ひとりのふりかえりについて、徒然なるままに β2版
はじめに
本稿は、4/10に行われた ふりかえりカンファレンス、特に、はちさんの講演 および ふりかえり実践会 Discord 内での #日々のふりかえり チャンネル 内でのトピックに触発され、皆さんの ひとりのふりかえり ライフにて参考になればと、徒然なるままに書いてみたものです。
ふりかえりカンファレンスにおける自分の講演の後日談に相当するものなのかもしれません。
なお、例によって例のごとくの文でとても恐縮ですが、本稿の内容はあくまでも個人の感想であり、所属・関連する組織とは一切関係ありません。
ひとり ふりかえりの効用
ひとりふりかえりの効用といえば、以下の3つがあげられます。
- 気晴らしになる。
- 自分の中の隠れた「願い」があぶり出てくる。
- 一つ一つの判断の質をあげる。「こうすればよかったのに」という後悔が確実に減る。
実は、そのほかにも、まだまだあるのかもしれません。
上記のうち、自分の中にある隠れた「願い」や、判断の質・精度アップは、一日や二日で効果が出てきません。隠れた「願い」は早くて1〜2週間後、判断の精度アップは1ヶ月は確実にかかるとみておくとよいでしょう。
なので、最初は気晴らし半分で始めるとよいのかもしれません。なにか もやもやすること、こころが晴れないこと、思い浮かんだことをそのままに言語化するとスッキリするといいます [1]。
あう・あわないがあるかもしれませんが、やってみると案外気持ちのよいもんです。
ひとり ふりかえりを続ける際に 目指さない状態・目指す状態
ひとり ふりかえり を始めるにあたって、ここでは、まず目指さない状態と、お勧めしたい状態について述べます。
目指さない状態:毎日必ず続ける、続けようと誓う。
これは苦しくなるので避けましょう。機械と違って、人間という生き物は「〜せねばならない」という状態を確実に続けるようになっていません。なにかのアクシデントでついしない日がきっときます。そのとき心が折れて、以後やらなくなりがちです。
目指す状態:軽々とやめれて、また気軽に再開できる
したがって、何かの拍子で中断しても、気軽に再開できる状態を目指しましょう。気軽に再開できれば、なにか「魔がさして」中断しても再開が可能になりますよね。
また、一定のゴールを設けておくことをお勧めしたいです。ゴールなしでずっと続けれればそれに越したことはないのですが、そんなに簡単に習慣化できるものではありません。気軽にやめられるためのゴールを設定して、そのゴールについたら、一旦やめてみる。その上で、気軽に再開できることを確認するか、ちょっとしんどいなと感じたら気軽に再開できるような手段に変えてみるのがよいかと思います。
いつやっているか・どのくらい時間をかけているか
以後は、自分がやっている「ストレングストークによるふりかえり」をネタにお話しします。「ストレングストークによるふりかえり」の手順や詳細は、下記スライドシェアを参照してください。
いつやっているか
自分の場合、だいたい朝です。シャワーを浴びて、頭を刺激している際に、こころに いろいろと浮かんできます。その後で、一つだけ取り上げる感じでやっています。
以前は、夜寝る前にやってみたり、座禅っぽいことをした後でやっていました。いずれも、つい眠くなって寝落ちしてしまい、気軽に再開できなさそうなのでやめました。特に夜寝る前は、こころに浮かんだことがイライラしたことや怒り、愚痴っぽいことに偏ってしまいました。
というわけで、いろいろ試行錯誤のうえ、朝やることにしています。
どのくらい時間かけているか
だいたい 5分~10分です。これ以上かけて深掘りしたときもあったのですが、あまり深掘りする時間をかけすぎると、考えることがどんどん重たくなり、これまた気軽に再開できそうもないなと感じたので、やめています。
実際の出来事・自分の行動は、こころに思い浮かんだままに
乱筆・乱文上等、自分があとで見返して思い出せる程度でOKです。評価(=他人の目)を脇におき、そのときそのときでこころの中に浮かんだことを書いてみましょう。
こころの中に浮かんだことは、必ずしても自分の価値観や信念に根ざしたものではありません。むしろ、よく似た経験からの思考や、そのとき・そのときの状況や生物としての感情から出てきたものも、当然混ざっています。
なので、その場かぎりの思いとして気軽にとらえましょう。
自分の行動の深掘りは、その中でひっかかったことを深ぼる
行動の際の感情、感覚、思い浮かんだことをできるだけ思い出して書いてみましょう。これも乱筆・乱文上等、後で見返すのは自分だけなのですから、無理に文章にする必要はありません。断片や箇条書きでも構わないと思います。また、その中で、そーいや、こんなことも。。といったことも書くこともありですね。何かしらの共通した感覚や思考が浮かんでいているのかもしれないので。
