Azure関連の資格の情報(2025年2月版)
はじめに
毎年、年明けや年度初に今年の目標を立てる方も多いと思うのですが、同じテーマで書いているこの記事。Microsoftの資格はとても高頻度でupdateされますので今年も更新していきます。
(今年と言っているのにすでに2月・・・)
元々、「資格試験受けました・受かりました」系のブログはとても世の中に多いのですが、Azure関連の資格体系の情報はあまりまとめられたものが見当たりませんでした。
そう思って何年か前から書き始めているのですが、直近だといろんな方がそういう情報を書いていらっしゃいます。でもどうせ調べるなら自分でもまとめたほうが記憶に残るよねってことと、私の古い記事にアクセスされた方を新しい情報に誘導する目的で、改めてまとめます。
ということで今年も資格体系やスキルパス、勉強法の話などなど。
筆者の属性
インフラ系のエンジニアとしてAzure全般を使っています。(AWSやGoogle Cloud、OCIもたしなむ程度には扱ってます)
特定のサービスに特化して強いわけではないのですが、強いて言うならセキュリティ系・統制系をよく扱います。
Azureまわりで取得している資格は下記の通りです。
AZ-104: Administrator Associate
AZ-204: Developer Associate
AZ-300/301: Solutions Architect Expert
AZ-400: DevOps Engineer Expert
AZ-500: Security Engineer Associate
SC-100: Cyber Security Architect Expert
※なお、AWSもSAP(Solution Architect Professional)やSecurity Specialtyを取得しています。
資格体系
公式情報
下記のポスターが公式情報で、Microsoftの認定資格が記載されています。
中身がどんどんアップデートされていくので、このURLをブックマークしておけばOKです。
現時点(2025/1)で、2024年6月版が表示されます。2022年ころから今のデザインになりましたが、圧倒的に見やすくなってますね。以前はちょっとデザイン性が強かったというか…(察してください)
こんなイメージですが、最新情報を見る場合は↑のリンク先へ。
そういえば2024年中に、縦方向の分割軸(Infrastructure…など)に変更がありました。もともと、AzureやらM365やらMS社の製品目線での切り口だったのが、使う側目線のカットに変わってますね。詳細をこの後見ていきましょう。
資格体系
microsoftの資格体系
全体的に縦軸・横軸で分かれています。
縦方向
上で触れた通り、元々Microsoftの大きな製品群で分かれていたのが利用する側の目線カットになったようです。
- Infrastructure
- Data and AI
- Digital app and innovation
- Modern work
- Business applications
- Security
の6種類です。全部横断的に勉強するのは範囲が広すぎて難しいと思いますが、全冠を狙われる方も中にはいらっしゃいますよね。
普通は自分が狙ったジャンルを中心に、関連するところに手を広げていくものかと思います。
私の場合はAzureからスタートしてSecurityに手を広げている…という感じです。
横方向
試験・資格の意味によって分かれています。
- Fundamentals
- Role-based
- Specialty
基礎、役割カット、特定の技術領域カットの3種類です。
「Fundamentals」はともかく、「Role-base」と「Specialty」の違いは難易度の高低ではなく、あくまで試験の属性による違いです。
資格の凡例
ポスターの右上に凡例が記載されています
資格名
文字通りですね。「Solutions Architect Expert」などが該当します
★マーク
上位資格は★マークが付与され「Expert」資格であることがわかります。高難易度、です。
鍵マーク
鍵マークは前提条件がある資格が付与されています。
例えばAZ-400(DevOps Engineer Expert)はAZ-104又はAZ-204に合格している必要が、AZ-305(Solutions Architect Expert)は、AZ-104に合格している必要があります。
ポスターの各試験名は前提条件など解説されている公式ページにリンクされていますので、詳細はそちらを見てください。
認定条件
「MB-300」+「MB-310」といったように、その認定を得るのに必要な試験名が記載されています。
