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dbt Cloud:Enterprise以上のプランで利用可能な機能を整理する

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dbt Cloudでは日々新しい機能がリリースされており、利用ユーザー的にはどんどん便利になって来ていて嬉しい限りです。そしてdbt Cloudでは幾つかのプランが提供されており、プラン毎に提供されている・利用可能な機能だったり機能の詳細に違いがあったりします。その全容についてはdbt Labsが公開している「pricing」のページで確認できます。

https://www.getdbt.com/pricing

当エントリでは、これら様々な機能xプランの組み合わせの中から「Enterprise以上のプランで利用出来る機能」にフォーカスする形で「どういった機能があるのか」「プラン毎の差分はどんな感じなのか」を整理してみたいと思います。

Platform(プラットフォーム)

Platform(プラットフォーム)関連のプラン毎の要素は以下の通り。ここからEnterprise/Enterprise+プランに関係するものをピックアップしていきます。

dbt Copilot(dbt Cloud統合AIアシスタント)

機能概要

dbt Copilotは、dbt Cloudに統合されたAIアシスタントで、自然言語からSQL・ドキュメント・テスト・セマンティックモデルを自動生成します。AIがモデル間のリネージやメタデータを活用し、開発を効率化しつつ一貫性のある品質を維持できるのが特徴です。利用者はこの機能を活用する事で手作業を減らし、より高速で信頼性の高いデータ製品を構築できるようになります。

https://docs.getdbt.com/docs/cloud/dbt-copilot
https://docs.getdbt.com/docs/cloud/use-dbt-copilot

プラン毎の違い/Enterpriseプランで実現出来ること

この機能は全てのプランで利用可能となっていますが、実現出来る「アクション数」の上限がプラン毎に定められています。

  • Developerプラン:利用不可
  • Starterプラン:利用可能(100アクションまで)
  • Enterpriseプラン:利用可能(5000アクションまで) ※BYOKの場合を除く
  • Enterprise+プラン:利用可能(10000アクションまで) ※BYOKの場合を除く

なお、記載には「BYOKを除く」とあります。dbtのドキュメントにBYOKに関する説明があったので引用しておきます。個別に用意した生成AIのキーを使うのでは無く、dbt Labs提供のAIを使ってこの機能を利用する場合の制限が上記ですよ、ということですね。

また、Enterpriseプランか否かでそもそもの「利用出来る機能」の範囲が異なります。Copilotの場合はセマンティックモデル生成の利用可能範囲、及び上述のBYOK対応が差分的な情報となります。

プラン 出来ること
Developer (利用不可❌️)
Starter 利用可能✅️
インラインSQLの自動生成
ドキュメント
汎用テスト
セマンティックモデル(Studio IDEのみ)
Enterprise
Enterprise+
利用可能✅️
(上記内容に加えて)
セマンティックモデル(CanvasやInsights内でクエリに対する自然言語生成が可能に)
BYOK対応

Audit logging(監査ログ)

機能概要

dbt Cloudの監査ログ(audit logging)は、組織内のユーザーやシステムの操作履歴を自動的に記録・可視化する機能。「誰が・何を・いつ実行したか」をリアルタイムで追跡でき、90日分のイベント表示や最大12か月の履歴保存、CSVエクスポートにも対応しています。アクセス制御の監査やセキュリティ調査、変更履歴の追跡などに役立ちます。

プラン毎の違い/Enterpriseプランで実現出来ること

この機能に関しては、明確に「Enterpriseプラン以上」であれば利用可能な形となっています。

プラン 出来ること
Developer (利用不可❌️)
Starter (利用不可❌️)
Enterprise 利用可能✅️
Enterprise+ 利用可能✅️

詳細は下記ドキュメント参照。
https://docs.getdbt.com/docs/cloud/manage-access/audit-log

Security(セキュリティ周り)

機能概要

プランページでの説明によると「EnterpriseプランではSSO、RBAC、SCIMを含む」とあります。また、Enterprise+プランでは更に「PrivateLinkとIP制限」が利用可能、と記載があります。

プラン 出来ること
Developer 特に無し
Starter 特に無し
Enterprise 以下機能が追加で利用可能✅️
・SSO
・RBAC
・SCIM
Enterprise+ 以下機能が追加で利用可能✅️
・PrivateLink
・IP制限

