「困難」は構造化できる!〜『チームレジリエンス』を読んで学んだ困難との向き合い方〜
こんにちは、BABY JOB 開発部のミヤギです。
はじめに
昨今、「不確実性」や「 VUCA[1] 」という言葉をよく耳にします。
EM の役割を担当している身としても全く他人ごとではなく、向き合う毎日です。
仕様の変更、急なトラブル、先の見えない目標 ……etc
日々、多種多様な「困難」が目の前に現れます。
先の見えない困難であればあるほど、苦手意識を持ってしまう人も多いでしょう。
そんな中、弊社のマネージャー向け輪読会[2]で チームレジリエンス 困難と不確実性に強いチームのつくり方 という本を読みました。

今回は、本書を通して学んだ 「困難との向き合い方」 について、つらつらと書いてみたいと思います。
困難は「気合」ではなく「ロジック」で扱える
レジリエンス とは、「ストレスを受けて回復する力」といった意味で使われます。
なんとなく「打たれ強さ」や「忍耐力」といった精神論をイメージする人が多いのではないでしょうか。
もちろん、精神的な強さも重要です。
しかし、それだけでは個人の力量に依存してしまいます。
本書では、チームとして 「困難に対してロジカルに向き合う方法」 が紹介されています。
漠然とした「大変なこと」を、エンジニアリングのように構造化して捉える視点。
これが、私にとっては非常に腹落ちするものでした。
納得感の高かった点を 2 つ具体的に紹介します。
1. 「困難の性質」によってアプローチを選択する
本書では、困難に対するアプローチ方法の選び方についての記述がありました。
困難の「性質」を鑑みると、大きく 2 つの観点で困難を分解することができます。
- 急性 ↔ 慢性
- 外的要因 ↔ 内的要因
この 2 つの観点をマトリクスにすると、それぞれの象限によってアプローチ方法が異なります。

例えば、突発的な外部サービスの障害(急性 × 外的要因)であれば、原因追及よりもまずは「被害の最小化」という 止血対応 が最優先になります。
一方で、慢性的な内部の技術的負債(慢性 × 内的要因)であれば、一時の勢いではなく、腰を据えた 計画的な治療 が必要になります。
「今、自分たちが直面しているのはどの象限なのか?」 これをマッピングするだけで、見えない敵の正体がわかり、向き合い方を切り替えることができるという考え方です。
2. 「難しさの要因」を段階で捉える
困難には乗り越えること自体の 難しさ があります。
本書では、困難を乗り越えるフェーズに焦点を当て、「ボトルネックとなりやすい箇所」を紹介していました。
困難への対処がうまくいかない要因は、大きく分けて以下の三段階に分けて考えられます。
-
課題化できていない
- 困難を「解決可能な課題(タスク)」として具体的に落とし込めていない
-
取り組むことができていない
- 課題解決に必要なリソースを用意できていない
-
チームの状態が正常ではない
- メンバーのストレスが高まりすぎて、正常な判断や行動ができない
「なんとなく進まない」という状況も、このフィルタを通せば「あ、そもそも課題の定義がふわっとしているな」とか「やることは明確だけど、チームが疲弊していて手が動かないんだな」といった具合に、デバッグすることができます。
おわりに
困難は、ただ「怖いもの」ではありません。
「分類し、段階を追って分解できる対象」 としてロジカルに捉えることができます。
困難と向き合うことが不可欠であればこそ、困難と上手に向き合い、成長の糧にしていきたいと思います。
私たち BABY JOB は、子育てを取り巻く社会のあり方を変え、「すべての人が子育てを楽しいと思える社会」の実現を目指すスタートアップ企業です。圧倒的なぬくもりと当事者意識をもって、子どもと向き合う時間、そして心のゆとりが生まれるサービスを創出します。baby-job.co.jp/
Discussion