。
また、特に良かった・強めに刺さったものはだいたいXでポストしているか会社のtimesに呟いているので、そこら辺を参考にしました。
紹介の形式
◯月:概要(出会ったきっかけ・タイミング)
という形式で表現します。出会ったきっかけはあくまで私との接点なので、直接の出典ではないケースもあります。
また、出会ったきっかけをはっきり覚えていないものもありましたので、カッコ内はふわふわしたことも書いています。
良かったインプット
1月:「抽象化」と「具体化」をセットで考える(具体と抽象)
具体と抽象は、いい本だと言われて積むことなく読んだ数少ない一冊で、今年の一月くらいに読みました。各章ごとに得られるものが大きく、図示や挿絵が数多くあることから、すごく理解しやすい一冊でした。読んでる期間は「具体と抽象ええでぇ〜」を言い続けていました。
その中でも特に、
結局重要なのは、「抽象化」と「具体化」をセットで考えることです。これらは一つだけでは機能せず、必ずセットになって機能します。
まずは徹底的に現実を観察し、実践の活動を通して世の中の具体をつかみ、それを頭の中で抽象化して思考の世界に持ち込む。そこで過去の知識や経験をつなぎ合わせてさらに新しい知を生み出したのちに、それを再び実行可能なレベルにまで具体化する。これが人間の知とその実践の根本的なメカニズムということになると考えられます。
という部分は、一年間ずっと大切に持ち続けることが出来ました。特に、具体から抽象化したものを実行可能な具体に落とし込む部分は苦手としていたので、実践のための取っ掛かりが生まれたことは大きな資産です[2]。
2月:ラストマンシップ(PdM Days 2024)
PdM Days 2024というイベントで出会ったワードです。日立製作所の川村隆氏の著書「ザ・ラストマン」で紹介されたのが有名だとか。
ラストマンシップとは[3]、簡単に言うと「最後まで責任を持ってやり遂げる精神」のことで、
- 自分が最後の砦であるという意識を持つこと
- 困難な状況でも諦めずにやり抜くこと
- 問題が発生した際に、最終的に責任を負う覚悟を持つこと
などが挙げられます。
ちょうどこの頃は、組織のマネージャーとして1年が終わろうとしており、改めて自身に課せられた役割・責任を全うするにはどうしたら良いんだろうか?と試行錯誤していた時期でした。この言葉に出会って、自身の覚悟が絵としてイメージできるようになったので、他の人にも引用しやすかったです。
4月:経験に複利を効かせろ!ふりかえり研修2024(えーちゃん先輩さんのポスト)
ふりかえりに関する新人向けの資料のようでしたが、誰が読んでも有用な資料だと感じました。
知識やスキルの獲得について、発生した事象から抽象化して汎用的な知識として貯める部分の表現がめちゃくちゃ分かりやすいと感じました。すぐに社内の便利情報チャンネルへ投げ込みました。
今ふりかえると、具体と抽象を読んだことでこの資料がより刺さったのではないか、と思いました。
4月:認知の4点セット(ふりかえりカンファレンス2024)
ふりかえりカンファレンス2024のキーノートで紹介された、事実に対する「認知」の枠組みを以下の4つの要素に整理して理解するフレームワークです。
- 意見:事柄に対する自分の考えや主張
- 経験:その意見に至った根拠となる過去の経験や知識
- 感情:その事柄に対して感じる感情
- 価値観:意見や感情の根底にある、自分が大切にしている価値観
おそらく今年のインプットのうち、最も実践に移すことが出来たものだと思います。出来事から自分の認知の仕組みを確認し、自身の価値観に向き合うことができました。今年のインプットの中で、自分を大きく成長させてくれたと感じます。
また、これをきっかけに普段のふりかえりに対する自分なりの意見を持つことが出来ました。
その点については別のアドベントカレンダーで書いてみたので、よろしければこちらもどうぞ。
5月:「楽しませる」思い これは聞き手に伝わる(Xのタイムライン?)