Enterpriseプラン以上で出来ること=それぞれの機能になるのでここでは各種機能の概要と参考リンクを整理していきます。

SSO(Single Sign-on)

dbt CloudのSSO(シングルサインオン)は、SAML 2.0やOkta、Microsoft Entra IDなどのIdPを使って、一度の認証でdbt Cloudへ安全にアクセスできる機能です。ユーザーや権限をIdP側で一元管理でき、手動招待なしでJIT(Just-in-Time)プロビジョニングも可能です。これにより、セキュリティ強化・アカウント管理の効率化・組織全体での統制維持といったメリットが得られます。

https://docs.getdbt.com/docs/cloud/manage-access/sso-overview
https://docs.getdbt.com/docs/cloud/manage-access/set-up-sso-saml-2.0

RBAC(Role Based Access Control)

dbt CloudのRBAC(ロールベースアクセス制御)は、ユーザーの役割に基づいて機能やデータへのアクセス権を管理する仕組みです。管理者は「開発者」「レビュワー」などのロールを割り当てることで、操作可能な範囲を制御できます。これにより、誤操作や情報漏洩を防ぎつつ、権限に応じた安全で効率的なコラボレーションが出来るようになります。

https://docs.getdbt.com/docs/cloud/manage-access/about-user-access#role-based-access-control

SCIM(System for Cross‑Domain Identity Management)

dbt CloudのSCIM(System for Cross‑Domain Identity Management)は、ユーザーアカウントやグループ管理を自動化する機能で、OktaやMicrosoft Entra IDなどのIdPと連携して動作します。IdP上でのユーザー作成・更新・削除がdbt側に即時反映され、手動管理の必要がなくなります。これにより、アカウント運用の効率化、セキュリティ強化、退職者アカウント残存リスクの防止といったメリットが得られます。

https://docs.getdbt.com/docs/cloud/manage-access/scim

dbt CloudのPrivateLinkは、AWSやAzureなどのクラウドプロバイダのプライベート接続機能を利用して、dbt環境とデータプラットフォーム間を安全に接続する仕組みです。通信がパブリックインターネットを経由せず、同一クラウド内の専用経路で行われるため、データ漏えいや外部攻撃のリスクを最小化できます。主にEnterpriseプラン向けで、厳格なセキュリティ要件や法規制に対応する企業に最適です。

https://docs.getdbt.com/docs/cloud/secure/about-private-connectivity
https://docs.getdbt.com/docs/cloud/secure/vcs-privatelink

IPアクセス制限

dbt CloudのIP制限は、アクセスを特定IPアドレスや範囲に限定できるセキュリティ機能です。管理者は許可リストと拒否リストを設定し、VPNからのみの接続許可や危険IPのブロックが可能です。これにより、組織外からの不正アクセス防止やコンプライアンス強化、社内外の安全な運用を実現します。

https://docs.getdbt.com/docs/cloud/secure/ip-restrictions
https://docs.getdbt.com/docs/cloud/about-cloud/access-regions-ip-addresses

Analyst seat option available("アナリスト"のシートオプションが利用可能に)

機能概要

「Analyst seat option available」は、dbt CloudのEnterprise以上で選択できるアナリスト向けライセンスです。SQL開発やモデル構築はできませんが、Catalog, Semantic Layer, Docs, Insightsなど分析・閲覧機能を活用可能です。これにより、データ分析専門ユーザーが安全かつコスト効率よく共同作業に参加でき、開発リソースを節約しながら組織全体のデータ活用を促進できます。

https://docs.getdbt.com/docs/cloud/manage-access/seats-and-users
https://docs.getdbt.com/docs/cloud/manage-access/about-user-access

プラン毎の違い/Enterpriseプランで実現出来ること

上述の通り、この機能に関しては明確に「Enterpriseプラン以上」であれば利用可能な形となっています。

プラン 出来ること
Developer (利用不可❌️)
Starter (利用不可❌️)
Enterprise 利用可能✅️(※要Developerライセンス購入)
Enterprise+ 利用可能✅️(※要Developerライセンス購入)

別途ライセンス購入が必要とはなりますが、Developerで出来ることを踏まえつつ、Viewerよりも広範な行動が出来る「Analyst」ライセンスを利用出来るようになるよ!って感じですね。(参考:Users and licenses | dbt Developer Hub)

Develop(開発)

Develop(開発)関連のプラン毎の要素は以下の通り。ここからEnterprise/Enterprise+プランに関係するものをピックアップしていきます。

dbt Canvas(ローコード開発機能)

