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World Beyond Physicsを読んで(後編)
はじめに
こちらの続き記事です。
スチュアート・A・カウフマンの
WORLD BEYOND PHYSICS
の5~11章読みました。
各章かいつまみ
5章 代謝の作り方
- 代謝も、ある程度の空間で濃度がますと自然と自己触媒集合とつながっていく(結婚する)
6章 原子細胞
原始細胞誕生仮説: 熱噴出孔仮説 or デイマー=ディーマー・シナリオ
デイマー=ディーマー・シナリオ
ウェット=ドライ・サイクル
アイスランドやハワイに似た火山地帯にあった、互いにつながった複数プールにて、ブールが乾燥したり水が入ってきたりと繰り返されることで、リボソープがゲル状の凝集体から原始細胞が誕生した仮説。
7章 遺伝可能な多様性
アイゲンシュタイナーのエラーカタストロフィ: エラー頻度が高すぎると、遺伝子が発散して保存されない。
8~10章 我々がプレーするゲーム、原始細胞たちの驚くべき実話
- 初めての「固着性濾過摂食者」パトリックのストーリ
宇宙の中の何かが「チャンスをつかむ」ためには、何が必要だろうか。
(中略)その答えは驚くべきもので、繰り返し述べる価値がある。
その場面状況を、つかむことのできるチャンスであると受け止めるような何か、つまり「自分のための存在」がいなければ、チャンスを持つことはできないのだ。
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前適応(外適応): 現在の環境では選択的重要性をもたないが、異なる環境で利用されるようになって選択されること
ex. 耳のキヌタ、ツチ、アブミ骨 <= 魚の顎の骨の外適応 -
生命の進化ともに、ニッチ生成が行われ、多様性が爆発してる
11章 物理学を超越した世界
- 未来の進化は予見できない。物理学を超越している。
- 経済活動の進化(新しいサービスが生まれてくる様子)も、生命の進化と類似している。(生命的である。)
読んでみての感想
最高にCoolな本だった。読んでてドキドキした。
自分としてのクライマックスは4つ。
- 非エルゴード宇宙: 200個の長さのタンパク質の全ての組み合わせは、宇宙全ての粒子を使っても取り得ない。内なる宇宙がそこにはある。
- 生命の持つ神秘性の原点は、「終わらない進化」とどんどん増していく多様性にあるということ。そして、それは自己触媒などで発生する閉回路から生まれているのではないかという仮説
- ウェットドライサイクルの話
- 前適応の話
3つの閉回路部分など、まだ腑に落ちていない部分は沢山ある。
なので、また機をみて読み返してみたい。
今後の進め方
- 組み合わせにより「内なる宇宙」が生まれるのは大変刺激的だった。特にタンパク質が配列でここまで表現型が変わる部分が、生命の多様性の肝なのではと感じる。配列により表現が変わる。そういうモデルを見つけたり、自分で動かしたりしてみたい。
- 閉回路の生命モデルがあった気がする。それを動かしてみたい。閉回路の可能性を考えてみたい。
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