(作り直し版) Debian Gnome を少ないパッケージで構築
前に作ったものを作り直し。
Windows10にVMwareを導入し、その中で確認します。
Debian の勉強用なので、VMware Workstation Player を無料で利用します。
2022年11月時点でDebian Testingのbookwormを利用します。
対象:
- Linux を利用するシステムで余計なパッケージが導入される事が許せない人
- Gnome とは最低限しかお付き合いする気のない人
1 インストールメディアの準備
1-1 Debian インストールイメージの準備
以下のサイトより、下の方に移動し、
Intel/AMD のx64 アーキテクチャのCPUの場合、amd64 を選択。
x64向けは以下です。11/11 時点では以下。
debian-edu-testing-amd64-netinst.iso //学校向け
debian-testing-amd64-netinst.iso //通常版
ダウンロードしたものが正しいかはハッシュ関数を確認します。
SHA256SUMS を利用する場合で Windows CMD 以下のコマンドを実行で確認します。
> CertUtil -hashfile <ファイル名> SHA256
<参考>インストールに関する資料
Installation Guide
Debian GNU/Linux Installation Guide
1-2 VMware Workstation Player の入手
VMware のトップページから検索します。
ライセンスに関してはここ。
The free version is available for non-commercial, personal and home use. We also encourage students and non-profit organizations to benefit from this offering.
2 VM構成
仮想マシンスペック
CPU: 3 Core
RAM: 8.6 GB
Disc: 100 GB
ファイルシステム
File syetem: Btrfs
Partition | Size(GB) | Type | Supplementary |
---|---|---|---|
/boot | 1 | Primary | |
/ | 50 | Logical | Include /usr, /var and other |
/home | 5 | Logical | |
/tmp | 5 | Logical | |
/work | 5 | Logical | No Filesystem Hierarchy Standard |
swap | 8 | Logical | |
free | 26 | Logical | GiBとGBの差でもっと沢山余る |
他のOSセットアップ項目
Language: English (en_US.UTF-8)
Keybord: US
Software: Minimal Install
IP address: auto
3 Debian のインストール
詳細は省く。
導入するアプリを選ぶ画面では、全てチェックを外す。
4 CD/DVD ドライブ を仮想マシンから外す
VMは停止させた状態で、利用しないデバイス (CD/DVDドライブ、プリンタ) は外す。
5 パッケージ変更の管理
パッケージの追加を確認する為に記録していく。
記録していくとこんなイメージ
個人ユーザで実施。
$ mkdir package_history # package list save here
$ cd package_history
$ dpkg -l > `date +%Y%m%d`_000001_minimal_install.txt
人に見せる時に、ユーザ名、ホスト名をプロンプトに出さないおまじない。
(恒久的な変更ではないので、再度ログインすると通常のプロンプトに戻る。)
$ export PS1='$ '
6 利用しないパッケージの削除
最小構成とする時に個人的に要らないパッケージは最初に設定ファイルも含めて削除する。
要らないパッケージの候補
nano, less, python3, perl, eject, fdisk, tasksel, open-vm-tools, task-english
Debian Testing は導入されるパッケージが更新されて変わっていくので、dpkg -l
で導入済パッケージの一覧を眺めたり、以下のようにキーワード検索も利用して、パッケージの導入状況を確認し、削除対象を決める。
例は perl で始まるパッケージ
$ dpkg -l perl*
依存のあるパッケージで導入されてしまっているものも削除するのは、autoremove オプションを利用。設定も残さないので、purge オプション追加。
以下は task-english で導入された依存パッケージと設定を削除する場合の例。
# apt autoremove --purge task-english
もしくは
# apt autopurge task-english
パッケージリスト保存
$ dpkg -l > `date +%Y%m%d`_000002_smallest.txt
7 zstd 導入
zstd は標準的に利用されるようになっているので、未導入の場合は導入する。
<参考>
圧縮アルゴリズム「Zstd」、Linux 5.19のファームウェア圧縮で採用へ
zstd
# apt install --no-install-recommends zstd
<補足>
