未踏ジュニアがついに終わったので苦悩と成功の半年間をまとめる
はじめに
2023 年度未踏ジュニアクリエイターの waryu です。
この記事は、未踏ジュニア Advent Calendar 2023 の 15 日目になります。
前日の記事は丹下さんの「未踏ジュニアの振り返り」 です。
良記事なので是非見ましょう。
この記事について
4 月頃から頑張ってきた未踏ジュニアが、11 月 3 日の成果報告会でついに修了しました!
どうやらアドベントカレンダーがあるらしく、いい機会なので自分の未踏ジュニアの総まとめをしたいと思います。
この記事を通して、未踏ジュニアに挑戦する人が増えることを願っています。
未踏ジュニアとは
未踏ジュニアとは、独創的なアイデア、卓越した技術を持つ 17 歳以下の小中高生や高専生などを支援するプログラムです。
具体的な支援としては、以下のようなものがあります。
- メンタリングの提供 ... それぞれのプロジェクトにメンターがつきます。
- 開発資金の援助 ... 50 万円を上限として開発資金の援助が行われます。
- 開発場所の援助 ... 交通費や宿泊費が支給されます。
- 未踏ジュニアスーパークリエイターの認定 ... 認定されると、慶應義塾大学 SFC や東京都立大学、近畿大学に推薦枠で出願できます。
個人的には、福岡に住んでいて東京との距離が大きいのですが、それらの交通費・宿泊費を出してくれたのが嬉しかったです。
自分のプロジェクト
自分のプロジェクトは「 Code Museum - 読むことだけに特化したソースコードエディタ 」です。
Code Museum は、一般的なエディタからあえて「書く機能」をなくし、「読む機能」に特化したソースコードエディタです。
範囲実行や GPT を活用した機能など、様々な「読む機能」があります。
このエディタを使うことで、コードを読んでいる時間を短縮し、生産性を上げることができます。
詳しくは上記の発表動画を見ていただければ分かると思います。
とにかく、Code Museum を使うと 2 分の 1 になることだけでも知っていたら OK です。
(今回の記事では未踏ジュニアに採択された 1 プロジェクトがどうなるかについて説明したいので、Code Museum 自体の深掘りした解説はまた後日、記事としてまとめます)
採択から発表までの総まとめ
ここからは、そんな Code Museum が採択されて発表されるまでのまとめです。
書類審査
まずは、書類審査です。
どうやら、1人 3 つまでのプロジェクトを提案することが可能らしいので、自分は 3 つの提案書を作成しました。
- ゲーム系
- パソコンの便利ツール系
- Code Museum
どのプロジェクトも「自分が欲しいもの」という観点から提案しました。
誰かのために作るよりも最初からユーザを一人確保できている分、モチベが沸きます。
また、プロトタイプはあったほうがいいのは当たり前ですが、3 つも提案するのでプロトタイプを作る時間は取れませんでした。
春休みをすべて費やして書いた提案書。
結果は、、、3 プロジェクト全てが書類審査を通過!
