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自社 "ならでは" のブース体験の創り方 / DroidKaigi 2024 編

2024/10/21に公開

はじめに

こんにちは、WED 人事/ PR の @shino_ahuf です。WED は昨年に引き続き DroidKaigi 2024 に協賛し、ブースでは初の試みとなる「レシート募金」「クリエイティブコーディング」を実施しました!
今回の記事では、当社ならではの体験をどう考え、どう作っていったのか。実際にやってみてどうだったかを、企画の進め方やコンセプトの設定背景、こだわりなどを踏まえてシェアできればと思います。
余談ですが、先日公開したこちらの記事が想像以上に好評で、有難いことに会場ではたくさんの方からお声がけいただき、中には記事をベースに社内で振り返り会を実施したという方もいらっしゃいました。本当に嬉しい。ライター冥利に尽きます。シェアいただきありがとうございます!

有難いフィードバックをたくさん頂けたおかげで、単にコンテンツ概要やブースの雰囲気を伝えるだけではなく、企画背景やコンセプト、準備の進め方などについても紹介できた方が、もっとコミュニティに貢献できそう!ということで、自分自身の備忘録も兼ねて、DroidKaigi の熱が少し落ち着いた今ふと思い立ち、筆を執っています。

企画〜運営までの流れ

まず、ブースの企画から当日運営まで、以下のような流れで進めていきました。

STEP1:ゴール・コンセプトの決定(7月中旬)

全員が共通認識を持って DroidKaigi を盛り上げられるよう、「協賛目的」から考えた「ゴール」「コンセプト」「目標(定量・定性)」「参加者に持ち帰ってもらいたいこと」などを整理して、Notion にまとめていきました。

STEP2:社内キックオフ、コンテンツのアイデア出し(7月下旬)

運営メンバー全員(今回はエンジニア 2 名、PdM 2 名、人事 2 名)でキックオフを行い、STEP1 でまとめた内容をシェアして認識合わせをしました。それと同時に、コンセプトを叶えるための HOW をみんなでブレストし、協賛企業としての想いやこだわりと参加者のニーズやモチベーションを考慮しながら、ブースの体験設計を行いました。

STEP3:コンテンツ・ノベルティグッズなどの準備(〜9月上旬)

記載のとおりです。ノベルティグッズの発注や当日ブースで投影する資料作成、備品購入など、一部デザイナーの力も借りながら準備を進めていきました。

STEP4:本番!とことん楽しむ(9月中旬)

参加者よりも、運営スタッフよりも、協賛企業である私たちがこの非日常の時間・空間を心から楽しむ!結局これが一番大事だと個人的には考えており、参加メンバーには STEP2 のキックオフでも強く伝えていました。

コンセプトと設定背景

ゴールやテーマから逆算をし、今回のコンセプトは「ワクワクする楽しい体験をみんなで作る」と設定。

コンセプトを考える上で、最も意識したことは当社の Philosophy(哲学)とカルチャーです。

WED には「あたりまえを超える」という Philosophy があり、ONE の "レシートがお金に変わる" という概念のように「日常を非日常に」「遊び心」「楽しくワクワクする体験」といったキーワードが、社内で多く使われています。ものづくりの観点でも、「さわって楽しいものを作る」という考え方があり、ユーザーに限らず作り手である私たち自身も楽しみながら仕事をしよう、というカルチャーがあります。

せっかく、WED というアイデンティティを引っ提げて協賛するのであれば、「WED らしさ」をブースというコミュニケーションツールを通じて全面に伝えたい。一方通行ではなく、ワクワクする楽しい体験をみんな( = 参加者、協賛企業、運営スタッフなど)で一緒に作り上げたい

そんな想いから、このコンセプトに至りました。

コンセプトを叶える2つの体験

STEP2 のキックオフでは、前述のコンセプト共有に付随してブースコンテンツで実現したい軸を「ONE をアピールできるか」「エンジニアが楽しめるか」「参加者一体型の体験か」「(More) SNS を絡められるか」に設定。これらを踏まえた個人的なアイデアを複数提示しながら、全員でブレストを行いました。