apt の --no-install-recommends オプションは、recommends となっている依存パッケージは導入しない。
その為、開発者が想定しているパッケージが導入されていないケースがあり、パッケージを導入しても動かないケースが時々起こる。
動かない時はエラーログを見たり、依存関係を調べて個別でインストールすれば動くようになる。
<参考>
APT-GET(8)
パッケージリスト保存
$ dpkg -l > `date +%Y%m%d`_000003_zstd.txt
8 Gnome 導入
Wayland Gnome 43の実行に必要なもののみ導入
# apt install --no-install-recommends gnome-shell gnome-session gnome-console gdm3
導入完了後再起動
# reboot
導入後の結果
ログイン時に選択できる Xorg Desktop Environment も Gnome (on Wayland) のみなので選択肢に出てこない。
Debian 11 (Gnome 38) の頃には、最低限のパッケージで導入しても Xorg に関係するものとも依存があり、結果として以下のようになっていた。
GUIのアプリケーションはGnome-console のみ
最低限では設定変更が出来ない為 gnome-control-center も導入
# apt install --no-install-recommends gnome-control-center
画面解像度の変更
Settings/Displays/Resolution から実施。
この時、vm-tools や xorg のドライバの導入は不要。Wayland のおかげ。
パッケージリスト保存
$ dpkg -l > `date +%Y%m%d`_000004_gnome.txt
9 firefox
firefox を導入します。
# apt install --no-install-recommends firefox-esr
日本語フォントを導入します。
# apt install --no-install-recommends fonts-noto-cjk
Firefox のフォント設定の変更
変更前
変更後
Noto Serif CJK: 明朝
Noto Sans CJK: ゴシック
Noto Sans Mono CJK: 等幅ゴシック
パッケージリスト保存
$ dpkg -l > `date +%Y%m%d`_000005_firefox.txt
10 ibus-anthy
anthy は Fedora34 で採用され復活したので、こちらを利用して様子をみます。
ibus-anthy の導入。gtk3, 4 のモジュールも追加で導入。
# apt install --no-install-recommends ibus-anthy ibus-gtk3 ibus-gtk4
サービスを起動させるOSを再起動。
# reboot
右上に漢字かな変換のステータス表示が追加されました。
英語キーボード基準で、Ctrl - j でかな漢字変換と英数字の直接入力が切り替わります。
ショートカットの定義は 左上のAnthy のステータスの表示から Preferences - Anthy をクリック
Key BInding に記載されています。全角/半角キーでも切り替わります。
パッケージリスト保存
$ dpkg -l > `date +%Y%m%d`_000006_anthy.txt
11 vim
GUI のテキストエディタを入れるとしても、CLI のエディタが必要な場面もあるので、vim が利用できるように導入します。
導入済 vim-tiny の削除。
Debian のCLI向けvimは3パッケージ準備されています。
vim-tiny, vim, vim-nox
最初から導入されているのは vim-tiny ですが、最低限の機能しか提供されないので vimtutor も利用できません。
一つ上の vim に変更します。
# apt autoremove --purge vim*
vimのインストール
# apt install --no-install-recommends vim
vimtutor が利用出来ることを確認
$ vimtutor
即終了させる場合は以下を入力
:q
パッケージリスト保存
$ dpkg -l > `date +%Y%m%d`_000007_vim.txt
12 日本語定義の追加
vimtutor を日本語で実施したい時に文字化けが起こった。
文字化けとなったオペレーションは以下。
$ echo $LANG
en_US.UTF-8 # LANGは英語になっている
$ LANG=ja_JP.UTF-8 vimtutor # LANGを日本語にしてvimtutor
vimtutor は以下で終了させる。
:q
日本語ロケールを追加する。
ロケールの定義画面を開始し、ja_JP.UTF-8 にスペースキーでチェックを入れ[OK]
# dpkg-reconfigure locales
デフォルトは英語のままにしておく
個人ユーザに戻り、LANG を変更し vimtutor で確認
$ LANG=ja_JP.UTF-8 vimtutor
日本語が読めるようになった。
他の例として、date コマンドで LANG 設定を変えるとこの動きとなる。
13 終わりに
基本的にな設定はここまで。
つづき Debian Gnome の環境での GitHub の利用
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