インタビュー
書類審査が終わったら、次はオンラインでインタビューを行います。
提案したプロジェクトに対して興味を持ったメンターが詳しい部分について質問をしてきます。
3 つのプロジェクトが書類審査を通過するとどうなるか。もちろん 3 回インタビューがあります。緊張 3 倍です。
- ゲーム系 ... メンターとゲームの話で盛り上がりました。
- パソコンの便利ツール系 ... 質問の難易度が高く、なかなかに難しかったです。
- Code Museum ... メンターが 2 人いたので、1vs2 になっていました。
また、Code Museum に関してはメンターから追加の質問があり、もう一つ文書を書きました。
未踏ジュニアは 3 つまで提案書を出せますが、そのうち最終的に採択されるプロジェクトは 1 つのみです。
結果は、ご存じの通り Code Museum が未踏ジュニアに採択されました。
採択後は、以下のように進んでいきます
https://jr.mitou.org/guidelineより引用
ブースト合宿
採択されたら、すぐに合宿があります。ブースト合宿です。
今年はブースト合宿の前に、プロジェクトのプレゼンテーション動画を作り、他の人のプレゼンを見て、質問や感想を書き込むことで、合宿当日を質疑応答のみで終わらせて効率化する方法がとられました。
採択されてすぐの合宿+学校のテスト勉強などの都合でプロトタイプなどは準備せず、提案書の内容をただそのまま動画にしたようなものになりました。
トップバッターで動画を公開したこともあって、多くの質問が集まり、合宿当日も一番目の発表でした。
ブースト合宿を通して、Code Museum の具体的な設計が出来たと思います。
また、ほかのクリエイターからもいい刺激を受けてモチベーションが向上しました。
大阪のたこ焼きもおいしかったです。
ブースト合宿後からついに開発が始まり、中間合宿までは、週一のミーティングとともにずっと開発を行います。
中間合宿
ある程度、プロジェクトの形が出来上がった状態で行われるのが中間合宿です。
中間合宿もブースト合宿と同じように、事前に動画を作ります。
ただし、ブースト合宿と違い、各プロジェクトの詳しい質疑応答は 4 人が並行して行う形になりました。
自分の Code Museum の番がやってきました。
夏休みのすべてを使って開発してきた Code Museum に対する反応は、いまいち でした。
質疑応答では、質問に対してうまく答えられない。
他のプロジェクトでは特別優れた何かがあるのに、自分のプロジェクトは何もない。
誰にも負けないと思っていた自分のソフトウェアは、誰にも負けていた。
そのようにネガティブに考えてしまい、正直辛かったです。
しかし最終的に成果報告会でうまくいけばいいのです。
改善するために、まず Code Museum の設計を見直しました。
そして、もともとはする予定のなかったユーザーテストを行うことにしました。
成果報告会に向けて、開発を一気に加速させていきます。
ユーザーテスト
中間合宿の反省から、自分のプロジェクトではユーザーテストを行いました。
SNS などを通してユーザーテストの参加を募り、数人の方に参加を希望していただきました。
最初は、1 人も来ないのではないかと不安でしたが、Code Museum の機能などについてを繰り返し投稿することで 1 人、2 人と集まってきました。
そしてユーザーテスト当日、小さなトラブルもありましたが、参加者の方が全員優しくて本当に助かりました。
その結果得られたのが、成果報告会で何回も繰り返した
というデータです。
これが、中間発表で持っていなかった特別な強みとなるのです。
成果報告会
ついにやってきました。未踏ジュニアとしては最後の成果報告会です。
このために、Code Museum は最後の仕上げをして公開。
スライドを完璧に作り上げ、プレゼンの練習を繰り返しました。
自分の発表は最後から二番目。緊張がずっと続きます。
自分の Code Museum の番がやってきました。
半年間、すべてを使って開発してきた Code Museum に対する反応は、最高 でした。
発表は 大成功 を収めました。
中間合宿の悔しさをばねにして挑戦した成果報告会。
自分のプロジェクトの強みを作り出すことができました。
そして発表後の質疑応答では、質問に対して答えることができました。
こうして、自分の未踏ジュニアは修了しました。
これから
未踏ジュニアは終わりましたが、Code Museum は始まったばかりです。
事実、6 か月の未踏ジュニアに対して、人生はあと 1000 か月間ぐらいあります。
これからも Code Museum の開発を続け、ユーザ数を増やしたいと思っています。
最後に
未踏ジュニアは、本当に楽しかったです。
半年間を未踏ジュニアに費やすことになりますが、それ以上の経験を得られますし、多くの支援も受けられます。
未踏ジュニアに応募できる人は、挑戦してみることを強くお勧めします。
そして、Code Museum は、メンター・ユーザーテストに参加者してくださった方々・同期のクリエイター・その他さまざまな方に支えられて完成させることができました。
本当にありがとうございました。
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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