量産メーカーになるための第一歩
Turing株式会社のアドベントカレンダー5日目です!今回は車両開発チームの中山が担当します。
まず最初に自己紹介からはじめさせてください。Tier1サプライヤーでCluster Displayとエアコンコントロール制御ユニット開発を経験し、その後OEMに転職して工事現場を無人で走る軽トラックのHMI開発をリードしてきました。これまでの経験を活かして、大きな挑戦をしたいという思いで、完全自動運転EV車の開発を行うTuringに今年の7月にJoinしました。
専門分野は電気電子アーキテクチャ設計と制御ユニットシステム設計ですが、今はそれを軸としつつもさまざまな活動をしています。特に来年末からリリースするTuring Crossover Founders Editionの車両開発を主に担当しています。
引用元:Turing Company Deck「Turing会社紹介」
はじめに
Turing Crossoverの初回生産分はTuring Crossover Founders Editionと銘打ち、Turingが量産メーカーとなる第一歩です。Turingは、車両開発を小規模生産から始め、セル生産方式と呼ばれる工程で製造する予定です。大規模な量産メーカーとは異なり、小さな工場で多くの工程をこなすスタイルをセル生産と呼びます。
Turing Crossover Founders Editionのご紹介
記念すべきこのプロダクトは、車両開発チームが手掛ける初めての販売車両です。職人の手が多く入ること、量産効果が得られない工法なので、一般的な自動車よりは製造に関する費用が嵩んでしまいます。ただし、完全ソフトウエアネイティブな車両の世界感、Turingの世界観を味わっていただける非常にシンプルかつ開放的な室内、独創的なエクステリアデザイン、そしてFounders Editionには一層特別なインテリアも設定する予定です。
これらお客様の直接手や目に触れるところ以外にも、ソフトウエアやオリジナルのECUも開発しています。配管や配線の取り回しまで工夫を凝らし車両開発チーム一丸となり、開発に取り組み、年明けには試作完了の予定です。もちろん、まだまだ規模の小さなTuring、パートナー様との連携も重要です。設計意図を正しくお伝えし、製品をご提供いただく部分もあります。国内外いろんなところに飛び回ってお話しすることも多くあります。
さて、このように書くと非常に順調のように見えるかもしれませんが、一筋縄で実現はできません。ユーザー体験からデバイスの配置を検討し、そのデバイスの性能をフルに引き出すための電気電子部品の構成を検討します。市場調達品を活用することもあれば、まだ世にない機能を実現するためには独自にECUを設計することもあります。電気電子部品から車両の骨格まで私たちがしっかりと意志を込めて設計しています。
Turing独自の自動運転支援レベル2+を搭載はもちろん、これらの総合で車に乗る前から乗った後、降りてからの使い心地も考慮して、ユーザー体験を設計しています。きっとみなさんの想像を超えたものになると確信しています。
セル生産への道のり
以下の通り、マイルストーンを置いて、2025年に向けて進んでいます。
- 車両試作
2024年3月までに車両を試作完了。ナンバーを取って公道を走る! - 車両評価
2024年6月までにテスト完了! - 最終車両チェック
2024年9月までに生産に向けた最終車両を確認 - 初回生産
2024年12月 第一号納車!!! - セル生産
2025年 少量生産実現
おわりに
一見、自動運転EVと聞くと華やかに聞こえるかもしれませんが現場では、ご紹介した通り、1つ1つの部品に対してソリューションを編み出して地道な開発を進めています。
TuringではAIいった先進的な面もあれば車両開発グループでは、枯れた技術の応用や、専門性を活かした安心安全を担保する設計を効率的に行い、スピード感を重視した開発を進めています。
今回はTuring Crossover Founders Editionの全体感について記しました。もう少し基板や回路の開発などTuringらしい詳細に踏み込んだ記事を後続でご紹介する予定です。
ソフトとハードが仲良くなると、こんなにいい車になるんだと皆様に言っていただけることを目指して頑張っています。お楽しみに!!!
もっとTuringのことが気になる!という方は
Turing の公式 Web サイト、採用情報などをご覧ください。話を聞きたいという方はCTOの
青木さんの X(旧Twitter) DM からでもお気軽にご連絡ください。
余談かもしれませんが
この記事を読まれている人は、少しでもTuringに興味がある、気になるという方々だと思います。一方で、創業から間もないスタートアップ企業が、自動運転AIを搭載した電気自動車なんて、ホントに出来るの?なんて思われる人も少なくないのではないでしょうか。この点については、カッパッパさんの取材などで取り上げていただいています。現在Turingでは、Turing MPVとTuring Crossoverの大きく二本立ての開発を並行して進めています。
この記事ではTuring Nova Factoryで働く我々車両開発グループがもう目の前に迫る2025年に生産予定の”Turing Crossover Founders Edition”について、フォーカスを当てて紹介します。車両開発チームについては、同じグループの山口の過去の記事をご参照ください。Turingの自動車開発挑戦記
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