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母分散の仮説検定

2024/02/01に公開

はじめに

母平均の検定に続き、母分散の検定を解説します。

母平均の検定について知りたい方はこちら。
https://zenn.dev/totopironote/articles/bbeb7ec577f235

ちなみに仮説検定は, 帰無仮説 H と対立仮説 K として

片側検定

\begin{align*} (1) & \ H: \theta = \theta_0, \ K: \theta > \theta_0; & (1') & \ H: \theta = \theta_0, \ K: \theta < \theta_0; \\ (2) & \ H: \theta \leq \theta_0, \ K: \theta > \theta_0; & (2') & \ H: \theta \geq \theta_0, \ K: \theta < \theta_0; \\ \end{align*}

と両側検定

(3) \ H: \theta = \theta_0, \ K: \theta \neq \theta_0

があります。
(2),(2’)は(1),(1’)と同様の棄却域を考えれば良いです。(3)は(1)と(1’)を合わせた棄却域を考えれば良いです。

平均\mu ,分散\sigma^2をもつ正規分布からデータが得られるとする。正規分布であることに注意!

母分散の検定は平均\muが既知かどうかの場合分けがありますが、どちらもカイ二乗分布に帰着させればよいので簡単です。

これらの場合について詳しく見ていきます。

母分散の検定

(1)のパターンを見ていく。

H:\sigma^2=\sigma_0^2 , \ K:\sigma^2 > \sigma_0^2

の水準\alphaの問題を考える。平均\mu,分散\sigma^2の分布からのn個のデータをX_1,\dots ,X_nとする。

まず、Hのもとで考える。つまり母分散\sigma^2\sigma_0^2であると仮定する。

統計量Vを次のように定義する。

\begin{equation} V = \sum_{i=1}^n\left(\frac{X_i - E(X)}{\sqrt{Var(X)}}\right)^2 \end{equation}

1. 平均\mu が既知のとき

V = \sum_{i=1}^n\left(\frac{X_i - \mu}{\sigma_0} \right)^2

となる。したがってVは自由度nのカイ二乗分布に従う。

\chi_n^2分布の上側100\alpha%点 : \chi_\alpha^2(n)

棄却域

C = (\chi_\alpha^2(n), \infty)

とすれば、

\begin{align*} v_0 > \chi_\alpha^2(n) \Rightarrow H\text{を棄却}\\ v_0 \leq \chi_\alpha^2(n) \Rightarrow H\text{を受容} \end{align*}

2. 平均\mu が未知のとき

平均\muが未知なので、代わりに標本平均\bar X = n^{-1}\sum_{i=1}^nX_i を用いる。

V = \sum_{i=1}^n\left(\frac{X_i - \bar X}{\sigma_0} \right)^2

標本平均を用いているのでVは自由度n-1のカイ二乗分布に従う。

\chi_{n-1}^2分布の上側100\alpha%点 : \chi_\alpha^2(n-1)

棄却域

C = (\chi_\alpha^2(n-1), \infty)

とすれば、

\begin{align*} v > \chi_\alpha^2(n-1) \Rightarrow H\text{を棄却}\\ v \leq \chi_\alpha^2(n-1) \Rightarrow H\text{を受容} \end{align*}

まとめ

「母分散の検定はカイ二乗分布に帰着させる」とだけ覚えておきましょう。

参考文献

  • 赤平昌文 「統計解析入門」

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