約 30 分間のブレストの結果、「レシート募金」「クリエイティブコーディング」の 2 つに決定!手前味噌ですが、WED のメンバーはアイデアマンが多くて大喜利が上手なので、お題を伝えるだけでアイデアがポンポン出てくるんです。話していて楽しい〜😂

各コンテンツの概要や採用理由については、以下にまとめてみました。

🧾レシート募金

概要はこちら
  • 企画概要:
    • 参加者から不要なレシートを集めて、募金箱に入れてもらう
    • レアレシート(ゾロ目、レシートに「WED」と記載されている、思い入れのあるレシート等)なら、タンブラーをプレゼント
    • 集めたレシートは、後日購買レポートとしてブログ公開
  • 準備物:
    • アクリルボックス(Amazon で購入)
    • デモ端末 2 台
    • ノベルティ(タンブラー、コーヒーパック)
    • 投影資料(参加方法や SNS 投稿リンクなど)
  • ターゲット:
    • 職種、所属問わず全員
  • 採用理由:
    • キャッチーで独自性があり、WED(ONE)ならではのコンテンツ
    • 「WED = ONE = レシートの会社」という認知形成がしやすい
    • 参加者無くしてレポートは作れないという点から、みんなで一緒に作る体験と言える
  • 工夫・こだわり:
    • 募金箱はクリアボックスにして、見た目にインパクトを持たせる
    • 募金協力者には任意で X 投稿をお願いし、投稿者にはノベルティグッズをプレゼント
      • 投稿負担を極力減らすため、ツイートリンクを生成し QR 読み取りで簡単投稿できるように
    • 「募金結果をレポート化するので協力してください」という掴みを設けて、ONE の事業やレシートの使い道にも興味を持ってもらえるように

🎨クリエイティブコーディング

概要はこちら
  • 企画概要:
    • Jetpack Compose を使って、オリジナルレシートを実装してもらう
    • 出来上がった作品は、その場でレシートに印字してプレゼント
    • 作品をエントリーすると、後日オリジナルパーカーが当たる
  • 準備物:
    • サーマルプリンター、レシート(Amazon で購入)
    • PC 2 台(Android Studio の環境設定済み)
    • 投影資料(参加方法や SNS 投稿リンクなど)
  • ターゲット:
    • 主に Android エンジニア
  • 採用理由:
    • Android 技術で遊べる、DroidKaigi ならではのコンテンツ
    • キャッチーで独自性があり、WED(ONE)ならではのコンテンツ
    • 「WED = ONE = レシートの会社」という認知形成がしやすい
    • 技術で図画工作できる、最後まで何が出来るか分からない、といったワクワクする楽しい体験
    • つい SNS で拡散したくなりそう(できる限り、参加者から能動的にシェアしてほしいという想いから)
  • 工夫・こだわり:
    • 参加者の目に止まり興味を持ってもらえるように、参加者の作品一覧をディスプレイ表示
    • マニュアルを用意 & 社員のサポートにより、初心者や非エンジニアなど誰でも参加が可能に
    • 個人ごとのフォルダをローカルに保存し、セッションを挟んでも後で実装を再開できるように
    • 応募者プレゼントをあえて後日行うことで、DroidKaigi の余韻を長く楽しんでもらえるように

結果&振り返り

🧾レシート募金

結果

2 日間で、合計 129 枚分のレシートを収集することができました。(領収書やクレジットカード明細、新幹線チケットなどを除く)ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました!
さて、これらの使い道ですが、前述で軽く触れたとおり実際のサービスと同様に、独自の OCR 基盤や機械学習を用いてデータ化し、レポートにまとめてみました。

レポートはこちら


サマリ

  • 全レシートの合計金額は 359,635 円、1 レシートあたりの平均購入金額は 3,154 円 でした。コンビニやスーパーなどで購入した日用品のレシートが多いものの、百貨店で購入した高単価商品や DroidKaigi 中の飲み会のレシートもあったので、思ったよりも平均単価が高い結果となりました。
  • 購入場所が関東圏以外のレシートも多数見られるため、DroidKaigi のために地方から遠征して来た方のレシートや、旅行先でのレシートも混じっていそうです。
  • 最も購入日時が古いレシートは、2019/8/8, 20:45 でした。5 年以上前のレシートをなぜまだ持ち歩いていたのか、とても気になります。(※ 通常はデータ利活用の観点で、2 ヶ月以上前のレシートは買取しておりません)
  • ローデータを見てみると、「ツナマヨおにぎり」「納豆巻き」「ペペロンチーノ大盛り」を買っている方がいます。1 人で食べたのか、もしくはお連れの誰かの分を一緒に買ったのかも?また同時に「コカコーラ」も買ったようです。この日はジャンクフードの気分だったのかもしれませんね。