6月のスクラムフェス大阪でスポンサーセッションを担当することが決まり、もっと上手く資料を作りたいと思っていた矢先にXで流れてきたのだと思います。多分。
結論に書いてある「LTで伝えたいことは鋭く!短く!面白く!」という部分の中でも、面白く!に該当する
聞き手を楽しませるエッセンスをひとつまみ
「楽しませる」思い これは聞き手に伝わる
という部分に感銘を受けました。
以後、発表資料を作るときは、一旦言いたいことをざっとまとめたうえで、聞き手を楽しませたいポイントを決めてからスライドに落とすよう心がけるようになりました。
6月:受験で、試験時間内に合格するレベルで解くには練習と工夫が必要なのと同じ(メガネくもるさんのポスト)
プランニングに限らず、初期段階のチームでスクラムイベントの時間が足りないケースはよく遭遇しますが、それに対してチームがどのように向き合うべきかを上手く説明出来ていませんでした。
多くの人が経験したであろう受験を使った例えは、過去の経験と紐づけてイメージしやすく優れた言い回しだな、と感じました。
今回の選出基準通り、チームのふりかえりで引用させていただきました。
6月:スクラムのロールを登山隊に例える(Women in Agile Osaka 2024のOST)
OSTで話されていたことと近い内容のポストを貼っておきます
「成熟したスクラムチームには、スクラムマスターが不要になるのか?」みたいなテーマのOSTに参加した際、でかわぐちさんがスクラムチームを登山隊に例えて意見を出されていました。
この例をもとに、スクラムマスターが不要になるケースがあるか、に対する意見がとても分かりやすかったです。(以下の図を使って説明します。)
- スクラムマスターは隊列の一番うしろに歩いている人。チーム全体が見えている人なので、チーム全体の歩みの遅れ・隊列の乱れなどに気付きやすい。
- もしスクラムマスターがチームから離れたら、全体が一番見えるのはその時点で最後尾を歩いている人。自然発生的な役割なので、役職ではない。
- スクラムマスターが不要なのでは?という意見が出るケースは、チームにとってスクラムマスターの役割が不要なのではなく、そのチームのスクラムマスターが機能していないケースだと考えられる。
言葉だけでも納得感がありましたが、登山隊の説明が最初に出ていたことで、よりイメージがしやすかったです。OST中、これを知れただけで来た価値があったなと感じました。
今年は関西のスクラムコミュニティにもいくつか参加させてもらったのですが、そこで開催されたOSTで引用させてもらいました。
6月:マネジングアップ(スクラムフェス大阪)
スクラムフェス大阪キーノートです。
これまでに聞いたことの無い切り口の発表で、発表中はあまりピンと来ていませんでした[4]。
後日、資料を改めて見たときに、特に「あなたが成功するためには、あなたの上司を成功させよう」という表現に強く共感しました。私が組織内でアジャイルの実践を推進出来ているのは、自分や上長を含む組織全体の成功や成果の積み重ねだ、とクリアに認識できました。
また、
- 上司が出世する
- 上司の裁量が増える
- 自身の裁量を増やしやすくなる
とイメージ出来たので、俄然やる気が出ました。
これは、上長の1on1でも何回か引用して会話しました。そのためにどうする?という具体的な戦略のイメージについて議論が進められているので、自分の中にしっかりと根付いています。
9月:「すごい人」じゃなくても、何かを変えられる(Developers Summit KANSAI 西内さんの発表)
(2024/12/27 追記)
CodeZineでレポートが公開されたので追記しました。デブサミ関西で、西内さんが発表されていました。
私自身が仕事上で上手くいかないことが続き、自分の中で焦りが大きくなっていた時期に登壇を聞きました。
「すごい人」じゃなくても組織に変革を起こすために、
- As-IsとTo-Beをしっかり認識して
- 組織と個人の双方が可能な方法で
- 強い信念を忘れずに取り組みを継続する
という発表で、まだ自分に出来ることが山ほどあると感じることが出来ました。かなりインパクトが大きく、発表終了後すぐにPCを開き、小一時間ほどマインドマップで頭の中の整理をしました。
デブサミ関西の参加レポートは記事に起こしているので良ければこちらもどうぞ。
10月:順序を付ける(出会い不明)
この頃、Product Backlogのカイゼンに着手しはじめており、POからも優先順位付けの方法について相談をもらっていました。おそらく、その時期に色々調べて出てきたんだと思います。
優先順位付けではなく順序を付けるという考え方によって、複数の基準を考慮した柔軟な計画が可能となり、結果的に自チームのProduct Backlogがプロダクト価値を最大化するツールとして機能し始めるきっかけになりました[5]。
相談を受けたPOも大いに納得してくれ、今でもこの考え方を採用しています。また、チームに対してBacklogの説明をする際にも何度か引用しました。
まとめてみて
記事を書き始めた段階では、記憶に残っているものは強烈なインパクトがあったからだと思っていました。ただ、紹介したものを改めてふりかえると、インプットを自分の状況や経験と照らし合わせながら重要な部分を解釈してストックし、良きタイミングで引用しているものが多かったです。
もしかすると、1月の具体と抽象を読んだことによって、獲得したインプットの整理と利用のスキルが伸びたのかもしれません。
また、良いなと思ったタイミングで文字に起こしておくほうがよっぽど理解が深まって良いなと感じました。冒頭で宣言した通り、2025年はアウトプットに注力した年にしたいと思います!
私たち BABY JOB は、子育てを取り巻く社会のあり方を変え、「すべての人が子育てを楽しいと思える社会」の実現を目指すスタートアップ企業です。圧倒的なぬくもりと当事者意識をもって、こどもと向き合う時間、そして心のゆとりが生まれるサービスを創出します。baby-job.co.jp/
Discussion