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Claude Codeの性能が落ちたのはあなたの使い方のせいかも

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対象読者

  • 「Claude Code の性能が落ちた気がする」と感じている方
  • 「言うことを聞かない」「すぐ忘れる」と不満を感じている方
  • すぐレート上限に到達してしまう方

はじめに

「Claude Code、また性能が落ちた気がする・・・」
「バージョンアップのたびに、言うことを聞かなくなってる気がする・・・」

こう感じることはありませんか?もしかするとツールのせいではなく、あなたの使い方に原因があるかもしれません。

MCPサーバー、CLAUDE.md、ultrathink など、便利そうな機能を 「とりあえず全部入れ」 していませんか?これらはひとつひとつがトークンを消費しています。大量に入れていると、作業を始める前からコンテキストがいっぱいです。そのため、すぐ compact が必要になったり、レート上限に到達しやすくなります。

この記事では、/context コマンドで使用状況を確認して、設定を最適化する方法をお伝えします。

MCPサーバーを確認

まずは、今どれだけのMCPサーバーが有効になっているか確認します。

claude mcp list

このコマンドを実行すると、現在有効なMCPサーバーの一覧が表示されます。たくさん並んでいませんか?

MCPサーバーは、提供するツールの数がまちまちです。1ツールあたりの消費トークンはだいたい500~1,000トークン程度ですが、ツールによって上下することもあります(実際の消費量は後述の /context で確認してください)。仮にMCPサーバー全体で 50,000トークン を消費していたとします。

Claude Sonnet 4.5 のコンテキストウィンドウは 200,000トークン(1,000,000トークンのオプションもあります)なので、50,000トークンを消費している場合、何もしていないのにすでに25%が埋まっている ことになります。ここから作業が始まるので、コードファイルを読み込んだり、会話履歴が増えたり、あっという間にコンテキストがいっぱいになります。

コンテキストウィンドウを確認

Claude Code には、今どれくらいコンテキストを使っているか確認できるコマンドがあります。

/context

コマンドを実行すると、以下のような情報が表示されます。

Context Usage
⛁ ⛁ ⛁ ⛁ ⛁ ⛁ ⛁ ⛁ ⛁ ⛁   claude-sonnet-4-5-20250929 · 33k/200k tokens (16%)
⛁ ⛁ ⛁ ⛁ ⛁ ⛁ ⛀ ⛀ ⛶ ⛶
⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶   ⛁ System prompt: 2.2k tokens (1.1%)
⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶   ⛁ System tools: 12.4k tokens (6.2%)
⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶   ⛁ MCP tools: 17.5k tokens (8.7%)
⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶   ⛁ Memory files: 608 tokens (0.3%)
⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶   ⛁ Messages: 8 tokens (0.0%)
⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶ ⛶   ⛶ Free space: 167k (83.7%)

MCP tools が 17.5k tokens(8.7%)を消費していることが分かります。この例では、必要最小限のMCPサーバーに絞っているため、コンテキストに余裕があります。

コンテキストがいっぱいになると、Claude Code は自動的に会話履歴を圧縮(compact)します。
要約の過程で、細かい指示や重要な前提条件が抜け落ちることがあり、その結果、大事なことを忘れてしまう ことがあります。
また、そもそもコンテキストに余裕がないと、AIが判断に必要な情報を十分に保持できず、精度が下がることもあります。

「頻繁に compact されるな」「指示したのに違うことするな」と感じたら、まず /context で確認してみてください。

ちなみに、5時間ごとのレート制限の使用状況を確認したい場合は、/usage コマンドが使えます。更に活用したい方は、「おはよう」でClaude Codeを1.5倍働かせるライフハック の記事もご覧ください。

必要なものだけに絞る

全部のMCPサーバーを使っていますか?もしかしたら、「念のため」入れただけで、ほとんど使っていないものがあるかもしれません。

私の場合は、Context7GitHubSerena の3つ+必要に応じて追加する構成です。これで、基本的な開発作業はカバーできています。

GitHub サーバーは注意

GitHub のMCPサーバーは、大量のツールを提供するため、他のMCPサーバーよりもトークン消費が大きい です。GitHub関連の作業(PR作成、issue管理、レビューなど)をAIエージェントに任せない場合はなくても問題ありませんが、便利ですので入れておく価値はあります。

