Azure Cost Managementの「コスト分析」は階層型料金に未対応
はじめに
Azureの利用料を「Azure Cost Management(ACM)」を使って分析すると、どのくらい利用料が掛かっているか、調べることができます。
リソースグループ単位で絞ったり、どのサービスをどの期間にどれくらい使ってているか?このままいくと月末にいくらくらいになる見込みなのか?あるいは「毎月の利用料予算10万円だけど、今日まだ15日なのに予算超えてるよ!」なんていうアラートを出したりできます。)
ですが、このACMのコスト分析の価格と、請求金額が一致しないということがあり、サポートに問合わせたのですが、せっかくの情報なので内容をここにメモっておきます。
(2022/6時点の情報であり、改善要望はサポートにも伝えたので将来的には改修されるかもしれません)
事象
ACMの計算が合わなくなる対象
Azureには「段階型の料金設定」がなされているサービスがあります。例えば…
Premium ホット | クール | アーカイブ | |
---|---|---|---|
最初の 50 テラバイト (TB)/月 | $0.218/GB | $0.02/GB | $0.011/GB |
次の 450 TB/月 | $0.218/GB | $0.0192/GB | $0.011/GB |
500 TB 超/月 | $0.218/GB | $0.0184/GB | $0.011/GB |
ストレージアカウントは、このような価格表に基づき、利用量(容量)が増えてくると利用料(単価)が下がるモデルになっています。
ログアナリティクスは、最初の5GBの取り込みは無料で、それ以降だんだんとGB単価が下がっていくモデルになっています。
Azure DevOpsの中の「Artifacts」サービス段階型の料金となっており、
2GBまで無料、それ以上は利用量が増えるごとに単価が半額、半額となっていくモデルです
このような段階型の料金が設定されているサービスで、正しく料金を計算してくれない…というのがACMの仕様でした。
どのような計算になるか
『「1段階目の料金」で最後まで課金されいるように見える価格』で表示されます。
例えば、差が大きくなるのはArtifactsの料金ですが、仮に100GB使っていたとします。
-
本来の料金
0-2GB:無料
2GB-10GB:$2/GB × 8GB =$16
10GB-100GB:$1/GB × 90GB = $90
================
合計:$106 -
ACM上の料金
100GB:$2/GB × 100GB =$200
なんと倍近く差が出てしまいます。
お小遣いでやっている環境だとビックリします…!
対策
現時点ではACMが仕様上対応しておらず、どうしようもないということです。
特に、個人など小規模に利用する場合の「MOSP」契約だと、請求書が発行されるまで金額は分からないとのこと。
おわりに
「思ったより請求が高かった!!」となるよりだいぶマシですが、それでも思った通りの金額で
分析できないのはちょっと悩ましいですね。
請求合わないな~なんて困ってる人のお役にたてれば幸いです。
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