TimesNet解説 Part1 概要と開発経緯
今回は時系列予測モデルのTimesNetを解説します。
原論文:TimesNet: Temporal 2D-Variation Modeling for General Time Series Analysis
この記事は、TimesNet: The Latest Advance in Time Series Forecastingを参考に記述しています。英語が読める方はこちらを確認して下さい。
1. TimesNet
1.1 概論
機械学習による時系列予測モデルは、2020年のN-BEATS、2022年のN-HiTS、2023年3月のPatchTSTのように新しいモデルが発表されてきました。
TimesNetは2023年4月に発表された時系列予測モデルです。一次元の時系列データを二次元に変換することにより、データの依存関係を捉える力が向上しました。
その性能は抜群で、短期予測、長期予測、欠損補完、分類、異常検知の5つの分野でSOTAを達成しました。
これまで(MLP,Transformerベース)と異なり、CNNベースのモデルで最先端の成果を達成しているため、時系列分析の基礎モデルとして最適候補になっています。これは、CNNがデータ量に対して効率的な予測を提供するためです。
1.2 経緯
TimesNetアーキテクチャの背後にあるのは、現実にある時系列の多くが複数の周期性を持つという認識です。
例えば、気温は昼と夜、夏と冬のように日単位と年単位の周期性を持ちます。これらの期間は複数に重なり合い、相互に影響を与えているため、個別に分離してモデル化することが困難になっています。
これらの周期性をうまく捉えるために、TimesNetの著者達は二次元空間で時系列を再構成して、「周期内変動」と「周期間変動」をモデル化することを提案しました。
上記の例で表すと、周期内変動は1日の気温がどのように変化するのかを示し、周期間変動は気温が日毎、年毎にどのように変化するのかを示します。
これらを念頭に置いて、モデルのアーキテクチャを見ていきましょう。
まとめ
今回はここまでです。読んでいただきありがとうございます。
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