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Azure Cost Managementの「コスト分析」は階層型料金に未対応

2022/06/27に公開

はじめに

Azureの利用料を「Azure Cost Management(ACM)」を使って分析すると、どのくらい利用料が掛かっているか、調べることができます。
https://azure.microsoft.com/ja-jp/services/cost-management/

リソースグループ単位で絞ったり、どのサービスをどの期間にどれくらい使ってているか?このままいくと月末にいくらくらいになる見込みなのか?あるいは「毎月の利用料予算10万円だけど、今日まだ15日なのに予算超えてるよ!」なんていうアラートを出したりできます。)

ですが、このACMのコスト分析の価格と、請求金額が一致しないということがあり、サポートに問合わせたのですが、せっかくの情報なので内容をここにメモっておきます。
(2022/6時点の情報であり、改善要望はサポートにも伝えたので将来的には改修されるかもしれません)

事象

ACMの計算が合わなくなる対象

Azureには「段階型の料金設定」がなされているサービスがあります。例えば…

Premium ホット クール アーカイブ
最初の 50 テラバイト (TB)/月 $0.218/GB $0.02/GB $0.011/GB
次の 450 TB/月 $0.218/GB $0.0192/GB $0.011/GB
500 TB 超/月 $0.218/GB $0.0184/GB $0.011/GB

ストレージアカウントは、このような価格表に基づき、利用量(容量)が増えてくると利用料(単価)が下がるモデルになっています。

ログアナリティクスは、最初の5GBの取り込みは無料で、それ以降だんだんとGB単価が下がっていくモデルになっています。

Azure DevOpsの中の「Artifacts」サービス段階型の料金となっており、
2GBまで無料、それ以上は利用量が増えるごとに単価が半額、半額となっていくモデルです

このような段階型の料金が設定されているサービスで、正しく料金を計算してくれない…というのがACMの仕様でした。

どのような計算になるか

『「1段階目の料金」で最後まで課金されいるように見える価格』で表示されます。
例えば、差が大きくなるのはArtifactsの料金ですが、仮に100GB使っていたとします。

  • 本来の料金
    0-2GB:無料
    2GB-10GB:$2/GB × 8GB =$16
    10GB-100GB:$1/GB × 90GB = $90
    ================
    合計:$106

  • ACM上の料金
    100GB:$2/GB × 100GB =$200

なんと倍近く差が出てしまいます。
お小遣いでやっている環境だとビックリします…!

対策

現時点ではACMが仕様上対応しておらず、どうしようもないということです。
特に、個人など小規模に利用する場合の「MOSP」契約だと、請求書が発行されるまで金額は分からないとのこと。

おわりに

「思ったより請求が高かった!!」となるよりだいぶマシですが、それでも思った通りの金額で
分析できないのはちょっと悩ましいですね。
請求合わないな~なんて困ってる人のお役にたてれば幸いです。

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