エンジニアマネージャー自身の育成とキャリア形成
こんにちは!
株式会社ココナラのHead of Informationの ゆーた(@yuta_k0911)です。
Engineering Manager Advent Calendar 2024の11日目の記事です。
今年2件目のアドベントカレンダーです!
以下の記事でも少し触れたこともふまえて、「エンジニアマネージャー自身の育成とキャリア形成」について記事を書きます!
振り返り記事を作成する! と宣言したフラグはしっかり回収。
この記事を書こうと思った背景
定期的にキャリアの見直しを行っているのですが、今年は特に悩んだ1年でした。
何を悩んだかというと
・エンジニアマネージャーの次のキャリアって何だっけ?とふと考えることが増えた
・僕の場合はSRE / 社内情報システム / セキュリティの3つを兼務しているので、器用貧乏な感じがしている
・周りの知人でも同じ悩みを抱えている方がいるが、解決まで至らない
という感じです。
こんな感じで悩みは尽きない…
過去の記事でこんなことを書いていました。
「EM × エンジニアブランディング」というのを この1年は突き詰めてみよう と思います。
去年から取り組み始めたので、まだまだ型化するところまでは至っていませんし、個人プレーの延長でしか活動できていないのも事実です。
この1年間突き詰めてみるというのは一定できたものの、なんか達成感がないと言いますか、良くない意味でのソフトランディングをしたなぁという感想なんですよね。
ここを深堀りできれば、自分のもやもやが解決できるかも…と思い、今回記事にしてみました!
以前、実施した座談会で僕がどういうきっかけでエンジニアになって、エンジニアマネージャーのロールを担ったか?のきっかけなども資料に整理したので、こちらもぜひご覧ください。
・・・と仰々しい語りから入りましたが、自分からどんどんキャリアを形成したというよりは、その場その場で求められたことを愚直にやっていった結果なので、泥臭い感じです!
EMのキャリア形成ってどうやってやるのだろう?
まず、企業におけるEMの上位の役職 として思いつくものは以下です。シニア〜がある場合はそれですが、階層的に上に行くと〜のイメージとして捉えていただけると幸いです。
- CTO
- CIO
- CISO
- VPoE
おそらく一般的にエンジニアマネージャーと呼ばれる方は役員一歩手前を含めた中間管理職に該当する方が多いのではないでしょうか?
僕もそうでして、ココナラでは部長職、ココナラテックでは執行役員を担っています。
その1つ上の階層となると取締役や執行役員クラスになるので、「経営層」と一般的に呼ばれるレイヤーです。
「エンジニアのマネージャー」ではあるものの、「会社や事業をどう発展させるか?」に重きを置く立場というイメージです。
もう1つは、マネジメントの幅を広げる(今担当している領域を横に広げていく、マネジメント対象の人数を増やしてよりミッションクリティカルなものに取り組む)形でしょうか。
僕の場合はそちらにも近しいところを歩んでいまして、
- もともとはプロダクトインフラ・SREを担当していた
- セキュリティに対する温度感が上がり、基盤側のセキュリティ担当を兼務することになった
- セキュリティに近しい社内情報システムもちょっと携わることになった
- 技術広報活動もやっていて、Dev Enablingに取り組もうとしている
という感じで横に広がっています。
「もう1つ」と書きましたが、階層的に上に行くときの素養の1つかもしれません。
キャリアにおける悩み
↑にリンクしている座談会の資料にも書いてあるのですが、前提として僕は「広く浅くのキャリア」を歩んできて、「これだ!!」と胸を張って言える武器はありません😥
そんな僕が思うキャリアにおける悩みは以下の3つです。
- キャリア迷子になりやすい
- ロールモデルを設定しにくい
- 目指すキャリアパスに対する「椅子取りゲーム」に勝てないのでは?という不安感が募る
1つずつ解説していきます。
キャリア迷子になりやすい
「広く浅くのキャリア」は良く言えば「何でも屋さん」ですが、以下のことを考えていました。
・いろいろできる = 都合の良い人?
・1つを突き詰めた人には勝てない = 評価されにくい?
昇格・昇給 / 転職の機会で何かと不安になりやすいです。
主語が大きい言い方をしますと、器用貧乏なのではないか?という疑心暗鬼に陥る状況になりました。
ロールモデルを設定しにくい
社内外を見ても「狭く深く(=尖った)」のキャリアパスを描いている方が一般的には多いと思います。
=必然的にロールモデルと位置づけられる絶対数が少なく、”いいとこ取り”がやりにくい環境に力学が働きやすいです。
僕が得意としているTTP(徹底的にパクる)がやりにくい状況になりました。
目指すキャリアパスに対する「椅子取りゲーム」に勝てないのでは?という不安感が募る
たとえば、マネージャーを目指していても、そのポジションを誰かが担っていたら、
・マネージャーを昇格させて、ポジションを空ける
・マネージャーを蹴り落として、ポジションを空ける
・別のポジションを作る
というような場合に限られてしまい、横並びになったときに勝てないのでは?と不安になってしまいます。(もちろん勝ち負けではないですが、自分のキャリアパス実現が遠のくという意味で表現しています)
「運も実力のうち」になり、変えられないこともあると諦めようと思ったこともありました😢
あくまでこの3つは僕が抱えていた悩みなので、他にも大小さまざまな悩みを抱えていたり、抱えてないふりをしてすごしている方もいるのではないでしょうか?