なおこの試験名はLinkになっていて、試験の内容などの情報が開示されています。
1試験に受かれば認定となる資格と、2試験に受かる必要がある資格がありますね。
試験のコード体系
2文字のコードがジャンルを表し、3桁の数字と組み合わせて試験(≒資格)を示しています
2文字のコード
全体像としては下記の通りです。
大分類 | 小分類 | コード(ジャンル) |
---|---|---|
Azure | Azure | AZ |
Azure | AI関連 | AI |
Azure | DataProcessing関連 | DP |
Dynamics 365 | Dynamics関連 | MB |
Microsoft 365 | M365関連 | MS |
Microsoft 365 | Endpoint関連? | MD |
Power Platform | Power Platform関連 | PL |
Security | (Azureの)セキュリティ関連 | AZ |
Security | (MS全体の)セキュリティ関連全般 | SC |
昨年比でいくと、MSやMB関連が少し増えてるでしょうか…。
私が一番関係するAzure関係は「AZ」で始めるもの。なお「SC」の範囲にもAzureの知識を問われる試験があります。Entra ID(Azure AD)関連は幅広い資格試験で問われます。
3桁の数字
900番台がFundamentalsの他、
百の位は重複しないように近いジャンルごとに割り振られているようです。
数字の大小と難易度は関係ありません。
一~十の位は試験のUpdateによりインクリメントされる(AZ-301~AZ304⇒AZ-305など)、2試験ともActiveになっていて合わせ技で1資格のようなパターンがあります。(AZ-800+AZ-801=Windows Server Hybrid Administrator Associate)。
1年間でのアップデート(Azure系、Security系)
大きくは変わらなかったようです。1年前は「これから先は生成AIやCopilot関連の資格がぐっと増えそうですよね。」とコメントしていたのですが、相変わらずAZ-900くらいでしょうか。技術側の進歩が速すぎて、試験に落とし込めないんでしょうねと想像します。
AWSと比較すると
AWSは知ってるんだけど…という方のために、独断と偏見でマッピングを作ってみました。特に、Architect/Developerの資格の関係性や、中位―上位の関係性はこう表現したほうが分かりやすいと思います…。
この情報、AWSエンジニアの方にはタイヘン喜ばれます。笑
専門知識系はSecurity、Data系など重なるところもありますが、それぞれにしかないところもあり完全には一致しません。SAP(×Solution Architect Professional、○SAP)やNetworkのように片方にしかなかったものが他方に追加されたものもあります。
AWSの資格図は2021年ころまでのモノの方が分かりやすかったと思うので、引用元が無くなってしまってますが、過去の記事に貼っていたマッピング図を再掲しています。
※あくまで机上で見たときのマッピングであり、難易度や分類が正しいことを保証するわけではないのでご注意ください。
受験した際の個人的な感覚では、AWSのAssociate=AzureのAssociate<AWSのSpecialty<AWSのProfessional=AzureのExpert、くらいだと思います。(MicrosoftのSpecialtyは持っておらず…)
スキルパス
手始めに
クラウドにふれるのが殆どはじめてという方は、AZ-900から手を付けるのが良いと思います。特定のジャンルに縛られること無く、基本的な概念を確認する資格です。他のクラウドを触ったことがあるなど、基礎知識がある方は飛ばしても良いかもしれません。実際、私の周りでも、AWSから入った方が無勉強でAZ-900を取ってきたり、AZ-900は飛ばして中位資格から手を付ける人が多くいます。
Solutions Architect系
クラウドを使ったシステムの設計・構築を進めていく役割です。AZ-104→AZ-305と進めます。
元々はAWSと違って中位(Associate)資格がなくいきなり上位資格を取れましたが、現在はAZ-305(Solution Architect Expert)の前提としてAZ-104(Administrator Associate)が必要です。
AZ-104はAzureの基本的なサービスの考え方や使い方について問われます。AZ-900より難易度はあがりますが、どのような役割の方にもお勧めできます。
(私はAZ-305の前々世代となる300/301で取得していますが)AZ-305はAzureの各種サービスの深い知識が問われます。