以下のように、使う機能だけに絞ることでコンテキストを節約できます。

{
  "mcpServers": {
    "github": {
      "type": "http",
      "url": "https://api.githubcopilot.com/mcp/",
      "headers": {
        "X-MCP-Toolsets": "repos,issues", // リポジトリ、Issue関連ツールのみ
        "X-MCP-Readonly": "true" // 読み取りツールのみ
      }
    }
  }
}

デフォルトでは、以下のすべてのツールセットが有効になっています。

ツールセット 説明
context 強く推奨:現在のユーザーと操作している GitHub コンテキストに関するコンテキストを提供するツール
actions GitHub Actions ワークフローおよび CI/CD 操作
code_security GitHub Code Scanning などのコードセキュリティ関連ツール
dependabot Dependabot ツール
discussions GitHub Discussions 関連ツール
experiments まだ安定とは見なされていない実験的機能
gists GitHub Gist 関連ツール
issues GitHub Issues 関連ツール
labels GitHub Labels 関連ツール
notifications GitHub Notifications 関連ツール
orgs GitHub Organization 関連ツール
projects GitHub Projects 関連ツール
pull_requests GitHub Pull Request 関連ツール
repos GitHub リポジトリ関連ツール
secret_protection GitHub Secret Scanning などのシークレット保護関連ツール
security_advisories セキュリティアドバイザリ関連ツール
stargazers GitHub Stargazers 関連ツール
users GitHub ユーザー関連ツール

Laravel プロジェクトの場合

Serena を Laravel Boost に変えています。両方なくても十分な精度向上が見込めます。Laravel Boost については、なぜSerenaからLaravel Boostに変えるとAIの精度が上がるのか の記事をご覧ください。

その他のMCPサーバーは?

Playwright や Figma など、便利なMCPサーバーはたくさんあります。

これらは、必要なときだけ設定ファイルに追加して、作業が終わったら削除することでコンテキストを節約できます。

ultrathink は本当に必要?

プロンプトで ultrathink(拡張思考モード)を常時有効にしたりしていませんか?

「賢くなるなら、常に有効にしておけばいい」と思うかもしれませんが、使いどころを間違えるとトークン消費が大きくなりかえって状況が悪化します。どうしても解決できない問題があったときだけ使うものです。

CLAUDE.md はシンプルに

CLAUDE.md ファイルも、毎回コンテキストに読み込まれています。

まず重要なのは、英語で書くことです。一般的に日本語で書くとトークン消費が増加する傾向があります。

「CLAUDE.md は日本語で読みやすく書いておきたい」という考えもありますが、CLAUDE.mdはあくまでAIエージェントが読むもの です。人が読むためのドキュメントは、README.md などに書くようにしてください。README.md はコンテキストに自動で読み込まれないため、トークン消費を気にする必要がありません。

また、「丁寧に説明すれば理解してくれる」と、意図や背景を長々と書いたりしていると逆効果です。要点だけを簡潔に書くのが良いです。

悪い例
# プロジェクト概要

このプロジェクトはTypeScriptを使用しています。
TypeScriptを使う理由は型安全性を確保するためです。
また、Next.js 15を採用しており、App Routerを使用しています。
コンポーネントは必ず関数コンポーネントで書いてください。
クラスコンポーネントは使わないでください。
スタイリングにはTailwind CSSを使用します。
(...さらに続く)
良い例
# Project: Todo App

## Stack
Next.js 15, TypeScript, Tailwind

## Commands
- `npm run dev`: dev server
- `npm test`: run tests

## Rules
- Use functional components
- Prettier after changes

おわりに

MCPサーバーは便利ですが、入れすぎるとコンテキストを圧迫して、compact が頻繁に起きたり、レート上限に早く到達してしまいます。

定期的に /context で確認して、本当に必要なものだけに絞ることで、Claude Code を快適に使えるようになります。

ただ、「全部削除しなきゃ!」と焦る必要はありません。プロジェクトによっては必要なこともあります。大切なのは、定期的に見直すことです。使っていないものがあれば、それを外すだけでも効果があります。

「すぐ compact される」「指示通り動かない」「レート上限がすぐ来る」。そんな悩みを抱えている方は、一度設定を見直してみてください。ちょっとしたメンテナンスで、Claude Code はもっと使いやすくなってくれるハズです。

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