IPAの試験におけるER図
ER図とは
ER図(Entity Relationship Diagram)とはデータベース、特に関係データベースを抽象的に表現する設計図のことである。E-R図とも書く。IPAの午前試験ではE-R図と呼んでいる。
基本的な構成要素は、エンティティタイプ(実体)とリレーションシップ(関係)の2つ。
DBスペシャリスト試験の午後問題におけるER図
DBスペシャリスト試験ではエンティティタイプと属性を別々に表記する。すなわち、概念データモデルはエンティティタイプの名前とリレーションのみで表記し、各エンティティタイプの属性はそれとは分けて関係スキーマの表を用いて表記する。
AP(応用情報技術者試験)では各エンティティタイプの属性もER図の中に記述している。IPAの試験以外でもAPの形の方が一般的の様に思われる。
リレーションシップは矢印を使って表記するバックマン表記法という表記法を使っている。この表記法はAPでも使われているにもかかわらず、何故か試験対策の問題集などにはこの名前は記載されていないことが多い。
IE表記法で使われる鳥の足記号を用いた多重度の表記法は使われない。IDEF1X(アイデ エフワンエックス)とも異なる。
0の場合も含めるため白黒の〇を付けるというルールがかつては適用されていたが、最近では「エンティティタイプ間の対応関係にゼロを含むか否かの表記は必要ない」という様な誘導文が書かれていることが多い。
スーパタイプとサブタイプ
スーパタイプとサブタイプのリレーションシップもDBスペシャリスト試験のER図には含まれる。
特に午後Ⅱではスーパタイプとサブタイプは最重要項目と言っても良い。
スーパタイプとサブタイプの概念は1976年にP.P.Chenが提唱したER図には含まれないので、拡張されたER図と呼ばれることもあるが、DBスペシャリストの試験では単にER図と呼んでいる。
連関エンティティ
多対多の関係性の間のリレーションシップをエンティティとして捉えることで1対多の関係に変換する時の間のエンティティ。DBスペシャリスト試験では連関エンティティという言葉は出て来ない。
インスタンスとタプル
DBスペシャリスト試験では(テーブル型データの行)=インスタンスと考えて良い。
タプルに関しては一般にタプル=インスタンスとしている本と、タプル=(インスタンスの集合)としている本があるが、DBスペシャリスト試験では前者を採用している。
つまり
(テーブル型データの行)=インスタンス=タプル
ということになる。
DBスペシャリスト試験の午前問題におけるER図
午前IやAPではエンティティタイプが数個のER図が出て来る。
午前ⅡのER図は午後問題と違い矢印を使わず、UMLクラス図との違いは表記対象がエンティティかオブジェクトかの違いだけである。
Discussion