エンジニアは他職種からどう見られているか
多くのエンジニアの方は「近いメンバー以外コミュニケーションが苦手」と考えているんじゃないかと思います。
特に営業の人になんかは「パリピっぽくて苦手」とか「オラついてて怖い」とか思っているエンジニアもいらっしゃろうと思います。
では 非エンジニア職 -> エンジニア職 の印象はどんな感じでしょうか?
それがわかることでもっと働きやすくなったりなるかもしれません。
私の現在の勤め先では自社サービスのSaaSプロダクトシリーズを複数開発・運営しています。
組織図的にはプロダクト軸と職種軸からなるマトリクス組織という感じです。
超ざっくりですが、開発・営業・サポート(以下CS)が大体同じくらいの人数います。
- 開発:30代前半までの男性がほとんど
- サービスの新機能開発や保守、障害対応などいろいろやる
- あまりリモートはしてない
- 営業:こちらも2,30代が中心。男性多め
- オンライン商談中心
- 飛び込み営業!外回り!電話かけまくり! みたいなマッチョ型ではない
- CS:4,50代のお姉様方中心
- オンラインチャット、メール、電話でのお問い合わせ対応が中心
- 3年ほど前に別地方にサポート拠点を立ち上げ、そこに集約されてる
きっかけ
別チームのCSの方の日報に「前に報告したバグ、開発さんが全然対応してくれない」的なグチを書いていたのを目撃しギスりの気配を感じました。
そもそも社内では「開発さん」という言葉が割と頻繁に使われていましたが、曖昧な言葉でなんかヤだなーと思ってました。
(「〇〇さんが対応してくれない」とか言ったらギスるどころじゃないですが)
こんなことを思われてる
どうしても技術面や仕様面で教える/教わるの関係になってしまうせいか、油断するとすぐに距離が遠くなったり不必要にへりくだられたりしてしまいます。
知らない人たちで怖い・なに話したらいいか分からない
若めの営業の方に多いようですが、そもそも別職種で絡みがないひとと喋るのが不安だそうです。
これは盲点でしたが、コミュ障なのはエンジニアだけじゃなかったということですね。
あとエンジニアの内輪ノリも近づきがたさを生んでるのかもしれません。
技術系の話題は何言ってるかわからないしやってるゲームとか読んでる漫画とか合わないしキーボードが分離したり光ったりするし・・・
「そんなことも知らないの」と思われるのが怖い
被害妄想と見まごうほどですが結構頻繁に言われます。
こちらからすると「あーそこマジで分かりづらいですよね」って感じのちゃんとした質問なのに異常に低姿勢で「バカですみません」とか「初歩的な質問で本当に申し訳無いです」とか言われることもあります。
ちなみに少なくとも私の自認の限り、私も他のエンジニアも舌打ちとか露骨に面倒がったりとかはしたことないです。
「開発さん」が間違えるわけがない
もはや神格化のような状態ですが幅広い人に見られた症状です。
僕らは自分自身すら信じてないというのに。
明らかに不審な挙動だったり仕様バグ的な状況でも「なにか意図があってこうなってるんだろう」とか「私の理解が足りないからヘンに思うわからないだけ」といった考えだそうです。
むしろシロウトの視点から使いづらいところはどんどん指摘してくれー
「開発さん」が対応しないからバグが修正されない
まあ完全に間違ってるわけでもないのですが。。
私自身、バグや要望事項を積んだまま手を付けられないことはよくあります。
とはいえ対応の優先度は個別のメンバーの一存で決まるものでは当然無いです。
(めんどい業務全部投げ捨てていいなら全然やりますけど)
そのあたりの事情を把握せずなのか、開発メンバーに何度もリクエストを出したり直談判を試みたりする方も結構います。
このあたりは業務内容や決定プロセスを透明化しきれてないから出てくるのかもしれません。
(余談)バグは許されない
上のと関連して、「バグ」に対しての認識もエンジニアと非エンジニア(及びユーザー)でかなり異なります。
エンジニアからすると、自分が実装者にしろレビュアーにしろ世に出してしまうと「ぐぬぬーーっ!!!」って気持ちにはなりますが、完全に防ぐことはできないのは当然知ってます。
以前この辺の説明として
サッカーや野球の失点みたいなもの
という喩えを編み出しました。
一方ユーザーやそれに接する営業・CSの方は少なくない人が
「バグ = 不具合 = 存在していてはいけないもの」
「バグが有る = 欠陥品 = お金を取るに値しない」
といった解釈をします。
自動車とかで欠陥発覚してリコール、って流れに近いのですかね。
ですのでエンジニアとしてもあまり軽々しく「バグってますねー」とかいうのはよろしくない感じです。
まとめ
エンジニアはつい相手方のコミュニケーション能力に頼ってしまいがちですが、できる範囲で相手の目線に立つだけでも無用なトラブルの芽を潰したり余計な会話のラリー数を削減したりと業務上のメリットが期待できます。
あと、良好な関係性で働けたほうが普通に精神衛生上よろしいです。
私の場合は営業CS向けのIT基礎知識勉強会を開催するなど色々巻き込んだアクションもやりましたし、日々自分がちゃんとアホであることをアピールする努力もこつこつやっています。
(カッコつけは心理的安全性を遠ざけます)
この記事を読んでくれた皆様もよりよい労働環境を実現できるよう祈っています。
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