各サービスの特徴や「こういう要件に対しては、こうサービスを使って・組み合わせて、こうやって実現するんだ」ということを理解する必要があり、実際に使い込まないと難しい試験です。
Developer系
AZ-400を受けるためには、AZ-104かAZ-204に合格する必要があります。
私は204 → 400と受けていますが、AZ-204とAZ-400では求められる知識のジャンルが結構違いました。
AZ-204はAzureサービスをDeveloper観点で使いこなすための知識を問われますので、ある意味Solutions Architectと近しい知識で乗り切れます。
AZ-400は、Azureサービスに関わるところはAzure DevOps、AKSくらいで、かなりの範囲については一般的な開発知識(コンテナ、プログラミング言語、リポジトリ管理やCI/CDのツールや文化などの理解)を求められます。更新試験を受けていると、Github関連の問題もかなり多く出題されます。Github actionsを使ってXXXするには?などなど。
なのでAZ-400は決して204や104の上位資格ではなく、両方の分野をきちんと押さえたうえで開発系全般の知識が必要であることに注意しましょう。
セキュリティ系
セキュリティ系のSC-200(Security Operations Analyst Associate),SC-300(dentity and Access Administrator Associate),SC-400(nformation Protection Administrator Associate)は系統の違いであって難易度の違いではないため、どの分野からせめても良いと思われます。
SC-100(Cybersecurity Architect Expert)は、Expert資格になるため、前提資格(SC-200,SC-300,AZ-500のいずれか)が求められます。
私はAzure系に強みがありましたので、AZ-500⇒SC-100の順で受けて無事合格しましたが、SentinelとM365の連携や、多岐にわたるMicrosoft Defender for XXXXの使い方など、SC-200~400や旧MS-500系統の知識も求められますので、出来ればもう1分野くらい中位資格相当の勉強をしてからの方が良さそうでした。資格試験は受かることが目的ではなく、勉強と理解度の確認のためですので、知らない範囲はちゃんと復習しないといけませんね。
専門系
雑に「専門系」でくくってしまいます。
AI系、DP系などは、基本的に順番や系統があるような試験ではありません。(言い切って良いのかな…?)。AZ系に位置づけられていても、Specialty試験はNetworkやSAPなどのように専門的な知識が問われるものがありますので、こちらも同様です。
それぞれ問われる分野が違いますので、「経験があるから受けてみよう」でもいいですし、「この分野の勉強したいから勉強してみよう」もアリだと思いますが、「こういうパス(順番)で受けて行こう」という推奨ルートがあるようなものではありません。
いずれにせよ、AZ-900やAZ-104といった基本的な知識がついて、Azureを触れるようになった方が初めて考える範囲かなと思います。
勉強方法について
2020/12の第30回 Tokyo Jazug Nightで喋った資料を再掲します。
資格の情報などは少ーーし古くなってしまっていますが、勉強方法についてはこちら参考になると思いますので、ぜひご参照ください。
要約すると、資格のページの「評価スキルのアウトライン」を見て、分かるところはそのままでOK。知識が足りないところを「Microsoft Learn」で補う…という形で勉強を進めれば十分合格ラインに達すると思います。
資格の更新方法について
2021年に資格の更新方法が変わりまして、毎年ウェブテストを受ける形で更新する形態になっています。
2021年より前に資格を取った方も、もう全員更新時期を迎えていますね。
今、更新する際に知っておくべき情報は↓にまとめていますので、気になる方はこちらをご覧ください。
終わりに
私、去年は1つくらい新しいものを…と思っていたのですが、更新だけで新規のジャンルに手が出せていませんでした…。
継続的に勉強しないと知識は古くなっていってしまいますので、更新だけでも意味はありますが、それでも今年は、今年こそはいくつか資格を取っていこうと思ってます。と決意をしたところで記事を締めたいと思います。ただ、資格だけが勉強ではないですからね。いろいろ手を出したいと思います。
今時点のAzureの資格試験情報をまとめてみました。皆さまの資格対策の一助になれば幸いです。
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