機能概要

dbt Canvasは、dbt Cloud内でSQLを書くこと無くデータ変換モデルを作成できるローコード開発機能です。GUI上でドラッグ&ドロップ操作や自然言語入力を使い、視覚的にデータフローを構築できます。生成されるSQLはリアルタイムで確認・編集可能で、Copilotによる支援にも対応しています。非エンジニアでも効率的にモデルを作成でき、チーム全体での開発・レビューが容易になります。

プラン毎の違い/Enterpriseプランで実現出来ること

この機能はDeveloper, Starterプランでは利用不可、Enterpriseプラン以上で利用可能となっています。

プラン 出来ること
Developer (利用不可❌️)
Starter (利用不可❌️)
Enterprise 利用可能✅️
Enterprise+ 利用可能✅️

詳細は下記ドキュメント参照。
https://docs.getdbt.com/docs/cloud/canvas
https://docs.getdbt.com/guides/canvas?step=1

Plan(プラン)

Plan(プラン)関連の要素は以下の通り。ここからEnterprise/Enterprise+プランに関係するものをピックアップしていきます。(と言いつつここはEnterpriseプラン以上でしか使えない機能しか無いですね...)

dbt Mesh cross project(複数のdbtプロジェクト間でモデルを参照・共有)

機能概要

dbt Mesh cross projectは、複数のdbtプロジェクト間でモデルを安全に参照・共有できる機能です。異なるチームや領域ごとに独立したプロジェクトを維持しつつ、ref()を使って他プロジェクトの公開モデルを利用できます。これにより、組織全体で一貫したデータガバナンスを保ちながら、チームが独立して開発・運用できる「分散型データ開発」を実現します。

プラン毎の違い/Enterpriseプランで実現出来ること

この機能はDeveloper, Starterプランでは利用不可、Enterpriseプラン以上で利用可能となっています。

プラン 出来ること
Developer (利用不可❌️)
Starter (利用不可❌️)
Enterprise 利用可能✅️
Enterprise+ 利用可能✅️

詳細は下記ドキュメント参照。
https://docs.getdbt.com/docs/mesh/govern/project-dependencies
https://www.getdbt.com/blog/introducing-cross-platform-dbt-mesh
https://learn.getdbt.com/learn/course/dbt-mesh/introduction-to-dbt-mesh/introduction-to-dbt-mesh
https://docs.getdbt.com/blog/hybrid-mesh
https://docs.getdbt.com/docs/explore/explore-multiple-projects

dbt Mesh cross platform(異なるデータプラットフォーム間でモデルを共有・参照)

機能概要

dbt Mesh cross platformは、異なるデータプラットフォーム間でモデルを共有・参照できる機能です。Snowflake・Databricks・Redshift・Athenaなどを横断し、Apache Icebergを介してデータをやり取りします。データコピーを伴わずにref()で接続でき、全体のリネージを統一的に管理可能です。複数基盤を採用する企業でも、一貫したガバナンスと再利用性を維持しながら分散開発を進められます。

プラン毎の違い/Enterpriseプランで実現出来ること

この機能はDeveloper, Starterプランでは利用不可、Enterpriseプラン以上で利用可能となっています。

プラン 出来ること
Developer (利用不可❌️)
Starter (利用不可❌️)
Enterprise 利用可能✅️
Enterprise+ 利用可能✅️

詳細は下記ドキュメント参照。
https://www.getdbt.com/blog/introducing-cross-platform-dbt-mesh
https://www.getdbt.com/product/dbt-mesh
https://www.getdbt.com/blog/one-dbt-cross-platform-data-mesh
https://docs.getdbt.com/best-practices/how-we-mesh/mesh-1-intro

Hybrid projects(単一の組織内でdbt Cloudとdbt Coreを組み合わせて使用)

機能概要

dbtのHybrid projectsは、dbt Coreとdbt Cloudを同一組織で併用できる統合プロジェクト機能です。CLIを使うチームとクラウド環境で開発するチームが、同じ成果物(manifest.jsonなど)を共有・連携できます。これにより、Coreユーザーの成果をCloud上で可視化したり、相互にモデル参照や共同開発を行えます。既存のCore資産を活かしつつ、CloudのGUI操作やガバナンス機能を利用できる点が特徴です。

プラン毎の違い/Enterpriseプランで実現出来ること

この機能はDeveloper, Starter、更にはEnterpriseプランでの利用は不可。Enterprise+以上で利用可能な形となっています。(なかなかにハードルが高い...)

