🚶‍♀️

[iOS] iOS16機能の素振りでシンプルな歩数計アプリをつくった

2022/12/07に公開

何をつくったか

シンプルな歩数計アプリを作ってみました。

sanpo app

ソースコードはこちら
https://github.com/yyokii/Sanpo

開発目的は主に以下です。

  • iOS16のロック画面のウィジェットを使ってみたかった
  • UICalendarViewを利用してみたかった
  • シンプルにViewとModel(データ+ロジック)に分離した設計でアプリを作ってみたかった

利用したiOS16~のもの

2022年9月13日(JST)にiOS16がリリースされ、いくつか新しい機能、APIが提供されるようになりました。今回のアプリではその一部を利用しています。

WidgetKit(ロック画面のウィジェット)

lock screen widget

ホームウィジェットの表示は以下のようにsupportedFamilies(_:)を追加することで実現可能です。

import WidgetKit
import SwiftUI

@main
struct SanpoWidget: Widget {
    let kind: String = "Widget"

    var body: some WidgetConfiguration {
        StaticConfiguration(kind: kind, provider: Provider()) { entry in
            WidgetEntryView(entry: entry)
        }
        .configurationDisplayName("Sanpo")
        .supportedFamilies([.accessoryCircular])
    }
}

WeatherKit

WeatherKitは気象データにアクセスできるフレームワークです。

WeatherKitを使用して幅広いデータに基づく有益な気象情報をAppやサービスで提供することにより、ユーザーが最新情報を確認し、身を守り、備えるのをサポートすることができます。iOS 16、iPadOS 16、macOS 13、tvOS 16、watchOS 9向けにはプラットフォーム固有のSwift APIを使用し、その他すべてのプラットフォーム向けにはREST APIを使用することで、AppでWeatherKitを簡単に利用できます。

(引用)WeatherKitの概要 - Apple Developer

今回は現在〜6時間後までの1時間ごとの天気を表示するために利用しました。

下記のように、WeatherServiceオブジェクトを介してリクエストすることで対象のデータ(今回の場合は毎時のデータ)が取得できます。

@MainActor
public class WeatherData: ObservableObject {

~~~

    @Published public var phase: AsyncStatePhase = .initial
    @Published public var hourlyForecasts: Forecast<HourWeather>?
    private let service = WeatherService.shared

~~~
  
    private func loadHourlyForecast(for location: CLLocation) async {
        phase = .loading
        let hourWeather = await Task.detached(priority: .userInitiated) {
            let forecast = try? await self.service.weather(
                for: location,
                including: .hourly
            )
            return forecast
        }.value
        hourlyForecasts = hourWeather
        phase = .success(Date())
    }
}

各データの表示については下記のように先頭から任意の数を取り出し、

if let hourlyForecasts = weatherData.hourlyForecasts {
  ForEach(hourlyForecasts[0..<6], id: \.self.date) { forecast in
                                                    weatherDataRow(
                                                      date: forecast.date,
                                                      weatherIconName: forecast.symbolName,
                                                      temperature: forecast.temperature,
                                                      precipitationChance: forecast.precipitationChance
                                                    )
                                                   }
  .padding(.bottom, 8)
}

個々のデータについてはDate.FormatStyle()formatted(_:)を用いて表示用データに変換しています。

func weatherDataRow(
  date: Date,
  weatherIconName: String,
  temperature: Measurement<UnitTemperature>,
  precipitationChance: Double
) -> some View {
  HStack {
    Text(date, format: Date.FormatStyle().hour(.defaultDigits(amPM: .abbreviated)).minute())
    .adaptiveFont(.normal, size: 18)
    Spacer()
    HStack {
      Image(systemName: weatherIconName)
      Text(temperature.formatted(.measurement(width: .abbreviated, usage: .weather)))
      .adaptiveFont(.normal, size: 18)
      .frame(width: 90, alignment: .leading)
    }
    Spacer()
    Text(formattedPrecipitationChance(precipitationChance))
    .adaptiveFont(.normal, size: 18)
  }
}

データ取得とその表示についてはAppleのサンプルコードもあり、そちらを参考にしています。
Fetching weather forecasts with WeatherKit | Apple Developer Documentation

また、WeatherKitを利用する場合は「Apple Weatherの商標」と、「データソースへの法的リンク」の表示が必要です。

AppでApple Weatherのデータを表示する場合は、WeatherKitドキュメントのアトリビューション要件に従う必要があります。

(引用)App Store Reviewガイドライン - Apple Developer

UICalendarView

iOS16より日付の選択、表示変更が可能なカレンダークラスであるUICalendarViewが利用できます。
今回のアプリでは過去の歩数データを表示するために利用しています。

sanpo app

UICalendarView | Apple Developer Documentation

設計

ViewとModel(Entityとロジックをもつもの)のレイヤーを持つシンプルなものです。

  • 歩数などのモデルについてはActive Recordパターンを採用し、ロジックとFactoryメソッドを持ちます。
  • 状態管理などのライフサイクルが必要となる場合は ~Dataという命名のclassを作成しています。

Stop using MVVM for SwiftUI | Apple Developer Forums での議論を読みその簡易な実践の意味もあり、MVの設計としています。
そこでの議論ではSwiftの機能を利用し設計をシンプルに保つことを重要視していますが、それは「A Philosophy of Software Design」での内容と通じることが多いように思いました。
「A Philosophy of Software Design」のまとめと感想

おわりに

SwiftUIの登場から数年が経ちますが、Swiftの言語機能の進化に加えて毎年OSの更新があり常に考えることが絶えませんね。そんな訳でついインプットが多くなりがちですが、「触ってみる」ことが「使う」ためには近道です。

シンプルなアプリですが、それを再認識できて良かったです。
誰かの参考になれば幸いです。

GitHubで編集を提案

Discussion