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【統計検定準1級】確率変数の分布の特性値

2024/07/08に公開

はじめに

この記事では、統計検定準1級取得に向けて学習したことをまとめていきます。
工学系の数学ではなく数理あるあるの、論述ゴリゴリな解答になっていると思いますのであらかじめご了承ください。
注意:さらに計算過程は数学文化の『省略の美』を無視してエレファントに書いています。

【リンク紹介】
統計検定準1級のまとめ記事一覧
これまで書いたシリーズ記事一覧

学習書籍について

この記事では「統計学実践ワークブック」を中心に、学んだことをまとめていきます。記事を読んで本格的に勉強してみたいなと思った方は、是非ご購入を検討なさってください。


参考書籍について

統計実践ワークブックは、大量の知識項目と問題が収められている反面、計算過程や知識背景が大きく省略されているため、知識体系をきちんと学ぶ参考書として東京大学から出版されている名著「統計学入門」を使っています。
※ワークブックとしては素晴らしい質だと思いますが、どうしてもその内容量とページ数の都合上、問題のない範囲で削除されているということです。人によっては1冊で問題ない方もおられると思いますが、私には無理でした。


0.前提知識の定義

X確率変数
p(X)X確率関数
f(X)X確率密度関数
E(X)X期待値
V(X)X分散

1.特性値

1.1.中央値

P(X \leqq x) = 0.5を満たすx中央値(median)という。

1.2.最頻値

f(x)が最大となるx最頻値(mode)という。

1.3.四分位範囲

四分位範囲Q(interquartile range)を以下のように定義する。

Q = q_3 - q_1

ただし、
q_3P(X \leqq q_3) = 0.75を満たし、第3四分位数といい、
q_1P(X \leqq q_1) = 0.25を満たし、第1四分位数という。

1.4.標準偏差

標準偏差(standard deviation)を以下のように定義する。

\sqrt{V[X]}

1.5.変動係数

変動係数(coefficient of variation)を以下のように定義する。

\cfrac{\sqrt{V[X]}}{E[X]}

1.6.歪度(わいど)

歪度\alpha_3(skewness)を以下のように定義する。

\alpha_3 = \cfrac{E[(X - E[X])^3]}{(V[X])^{\frac{3}{2}}}

歪度は分布の左右対称さを測る指標で、
\alpha_3 = 0のとき左右対称であり、
\alpha_3 > 0のとき平均より右側に長い裾野をもち、
\alpha_3 < 0のとき平均より左側に長い裾野をもつ。

1.7.尖度(せんど)

尖度\alpha_4(skewness)を以下のように定義する。

\alpha_4 = \cfrac{E[(X - E[X])^4]}{(V[X])^2}

尖度は分布の中心周辺の尖り具合を測る指標であり、
\alpha_4 = 3のとき、正規分布と同じ尖り具合となり、
\alpha_4 > 3のとき、正規分布よりも尖り、
\alpha_4 < 3のとき、正規分布よりも丸みを帯びている。

例題

(「統計学実践ワークブック」より)
問3.1
ある種の動物50匹の体重を調べたところ、平均は60kg、標準偏差は12kgであった。この50匹を1カ月間、餌を替えて飼育したところ、体重の平均は65kgに増えたが、変動係数は変化はなかった。
[1] この50匹の餌を替える前の体重の変動係数を求めよ。
[2] この50匹を1カ月間、餌を替えて飼育した後の体重の標準偏差を求めよ。

解答

[1] この50匹の餌を替える前の体重の変動係数を求めよ。
平均:60kg
標準偏差:12㎏
である。よって求める変動係数は、

\cfrac{12}{60} = \underline{0.2}

[2] この50匹を1カ月間、餌を替えて飼育した後の体重の標準偏差を求めよ。
平均:65kg
変動係数:0.2
である。よって求める体重の標準偏差をaとおくと、

\begin{alignat*}{2} \cfrac{a}{65} &= 0.2 \\ a &= 0.2 \times 65 \\ a &= 13 \end{alignat*}

よって、\underline{13}kgである。

参考資料

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