プラン 出来ること
Developer (利用不可❌️)
Starter (利用不可❌️)
Enterprise (利用不可❌️)
Enterprise+ 利用可能✅️

詳細は下記ドキュメント参照。
https://docs.getdbt.com/docs/deploy/hybrid-projects
https://docs.getdbt.com/docs/deploy/hybrid-setup
https://docs.getdbt.com/blog/hybrid-mesh
https://www.getdbt.com/blog/one-dbt-cross-platform-data-mesh

Test and Deploy(テスト・デプロイ)

Test and Deploy(テスト・デプロイ)関連のプラン毎の要素は以下の通り。

Advanced dbt Orchestrator(状態管理によりモデルやジョブの再構築タイミングを最適化)

機能概要

Advanced dbt Orchestratorは、dbt Cloudの高度なジョブ実行管理機能で、状態管理(state-aware orchestration)によりモデルやジョブの再構築タイミングを最適化します。コードやデータの変更が検知された時のみ対象モデルをビルドし、不要な処理とコストを削減。リアルタイムにモデル状態を共有し、複数ジョブ間の衝突防止や細かな更新間隔設定も可能です。効率良いパイプライン運用と、信頼性の高いデータ提供を両立できるのが最大のメリットです。

プラン毎の違い/Enterpriseプランで実現出来ること

この機能はDeveloper, Starter、での利用は不可。Enterprise及びEnterprise+以上で利用可能な形となっています。

プラン 出来ること
Developer (利用不可❌️)
Starter (利用不可❌️)
Enterprise 利用可能✅️
Enterprise+ 利用可能✅️

詳細は下記ドキュメント参照。
https://docs.getdbt.com/docs/deploy/state-aware-about
https://docs.getdbt.com/docs/deploy/state-aware-setup
https://learn.getdbt.com/courses/advanced-deployment

状態管理(state-aware orchestration)周りに関しては先日行われたカンファレンスイベント「dbt Coalesce 2025」でも言及がありましたね。

Discover and Analyze(発見と分析)

Discover and Analyze(発見と分析)関連のプラン毎の要素は以下の通り。

dbt Semantic Layer

機能概要

dbt Semantic Layerは、データモデル上にビジネス指標(メトリクス)を一元管理し、全ての分析ツールで一貫して利用できるようにする仕組みです。MetricFlowを基盤として、集計ルールや計算ロジックをコード化し、dbtプロジェクト内で定義・バージョン管理します。これにより、複数のBIツールやチームで同一の定義を共有でき、再利用性と信頼性が高いデータ分析を実現します。

プラン毎の違い/Enterpriseプランで実現出来ること

この機能はDeveloperでの利用は不可。Starter、Enterprise及びEnterprise+以上で利用可能な形となっています。

プラン 出来ること
Developer (利用不可❌️)
Starter 利用可能✅️
Enterprise 利用可能✅️
Enterprise+ 利用可能✅️

まずはプラン毎に「月毎に実行可能なメトリクスクエリ」数の上限が定められています。

  • Starterプラン:5000クエリ
  • Enterpriseプラン:20000クエリ
  • Enterprise+プラン:20000クエリ

dbt Semantic Layerに関しては、プラン毎にそれぞれ出来る事が異なります。下記ドキュメント各種で詳細は把握できそうですが、ちょっと情報量が多くなりそうので別途エントリを改めるなどして展開出来ればと思います。
https://docs.getdbt.com/docs/use-dbt-semantic-layer/dbt-sl
https://docs.getdbt.com/docs/use-dbt-semantic-layer/sl-faqs
https://docs.getdbt.com/docs/use-dbt-semantic-layer/sl-architecture
https://www.getdbt.com/blog/build-centralize-and-deliver-consistent-metrics-with-the-dbt-semantic-layer

ひとまずざっとまとめるとこんな感じかなと。

プラン 主な利用可能機能 用途
Starter MetricFlow, API連携, 基本キャッシュ, BI統合 小規模チームの標準化と効率化
Enterprise 複数クレデンシャル, 高度キャッシュ, RBAC連携, 拡張API 大規模・複数チーム開発、セキュリティ重視運用
Enterprise+ Single-tenant, PrivateLink, BYOK, SLA保証 規制業界・高セキュリティ要求環境

dbt Catalog

機能概要

dbt Catalogは、dbt Cloudで利用可能なデータ資産の可視化・探索・共有のためのメタデータ管理機能です。プロジェクト内のモデル、ソース、カラム、テスト結果などの情報を自動的に抽出し、ブラウザ上でリネージ(依存関係)やドキュメントを確認できます。これにより、開発者やアナリストはデータの定義や関係性を容易に理解でき、正確で再利用可能なクエリや分析を行うことができます。データの探索性・透明性を高め、チーム全体の分析効率と信頼性を向上させます。

プラン毎の違い/Enterpriseプランで実現出来ること

この機能はDeveloperでの利用は不可。Starter、Enterprise及びEnterprise+以上で利用可能な形となっています。

プラン 出来ること
Developer (利用不可❌️)
Starter 利用可能✅️
Enterprise 利用可能✅️
Enterprise+ 利用可能✅️

機能及びプラン毎に出来ることの詳細に関してはざっくり概要レベルだとこんな感じ。ちょっとピンと来ないですね...

