GitLab v13.0からv13.12までのアップデート内容をまとめてみた
はじめに
最近、社内で運用しているGitLabのアップデート作業を行っています。
GitLabは頻繁にアップデートがリリースされており、毎月マイナーバージョンが上がり、毎年メジャーバージョンが上がります。
リリースノートの記述内容は多く、リリースに関する公式ブログ記事でも様々な変更点が紹介されていますが、内容が多すぎるため、独断と偏見で気になった更新をピックアップしてみました。
本記事では、(今となっては古いですが)v13.0からv13.12までの変更点についてピックアップしています。
なお、GitLab CE(無料版、Self-ManagedかつFree)で有効な変更点のみをピックアップしています。
他にも有用な変更点があれば、是非教えてください!
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バージョン毎の変更点
v13.0
Versioned Snippets
スニペットがバージョン管理されるようになりました。
Exclude large files using Partial Clone
ファイルサイズでフィルタして部分クローンできるようになりました。
Enable group-level default branch protection
グループ単位でデフォルトブランチを保護できるようになりました。
Design Management moved to Core
デザイン管理機能が無料版で使えるようになりました。
v13.1
Assign issues faster
コメントを書き込んだユーザを簡単にIssueにアサインできるようになりました。
v13.2
.gitlab-ci.yml
Create releases from CI/CDジョブからリリースを作成できるようになりました。
Wiki page diffs
Wikiページの差分が見やすくなりました。
v13.3
Create and manage IT Incidents in GitLab
インシデント管理機能が無料版で使えるようになりました。
Package Registry now available in Core
パッケージレジストリ機能が無料版で使えるようになりました。
Project access tokens
プロジェクトアクセストークンを発行できるようになりました。
Display a single file when reviewing merge requests
Merge Requestの相違点表示で1ファイルずつ表示できるようになりました。
WIP merge requests renamed Draft merge requests
作業中のMerge Requestを示すキーワードがWIP
からDraft
に変更されました。
CI linter now can provide warnings in addition to errors
CI/CD構成ファイル(.gitlab-ci.yml
)のLintツールがエラーに加えて警告も出力するようになりました。
Configure a job artifact to never expire
CI/CDジョブの生成物の有効期限に「期限なし」(never
)を指定できるようになりました。
v13.4
Child pipelines can now trigger their own child pipelines
CI/CDの子パイプラインから子パイプラインをトリガーできるようになりました。
Related Issues and more are now available in Core
「関連するIssue」(Linked issues)機能が無料版で使えるようになりました。
Support for deploying GitLab on ARM64 is now available
ARM64環境向けのOmnibusパッケージが提供されるようになりました。
v13.5
Enable instance-level shared runners when viewing groups
CI/CDの共有ランナーをグループ単位で有効化/無効化できるようになりました。
Generic Package Registry
汎用パッケージレジストリ機能が追加されました。
Attach binary assets to Releases
バイナリアセットをリリースに添付できるようになりました。
Remove issue labels with a single click
Issueからワンクリックでラベルを削除できるようになりました。
Mark merge request as ‘draft’ with a single click
Merge RequestをワンクリックでDraft状態に切り替えることができるようになりました。
v13.6
Group-level management of project integrations
グループ単位でIntegrationの設定ができるようになりました。
Include Git LFS files in repository archive
プロジェクトのアーカイブにGit LFSのファイルが含まれるようになりました。
v13.7
Reviewers for Merge Requests
Merge Requestのレビューを依頼できるようになりました。
Pre-filled variables when running pipelines manually
CI/CDジョブを手動で実行する場合に、環境変数が自動的に入力されるようになりました。
v13.8
CI lint tool in the pipeline editor page
CI/CDの構成ファイルを可視化、Lintしながら編集できるエディタが導入されました。
Visualization of pipeline configuration
CI/CDのパイプラインを可視化できるようになりました。
Click and drag multiline merge request comments
Merge Requestの複数行をドラッグで選択し、コメントできるようになりました。
Repeat failed test counter
複数回失敗したCI/CDジョブを確認し易くなりました。
Busy status indicator
「今、忙しいぜ」と主張できるようになりました。
Display all available quick actions in autocomplete
コメント欄で使用できるクイックアクションが/
の入力ですべて表示されるようになりました。
Configure multiple image pull policies for Docker executor
Docker executorのイメージプルポリシーに複数の値を指定できるようになりました。
Use rich output for Jupyter notebooks
Jupyter Notebookファイルがリッチな表示でプレビューされるようになりました。
Control job status using exit codes
CI/CDジョブにおいて許容する終了コードを指定できるようになりました。
Single-node instances will now upgrade to PostgreSQL 12 by default
シングルノード、かつOmnibus構成の場合、PostgreSQLが自動的にv12系にアップデートされます。
v13.9
Select CI/CD configuration from any job and reuse it
CI/CDの構成を!reference
で参照、再利用できるようになりました。
View an expanded version of the CI/CD configuration
CI/CDの構成ファイルのextends
、!reference
などがマージされた状態で見ることができるようになりました。
Resource Group for multi-project and parent-child pipelines
CI/CDのパイプラインについて、複数のプロジェクトに跨がってリソースグループを指定できるようになりました。
Request a follow-up review from a Reviewer
Merge Requestの再レビューを簡単に依頼できるようになりました。
Mark changes as viewed in merge requests
Merge Requestの各ファイルに「表示済み」(レビュー済み)マークを付加できるようになりました。
GPU and smart scheduling support for GitLab Runner
GitLab RunnerのDocker Machine executorにGPUサポートが追加されました。(ただし、Google Compute Engineのみサポート)
v13.10
Create a release from an existing tag
既存のタグからリリースを作成できるようになりました。
Define environment type in .gitlab-ci.yml
CI/CDで「環境」を指定できるようになりました。
Use ‘parallel: matrix’ with trigger jobs
CI/CDのトリガージョブでも複数の変数の組み合わせ(マトリックス)の並列実行ができるようになりました。
Search and autocomplete by full name in comment mentions
@
でメンションする時に、ユーザIDの他にユーザ氏名でも補完できるようになりました。
Notify participants when merge request is marked ready
Merge RequestのDraftが解除された時(準備できた時)に通知されるようになりました。
v13.11
Re-authenticate for GitLab administration with Admin Mode
一般ユーザと管理者ユーザを切り替える「Admin Mode」が導入されました。
Use multiple caches in the same job
CI/CDジョブで複数のキャッシュを使えるようになりました。
v13.12
Support wildcards when including YAML CI/CD configuration files
CI/CD構成ファイルのincludes
でワイルドカードを使えるようになりました。
Show job dependencies in the pipeline graph
CI/CDのパイプライン画面にジョブ同士の依存関係を表示できるようになりました。
Time tracking reports for issues and merge requests
Issue、Merge Requestのタイムトラッキングレポートを表示できるようになりました。
Lock latest pipeline artifact to prevent deletion
CI/CDの最新生成物が削除されないように保護されるようになりました。
おわりに
GitLabの公式ブログは情報が豊富で良いのですが、豊富すぎてピックアップするのがなかなか大変でした。
本記事が何らかの参考になれば幸いです。
次は頑張ってGitLab v14系の変更点をピックアップしたいと思います。
2022年9月5日追記: GitLab v14系についても記事を書きました。
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