自分のことではありますが、そのときの感覚・感情や思い浮かんだ思考は、すぐに忘れがちですし、何がおこってそうなっているのか意外とわからないものです。わからない・知らないがゆえに、自分自身に聴いてみると、不思議なもので、自然と自分自身に興味がもてるようになります。
隠れた つよみ の分類
上記スライドp.31-34にしたがって、これでいいかな・あれでいいかなという感じで。最初は、「~という意味でこの分類にした」といった理由も書いておくと、翌日・翌々日以降の分類が楽になるでしょう。
memo はどう使うか
1週間のふりかえりに使います。あえて、memo という名称にしているのは、1週間のふりかえりとすると、つい時間をかけすぎて疲れてしまったからです。
疲れると、続けるのがしんどくなりがち。なので、最初は、隠れた つよみ の4分類がどれくらいあったかカウントするくらいでとどめます。そのうち気になったことを Outputしてみるか くらいな気軽な感じでやっていきましょう。
判断の質をあげる、前やれていなかったことが、やれるようになるには
前やれていなかったことは、大抵は「不器用な対処」に分類されますよね。そのときの感覚・感情・最初に浮かんだ思考をまず記録することで頭の中に定着しましょう。不思議なもので「不器用な対処」をやらかしている実際の行動は、この感覚・感情・思考の後にきます。
よって、「不器用な対処」をしそうな現象が起こった際、必ずこの感覚・感情・思考がおこるので、その際に立ち止まって考えればよいのです。立ち止まるためには、一旦呼吸を止め、大きく息を吸うとよいでしょう。
大丈夫、最初はうまく行かないかもしれませんが、諦めずにトライすると、「不器用な対処」な行動は必ずカイゼンされます。うまくいった場合は、翌日思い起こして「自分へのよい影響」と分類して行けばよいのです。
今まで繰り返しおこっていた「不器用な対処」が「自分へのよい影響」と記録できたときは、とても気分のよいものでしたよ。
途切れたときが見直すチャンス
たまたま切れてしまっただけか自分自身に問いかけてみましょう。もやっとしているなら、自分自身を知る まなびのチャンスです。
- いつやる?
- どれだけ時間かける?
- どんなことをOutputする?
- どんな方式でOutputする?
- もう目標は達成している?
- 続けたくなる目標になっている?
是非、軽々とやめれて、また気軽に再開できるように見直していきましょう。見直しをすることで、自分自身について きっと何かしら新たなことが発見でき、まなぶことができます。
マンネリだなぁ・退屈になってきたなぁと、心に浮かんだときが、これまた見直すチャンス
ひとりのふりかえりを続けていくと、マンネリだなぁ・退屈になってきたなぁと感じることが出てくるかもしれません。
おめでとうございます!実はそれって、まなびなおしのチャンスかもしれません。こころの中にいる自分に耳を傾けてみましょう。
例えば、こんなことをするとよいでしょう。
- 印象に残っている一番古い夢を思い出し、その絵を書いてみて、自分の中で何がおこって退屈と感じているか結びつけてみる
- 手本にしている人・尊敬している人を思いおこし、その人だったらどんなことをいうか思い起こしてみる
- こころの中にいる自分を呼び起こすために、実際にほかのひと・ひとびとに話をしてみる
今回、ストレングストークにふりかえりを紹介しましたが、ひょっとしたら、このやり方から卒業するときがきているかのもしれませんね。
その他
その他、ひとりでつづけるのがしんどいなー、どうにもうまくいかないですよねー という人のための互助グループみたいなものがあるといいのかもしれません。その際は何を書いてもよい・話してもよい場の設定が必要になってくるじゃないかなと思っています。
おわりに
以上、ひとりのふりかえり、とくにストレングストークを中心に、徒然なるまま話をしてきました。
今回とっつきやすくなるように、あえてストレングストーク以外の心理用語を使わないように心がけて書いてきましたが、いかがでしたか。もう少し専門的なことを知りたいよーという方は、気が向いたら参考文献をおいておきますので、よろしければ参考にしていただければと思います。
参考文献
※気が向いたら加える
履歴
- 2021/5/23 初版(β版)
- 2021/7/18 第2版(β2版)
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気晴らしでふりかえる・アウトプットすることは、どうやらメンタルコンディションアップにつながりそうです。というのは、脳内にはデフォルトモードネットワーク(DMN)があり、このDMNはどうしても堂々巡りな思考により無闇に活性化しがちになるようです。気晴らしにアウトプットすることで、無闇な活性化による疲弊を防げそうですね。 ↩︎
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