  • Starter/Basic dbt Catalog:
    • dbtのナレッジベースとデータ系譜可視化機能を活用してチームメイトと協働/モデルの検索、モデル系譜の可視化、データの健全性の把握が可能
  • Advanced/Enterprise,Enterprise+
    • データエコシステム全体におけるデータ系譜と文脈の可視性を高め、共同作業ワークフローを通じてより多くの関係者を巻き込み、インテリジェントな推奨事項でパフォーマンスを最適化することで、単一チームを超えたdbtの拡張を実現

詳細については下記各種ドキュメント参照。dbt Semantic Layer同様、dbt Catalogについてもエントリを改める形で別途深堀りしていきたいと思います。
https://docs.getdbt.com/docs/cloud/about-cloud/dbt-cloud-features
https://docs.getdbt.com/docs/explore/explore-projects
https://www.getdbt.com/product/dbt-catalog
https://docs.getdbt.com/docs/use-dbt-semantic-layer/sl-faqs

dbt Insights

機能概要

dbt Insightsは、dbt環境内でSQLクエリの作成・実行・分析を直接行えるAI支援型の探索的データ分析機能です。Catalog、Copilot、Semantic Layerとシームレスに統合され、メタデータやリネージ情報を参照しながらクエリを構築でき、データ発見から分析までを一元化します。アナリストはツール間の切り替えなしで迅速な意思決定とチーム間のコラボレーションが可能になり、探索的分析の生産性が大幅に向上します。

プラン毎の違い/Enterpriseプランで実現出来ること

この機能はDeveloper, Starterでの利用は不可。Enterprise及びEnterprise+以上で利用可能な形となっています。

プラン 出来ること
Developer (利用不可❌️)
Starter (利用不可❌️)
Enterprise 利用可能✅️
Enterprise+ 利用可能✅️

詳細は下記ドキュメント参照。
https://learn.getdbt.com/courses/dbt-insights-fundamentals
https://docs.getdbt.com/docs/explore/dbt-insights

Operate and Observe(操作&観察)

Operate and Observe(操作&観察)関連の要素は以下の通り。

State-aware orchestration(状態認識型オーケストレーション)

こちらの機能は前述でも紹介済みの情報となるため、割愛します。

CI(Continuous Integration)の高度機能

表では「State-aware orchestration and CI」と記載があったのでこの"CI"の部分に於いてなにかEnterpriseで無いと使えない機能ってあるの?というのは気になるところですが、ざっと調べてみた感じだと

  • Defer機能(本番環境のアーティファクトを参照して開発環境で差分ビルド)は全プランで利用可能
  • 一方、State-aware orchestrationは本番環境のジョブ実行時に自動的に状態を追跡し、必要なモデルのみをビルドする機能で、Enterprise以上限定

という記載を見つける事が出来ました。そしてこのState-aware orchestrationに関しては環境をdbt Fusion Engineにアップグレードする必要があります。
https://www.getdbt.com/blog/announcing-state-aware-orchestration

dbtのリリースノートから該当する情報を探る

dbtのリリースノートページでは時期を分けて定期的に今後展開・リリース予定の機能の情報を知る事が出来ます。ここから辿れる情報を参照する事で、機能別に「この機能はどのプランで提供されるのか」を知ることも出来ます。
https://docs.getdbt.com/docs/dbt-versions/dbt-cloud-release-notes

まとめ

という訳で、dbt Cloudにおける「Enterpriseプラン以上で利用可能な機能」について、2025年10月時点での情報をまとめてみました。こうして見てみると相当数の機能が「Enterpriseプランにする事で使えるようになる」「Enterpriseプランにすることでより便利になる」立て付けになっている事が把握出来ました。欲しい!使いたいが費用の問題で...という部分は多分にあるかとは思いますが、同等の機能や環境を独自・個別に用意する、または手間を掛けるのと、SaaSとして提供されている機能をそのまま使うのとどちらがより適しているのか、それぞれの状況を見極めながらプランを選択していきたいところですね。

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