振り返り

  • GOOD
    • リピーターが多かった!わざわざ捨てずに持ってきてくださる方もいた
    • 参加者との会話のフックになりやすい
      • レシートの内容から、その時の思い出や興味の話に広げやすい
        • 母親と旅行した時のレシート、自分で楽器を一括で買った時のレシートなど、参加者の方々から素敵なエピソードがたくさん聞けて良かった
      • レシート募金をしている背景説明の中で ONE の紹介がしやすい
        • レシート買取のビジネスモデルやデータ活用の裏側など、積極的に質問してくださる方も多数いた
  • MORE
    • 体験の途中で参加者に ONE を触ってもらう動線(ONE 上に DroidKaigi 専用の特別ミッションを設置)を用意したが、実際全員に参加してもらうことができなかった
    • 今回の運用方法では、レシートデータの面白さを十分に伝えることは難しかった(それも理解した上で試してみたが、やはりそうだった)
      • レシートの収集枚数(= n 数)を増やしたり、データの偏りが発生しないように 1 人あたりの寄付できる枚数を制限したりなど、有効なデータを収集するための工夫が必要
      • 集めたレシートと個人属性(ユーザーID)が紐づかないので、ユーザー単位かつチャネル横断で購買分析できるというレシートデータの価値を良さを活かせない

🎨クリエイティブコーディング

結果

写真は一部ですが、たくさんの個性的なレシート作品が出来上がりました!イラストを描画したり、レシートを成績表に見立てたり、同期の SNS アカウントリストを作ったり。まさに「あたりまえを超える」作品が完成していく状況を、参加者と一緒に楽しみながらブース運営することができました。

作品をエントリーしてくださった方の中から「あたりまえを超えるで賞」を社内で厳選。(受賞者はこちら)受賞された 5 名には、ONE オリジナルキャラクター「ワンくん」と「ドロイドくん」のコラボパーカーをプレゼントしました!(10月下旬にお届け予定)

振り返り

  • GOOD
    • 思った以上に参加者の反応が良かった!噂を聞きつけてわざわざブースまで来てくださる方もいた
    • 1 人あたりのブース滞在時間が長く、参加者との会話が自然と生まれやすい
    • ものづくりという観点で、質が高く思い出に残りやすい体験にできた
  • MORE
    • サンプルがない状態だと、何を作ればいいか分からず戸惑う方も一定数いた
      • →以降はサンプル素材やデータを事前に用意しておく
    • どこまでこだわるかだが、1 回あたりの体験時間が長い(10 分から 30 分程度)ため、多くの人に参加してもらうことは難しい
      • →オペレーションを改善すれば、もっと回転率は上げられそう

さいごに

今回どちらも初めての試みでしたが、WED の Philosophy やカルチャーのもと、ONE というプロダクトを開発する私たち "ならでは" の体験をつくれたのではないかと考えています。

もちろん改善点もありますが、総じてコンセプトである「ワクワクする楽しい体験をみんなで作る」を叶えられましたし、実際に「印象に残った企業ブース」アンケートでは、有名企業が名を連ねる中で当社の名前が複数挙がっており、大変嬉しく思っています。

iOSDC Japan 2024 の際に、ブース運営で重要だと感じたポイント「技術で遊べる」「"つい"やりたくなる」「確かに気になる」についても、身を持ってそれを実感する機会となりました。(詳しくはこちら

とはいえ、当社は社名もサービス名も認知度はまだまだ低いですし、スピーカー登壇やスポンサー機会ももっと増やしていける余地があるので、エンジニア業界やコミュニティにもっと貢献できるよう、私たちのやり方で私たちらしく、できることを地道に取り組んでいこうと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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