試行錯誤してたどり着いた解をご紹介します!
育成とキャリア形成の解(当社比)
育成
まず、お恥ずかしながら、僕はエンジニアマネージャー育成に関するカチッとしたテンプレートは持ち合わせていないです。
ですが、エンジニアマネージャーが目指すのは 「組織の成果の最大化」 と考えています。
もちろん事業数値やさまざまなKPIも持っていると思いますが、あくまで指標なので究極的にはこれをどれだけ突き詰められるかだと思っています。
次の「キャリア形成」の項目にも繋がりますが、個人的には以下の能力を重要視しています。
- 事業の数値をエンジニアリング起点でどう伸ばせるか?を考え抜く多角的な視点
- 自分が経営者だったら、という仮定をして、仮説検証を進めるための視座の高さ
- それらを圧倒的な当事者意識を持って推進しようとするマインド
技術力については触れませんでしたが、もちろん大事です。ただ、エンジニアマネージャーとしての能力を伸ばしていくにはビジネススキルも重要だと思います。
そして、それを伸ばすためには経営層から盗むことが手っ取り早いと思っています。
たとえば、経営会議に参加して、どういう議論がされているかを理解して自分の業務に落とし込んだり、役員クラスの上長とディスカッションするのがアプローチとしては良いのではないでしょうか?(できる・できないは会社さんによって異なると思いますので、実現性は…すみません)
社内に閉じる必要はないので、社外のイベントでそういうロールの方と話をするのも大事です。
技術力 × ビジネススキル = 勝ち筋! と思っています!
ビジネス本ですと、最近経営オフサイトの課題図書になっていた「コンテクスト・マネジメント 個を活かし、経営の質を高める」は学びが多かったです。
ミドルマネージャーとして考えるべきことは何なのか?どういう視野・視座で物事を考えるべきなのか?は勉強になりました。
そして、リクルートという会社で何気なく取り組んでいたことが実は重要なことだったと気付かされました。
キャリア形成
自分が短所と思っているところが見方を変えると、「もしかしたら長所になるかもしれない…」と気付いたきっかけがありました。
リクルートに所属していたときですが、インフラ領域の技術力にそこまで自信を持てず、キャリア形成に悩んでいました。
その時にたまたま30名ぐらいのチームリーダーを任されて、あることに気づきました。それは
- 技術力ももちろん大事だが、同じぐらい課題解決能力が大事
- 「広く浅く」も言い換えれば、引き出しが多い
- キャリアの掛け算は強み、100分の1を3乗すれば、100万分の1になる
という3点です。
キャリアの解像度が低いから、先行きが不安になっているだけで、エンジニアマネージャーというロールを担い続けることで十分成長していっているのでは?という考え方にシフトチェンジしました。
一点突破のキャリアを築けなくても、未知を切り拓くことはできる!!
**「迷わず行けよ 行けば分かるさ」**ってことなんですかね。できない理由を探すのではなく、どうすればできるかを愚直に考えていくことが大事なのだと理解しました。
良い意味で「広く浅くのキャリア」を極めていくと、先に書いた通り、エンジニアマネージャーとしての幅も広がりますし、階層的に上に行くことに近づきます。
スキルと言うよりは スタンス・マインドセットが重要 という風に僕は解釈しています。
「悩むのは人だからしょうがない、ただ悩んでいるだけでは解決しないし、ちゃんと今の自分を信じて歩みを止めなければ大丈夫」というイメージです。
2025年からどう取り組むか?
僕のキャリアにおいては 「キャリアの掛け算」 というキーワードが大事なので、今後も意識して取り組んでいきます。
技術広報・Dev Enablingもそうですし、それ以外も含めて多角的に考えてみます。
上記を突き詰めてく過程の中で、自分の目指したいキャリアの解像度が上がってくる気がするんですよね。
引き続き、自分の中で本当に解像度の高い解があるわけではないのですが、愚直に試行錯誤しながらチャレンジするのも良いかなぁと思っています。
最低でも1年ごとには振り返ってみたいと思うので、そのときはまた記事にしますね!
そして、Engineering Manager Conference Japan 2025のプロポーザルに書いた内容の一部はこの記事で触れましたが、Reject Conがあるならぜひ話したいと思います!
本編も楽しみにしています!絶対に参加します!!
※追記:参加者チケットをGetしました!
今年のアドベントカレンダーは2件寄稿しました。
目標は達成ですが、コンスタントに記事を書かないとダメだなぁという反省があるので、2025年はもう少しこのブログに有益な情報を書けるようにチャレンジします!
僕のようなキャリアを歩んでいる方もいると思いますので、参考になる点があれば嬉しいです!
最後までお読みいただき、ありがとうございました🙇
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