ネットワーク(ダイナミックルーティングOSPF編)
実際に機器を触り設定を行うことができる機会がありました。そこで学んだことについて書きました。間違えている点があった場合、教えていただけると幸いです。
OSPFとは
OSPF(Open Shortest Path First)は、TCP/IPのIGP(Interior Gateway Protocol)として使用される、LINK stateアルゴリズムをもつ、ダイナミックルーティングプロトコルです。
OSPFついて
ダイナミックルーティングのプロトコルでOSPFの範囲を指定し、そのエリア内でアドレスを配布することでルーティングテーブルを作成する。他にもRIPなどのダイナミックルーティングプロトコルが存在する。RIPは現在ほとんど使われていないプロトコルです。
OSPFの設定を行う上で必要な知識
- OSPFのエリア
- ワイルドカードマスク
OSPFのエリアは、ダイナミックルーティングでアドレスを配布する範囲です。範囲を設定することで、パケットの送信(Helloパケット)の送信範囲を指定し帯域が圧迫されることを防ぐことができる。
エリア0のみで構成することをシングルモードOSPFという。
ワイルドカードマスクは、サブネットマスクの反対です。
例えば、サブネットマスクが11111111.11111111.11111111.00000000
の時はワイルドカードマスクは00000000.00000000.00000000.11111111
です。
つまり、ワイルドカードマスクは0
の部分のネットワークにアドレスを配布する。また、1
の部分のアドレスは無視する。
詳しくはこちら
OSPF(シングルエリア)
シングルエリアOSPFは名前の通り、エリア0のみで構成されるOSPFです。
設定
今回も上の図にシングルモードOSPFを設定する。
router ospf {プロセスID}
プロセスIDを指定することができるが、分かりやすい設計/管理という観点でネイバールータとプロセスIDを同じにする。
network {IPアドレス} {ワイルドカードマスク} area {エリア}
機器にIPアドレスが割り当てられていてOSPFで通信させたいアドレスを指定する。
R1(config)# router ospf 1
R1(config-router)# network 172.16.10.1 0.0.0.255 area 0
R1の場合はファストイーサネット0の172.16.10.1/24
にOSPFのエリア0を設定している。
R2(config)# router ospf 1
R2(config-router)# network 172.16.10.2 0.0.0.255 area 0
R3(config)# router ospf 1
R3(config-router)# network 192.168.0.1 0.0.0.255 area 0
R2、R3もR1と同様に設定する。
DSW(config)# router ospf 1
DSW(config-router)# network 172.16.10.200 0.0.0.255 area 0
DSW(config-router)# network 192.168.0.1 0.0.0.255 area 0
DSWには2つのインターフェースにアドレスが振られており、どちらもOSPFエリア0に属すのでそれぞれ設定する。
これでシングルモードOSPFの設定は終了です。
OSPF(マルチエリア)
マルチエリアOSPFは複数のエリアで構成するOSPFです。複数のエリアを設定することでHelloパケットがすべてのエリアに飛ばず、帯域が圧迫されにくくなる。
設定
今回は前回設定した構成にマルチエリアOSPFを設定していく。エリアは4つに分割する。
コマンドは以下のように入力する。エリアを変更するのみで、特にシングルモードOSPFと異なる点はない。
R1(config)# router ospf 1
R1(config-router)# network 172.16.10.1 0.0.0.255 area 10
R1の場合はファストイーサネット0の172.16.10.1/24
にOSPFのエリア10を設定している。
R2(config)# router ospf 1
R2(config-router)# network 172.16.10.2 0.0.0.255 area 20
R2の場合はファストイーサネット0の172.16.10.2/24
にOSPFのエリア20を設定している。
R3(config)# router ospf 1
R3(config-router)# network 192.168.0.1 0.0.0.255 area 0
R3の場合はファストイーサネット0の192.168.0.2/24
にOSPFのエリア0を設定している。
DSW(config)# router ospf 1
DSW(config-router)# network 172.16.10.1 0.0.0.255 area 10
DSW(config-router)# network 172.16.10.2 0.0.0.255 area 20
DSW(config-router)# network 192.168.0.1 0.0.0.255 area 0
DSWは3つのエリアに属しており、それぞれのアドレスにエリアを設定していく。
172.16.10.1
はエリア10
172.16.10.2
はエリア20
192.168.0.1
はエリア0
これでマルチエリアOSPFの設定は終了です。
以下のコマンドでR1からR3と通信できることを確認してください。以下のように!
が出力されれば成功です。
R1#ping 192.168.0.200
!!!!!
最後に
スタティックルーティングに比べダイナミックルーティングの設定の方が簡単に設定することができます。また、図に書き出して設定を行うことで理解しやすくなると思います。
参考
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