エンジニアValueを作成するためにしたこと
はじめに
ZENKIGENでエンジニアリングマネージャー(EM)をやっているyagiriharaです。
会社の初期のエンジニアとしてなんでもやってきて、組織が大きくなり、そのままEngineering Managerになった人はたくさんいると思います。
私もその一人です。
ここではそんな私がEMになり、エンジニア組織づくりにあたってValueを作成した経緯などをまとめたいと思います。
Valueを作ろうと思ったきっかけ
ZENKIGENでは組織のValueを定めています。
このValueの策定には私も携わり、会社の方向性を形づくっています。
一方でエンジニア組織としては、プロダクト開発に取り組んでいるものの、
人数が増えていくにつれてまとまりがない組織になっていってしまうと感じていました。
一時的にバグが増えたり、納期を守れなかったり、退職者がでたり・・・と弊害も少しづつでてきていました。
まとまった方向性を決めるためにもエンジニア組織のValueを作ることが必要だと感じました。
具体的に、採用する際に外せない基準や、技術的な決定に迷ったときの軸として必要となるからです。
ちょうど私がEMになったタイミングで、エンジニア組織Valueを作ることにしました。
Value作成 1回目
ZENKIGENには定期的に「合宿」という、オフラインで1日〜2日かけて話し合う習慣があります。
しかしコロナ禍もあったため、オフラインで集まることが久々でした。
〜ZENKIGEN 茅ヶ崎オフィスにて〜
久々のリアルコミュニケーションということでアイスブレークを行い、Valueの議論に入ります。
"皆でどういう組織にしたいか" にフォーカスを当てて、議論をしていきました。
- 技術的な強みを持ちたい
- 新しい技術を取り入れたい
- 負債を解消したい
- 安定したシステムにしたい...
エンジニアとして誰もがそうだよね、とうなずく意見が次々と出てきました。
おお、議論が活性化してきたぞ、と内心思っていました。
では、これをまとめて、Valueを作ろう!となりましたが...全くまとまらない。
あれもこれも大事、で何に注力したいの?という話のまま終わり、タイムアップ。
Valueを作る、というところは一旦保留となりました。
ただ、今回は久々にリアルで話すことができて皆と打ち解けたのは良かった点でした。
自分が作りたい組織を考える
皆の意見を聞いて皆が作りたい、皆が居心地のよいチームにしようという発想で望んでいましたが、それは極端に言えば、戦争のない平和な世界を作ろうというのと同じで、難しいものです。
考えを改め、まずは自分がどういう組織にしたいか,どういうエンジニアでありたいかを考え、それをベースにValueを作ろうという方向性にしました。
エンジニア組織の中で自分が社歴が一番長いメンバーでしたし、
エンジニア組織だけでなく、全社的な視点で会社の状況が見えているという感覚があったからです。
作成にあたっては、セールス側のマネージャーや開発活動で頻繁にコミュニケーションをとるプロダクトマネージャー、実際に開発にあたっているリーダー・メンバーに壁打ちを行いました。そして、彼らからもらった「会社全体のValueに即したものにするべき」「要素を詰め込み過ぎると何に注力したいかがわからないので端的に」といった意見を活かしつつ、miroを使って考えを整理していきました。
私が考えたどういうエンジニアになりたいか、組織にしたいかは次の3点でした。
- 自己満足で終わるのではなく、社会を進化させるエンジニアになる。
- そのためにどんな価値創出につながるかを考え、価値に集中できる環境をつくる。
- 領域を限定せず、サービス全体を作れる「ソフトウェアエンジニア」を目指す。
これをもとにValueの下地をつくりました。
Value作成 2回目
そして4月、新しく参画する人が多いタイミングで再び合宿を行いました。
まずは私が考えたエンジニアVision、Valueを皆にプレゼンしました。
その後に意見交換をしたところ、事前にいろいろな人の意見を聞いていたこともあり、特に反論もなくValueもスムーズに決まりました。
メンバーからもいままでふわふわしてきたことが明確になり、どういうところに力をいれればよいかが明確になった、という声もありました。
こうしてできたValueが以下です。先述の3点がベースになっています。
Direction(方向性)、How(方法)、Stance(スタンス)の3つでなりたっており、直感的に理解しやすいものになったと思います。
まとめ
今回は約半年かけて、エンジニア組織Valueを作成した過程をお届けしました。
ZENKIGENでの例を記載しましたが、それぞれの組織にあったValueの作り方があると感じます。
しかし、Valueは作ることが目的ではありません。それを通して組織とプロダクトを成長させることが目的です。
それを浸透させるために、OKRという形でActionへと落としこんで進めている最中です。進展がありましたら、続きを記事として書きたいと思います。
この取組みが、みなさんの組織改善に少しでも参考になれば幸いです。
お知らせ
少しでも弊社や harutaka 、revii に興味を持っていただいたという方は、お気軽にご連絡頂けると幸いです!カジュアルにお話という形でも、副業したいという形でも大歓迎です。
Discussion