「YESかNOか」は「0か1か」ではないお話
YesかNoかで答えられる質問をしろ、という話をよく聞きますよね。だいたいの場合は「オープンクエスチョンだと答えにくいから、YesかNoでハッキリ言えるように誘導しよう」という意図だと思います。
ただ、英会話では実はゼロサム(0か1か)の話ではないことがよくあり、、、今回はYesにもNoにも温度感があるんだよってお話をしてみようと思います。
YESとNOはゼロサムではない
英語でも"Yes and No"という返し方があり、イギリス人との会話で初めて聞いた時に衝撃を受けた表現です。
僕が「今年の施策としてLAN標準化を提案したが、受け入れられるか?」と質問したのに対して、曰く「技術的にできるかという意味ではYESだ、しかし今年は予算がないからすぐにやれと言われたら無理:NOだ、故にキサマの質問に対してはYES and NO - Technically YES and realistically NOだ」と言うのです。
YESとNOは二択だと学校教育で教わっていて僕の脳に稲妻が走りました。プログラムで言うところのif文がネストしているような質問をしたら、そりゃYes/Noだけでは返せないよね。YES and NO, なんて公平な表現なんだ。。。
温度感を持たせたYesとNoの表現バリエーション
日本人だけではなく英語圏の人にもゼロサムで答えられないことはあり、YesとNoだけで単純に表現ができないことは日常にあふれています。こんな回答をしてくることもよくあります。
- Generally yes, but there is some exceptions, for example... (一般的にはYes,だけど例外もある)
- I'd like to accept your suggestion, but unfortunately no, because... (提案受け入れたいんだけど残念ながらNoだ)
- I feel positive so far but I cannot conclude now. Let me consider, I'll answer you next week (よさげに聞こえるけどすぐに結論は出せぬ、来週回答するわー)
- Yes and No. For A, yes. For B, no. So answer to your question - A+B equal Yes and No
「原則その通りです」とか「基本的には違います」のような例外がある「含み」を持たせた回答は英語では上記のように表現できます。
Yes/Noのニュアンス表現方法
自分が喋る時にボキャブラリーに自信がない方には「ざっくり⚪︎%ぐらい理解した」という言い方を激推ししています。
- (About) 80% agree (ざっくり8割同意)
- For 80%, I agree because xxx (8割に関して、xxxだから同意)
- Rest 20%, I don't agree because xxx (残り20%はxxxだから同意しない)
慣れてない人ほど小難しいことを考えずに簡単な言い方で済ませるのがよいです。付け焼き刃で文法に気を使うぐらいなら、回答する内容・理由について考えを巡らせてあげてください。
質問する側の工夫
英語にもゼロサムではない回答があると知ってから、僕が会話の中で発する質問のもだんだん変わりました。Do you agree?のような二者択一だと相手に圧迫感を与えていることに気づいたのです。
大概の場合は最初に「どう思う?」と添えるだけで雰囲気がかなり和らぎます。
How do you feel so far? Do you think this is feasible option for you? (ぶっちゃけどう感じた?実現可能な選択肢だと思う?)
二者択一が有効なケース
二者択一が悪かというと、そうでもないです。質問がかなりよく練れている場合や、かなり具体的な質問(明日日本時間15時から会議予定入れていい?)ならばむしろYes or Noで答えられるような質問をする方が話が早いです。
一言で回答が難しそうな質問(君の国ではこの方法って一般的なの?とか)をする場合は、あえてオープンから入る方が相手の真意を聞き出しやすいです。僕のやっていたプロジェクトでは、技術的な事実を確認する場合を除き、ほとんどの質問はオープンクエスチョンだったと思います。
注意:Yes or Noだけで早合点しないこと!
二者択一の回答でも、YesとNoの後の言葉(because...とかhowever...とか)にニュアンスや発言の意図が続くことがよくあります。話は最後まで聞くようにしましょう。相手がYes/Noと言ったから、とゼロサムで捉えてしまうと思わぬ落とし穴にハマることがあります。
結論とまとめ
- 日本語の比較して「論理的でハッキリ表現する」英語でも、必ずしもゼロサムとは限らない
- 質問があいまいだとタマムシ色の回答はあり得る
- 答える時も⚪︎%YESという温度感を意識することで説明不足を避けられる
- YES/NOという回答を見ても、ゼロサムで受け取らないことが大事
英会話の相手も人間です、話を最後までじっくり聞くようにしましょう、というお話でした。英会話の参考になるとうれしいです。
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