ウルトラワイドモニターのすすめ
この記事はDeNA 24 新卒 Advent Calendar 2023の12日目の記事です。
遅刻ギリギリセーフ
始めに
皆さん、モニターにはこだわっていますか?
プログラマーにとって、モニターは仕事道具の一つです。デバイスとしてはPC本体やキーボードが注目されがちで、モニターはそこまでこだわっているという話を聴きません(せいぜいFHD(1080p)か4K、縦置き横置き、枚数程度?)(あくまで僕個人の観測範囲内です)。
まぁ確かに、プログラムを書く上では文字が正しく表示出来れば十分なので、直接叩くキーボード等より優先度が下がるというのも理解出来ます。最近のモニターではゲーミング方面を推しているのでゲームやってない人は興味が出なかったり、単純に単価が高めだったりと色々モニターをこだわらない理由は考えられます。
しかし、モニター1枚で生産性が段違いに変わりうるという事を僕は主張したいです。
今回は特にウルトラワイドモニターについて、4年ほど使ってきた自分が解説していこうと思います。
ウルトラワイドモニターとは
ウルトラワイドモニターとは、超横長のモニターです。
一般的なモニターの解像度はFHD(1080p)や4K(2160p)と呼ばれているもので、横:縦=16:9の縦横比です。正方形のモニターと区別するために「ワイドモニター」とも呼ばれます。
ウルトラワイドモニターと呼ばれるのはそれ以上に縦横比が大きいモニターの事で、明確な基準は決まっていませんが一般的には縦横比が21:9以上の物を指します。
FHDの解像度の例としては、2560x1080の物があります。FHDのモニターを縦横比が21:9になるように横に広げた感じの物ですね。
ちなみにFHDや4Kほど標準化されていないので、「だいたい定番っぽい解像度」はありますがそれから外れてるモニターも多くあります。
この「定番っぽい解像度」は2560x1080や3440x1440あたりです。
ウルトラワイドモニターの利点
さて、ウルトラワイドモニターが超横長モニターという事は理解して貰えたと思います。
ここからが本題で、モニターが横長である事で(特にプログラマー)にとってどう嬉しいのか、という点を紹介していこうと思います。
1つのモニターで2ウインドウを表示出来る
FHDのモニターだと、1つのモニターにウインドウを横に2つ並べると縦長になり、横幅も手狭になります。WQHDや4K等のより高解像度なモニターでも、縦横比は同じなので同サイズのモニターならこれは変わらないでしょう。
これは、PC用ソフトやサイトが基本的にFHD等のワイドモニターを想定して設計されているためです。
ウルトラワイドモニターなら、物理的に横に長いため、横に2分割してもウインドウが横長になり手狭感を感じません。先に挙げた21:9の縦横比なら、分割すれば21:18の縦横比となります。だいぶ正方形ですが横長ではあり、私用していて横幅を手狭に感じる事は希です。
参考までに、僕のウルトラワイドモニター(3440x1440)で2ウインドウを表示している状態のスクリーンショットを貼っておきます。
最近はボーダレスのモニターが登場しているなど、複数モニター環境の快適さも上がっていますが、なんだかんだ1モニターで済めば便利な事が多いというのも実情です。
1枚で2画面表示出来る(同じモニター内ならWindowsの機能で簡単に左半分・右半分にウインドウを配置できる)というのは使ってみると中々便利です。
IDE/エディタでコードを分割表示出来る
プログラマーにウルトラワイドモニターを推したい理由はこれです。
開発中に特定のソースコードを見ながらプログラムを書きたいという状況は良くあると思います。IDEや高機能なエディタにはウインドウ内での分割表示機能が備わっているため、分割表示によりこの状況には対処出来ます。
しかし、一般的な16:9のモニターだと分割表示した際に横幅が狭くて1行を表示しきれない、という事はありませんか?
例えば、FHDのモニターにおいてIntelliJ IDEAで分割表示を行うとこうなります。
コーディングを行うには厳しい横幅ですね。
一応、左右のツールウインドウを閉じれば実用に耐えられる横幅にはなります。
しかし、これは開発における利便性とのトレードオフです。
一方、ウルトラワイドモニターで分割表示を行ってみます。
広い横幅を生かして、十分な表示領域を確保出来ました。
ツールウインドウを閉じれば3分割も実用範囲内です。
この「現実的な横幅でソースコードを2面表示出来る」というのは開発の上で非常に強力です。1度ハマってしまうとこれ無しでは生きていけません。
ここから更に縦に分割する事も出来るので、そうなれば4分割が可能です。実際、自分は左側でコーディングし右側を閲覧用に使っているため、右側を上下に分割して3面表示でコーディングを行う事がままあります。
フロントエンドやアプリ開発なら、プレビューの表示をより大きくしてもエディタ画面領域の圧迫しにくく、プレビューを見ながらのコーディングがよりやりやすくなるでしょう。
JetBrains IDEのような、画面表示の柔軟性が高いIDEだと「左右に色々置いてもエディタの邪魔にならない」というのは非常に大きいです。マジで。
上記2つを自由に使い分けられる
当たり前の事ですが、これらはどちらかでしか使えないという事ではなく、場面場面によって切り替えが可能です。
ブラウジングする時は2面表示し、IDEは1面で大きく利用する。そのような使い方がおすすめです。
ウルトラワイドモニターの欠点
- 大きい
- 高い
- 重い
- フルスクリーン表示のゲーム等が対応していないモノが多い
1つ目~3つ目までは横に伸ばしたトレードオフです。FHDモニターより4Kモニターが高いのと同じで、ウルトラワイドモニターはFHDモニターよりも高いです。縦の解像度は同じで横に伸ばしてるので当然大きくなり、当然その分重くなります。
なので問題は4つ目です。Factorio等、対応しているゲームは一部ありますが、特にFPSのゲームはウルトラワイドモニターに対応していません。また、ウルトラワイドモニターも用途として想定していないのでそういう類のゲーム向けにチューニングされていません(基本的には)。そのため、FPSなんかをよくプレイする人は要注意です。
ウルトラワイドモニターのおすすめの利用法
「メインモニターに16:9解像度の物を用意した上でのサブモニター」
これが最強のウルトラワイドモニターも利用法です。
ウルトラワイドモニターは非常に便利なモニターですが、世の中の一般的な縦横比は16:9であり、その縦横比に最適化されているソフトウェアは多くあります。また、実際に利用していてウルトラワイドモニターの半分よりも16:9が欲しい事はままあります。残念ながら、ウルトラワイドモニターだけで生活するのはまだ厳しいというのが現実です。
しかし、その問題は16:9解像度のモニターを横に置けば全て解決します。16:9とウルトラワイドモニター、その両方を利用する事で両方のメリットを甘受出来ます。
自分の利用法を例として書いておきます。
- メインモニターでゲーム。ウルトラワイドモニターにWiki(ブラウザ)とDiscordを同時表示。
- ウルトラワイドモニターで開発。メインモニターにブラウザでドキュメント表示や検索。
ウルトラワイドモニターがその広さ故にある程度の柔軟性を以て利用可能ですが、横に16:9のモニターを追加する事でその柔軟性は更に増します。
そして、この記事をごらんの皆様も今は16:9のモニターを利用しているでしょうから、ウルトラワイドモニターを買い足すだけでこの構成が完成します。一切の無駄がありません。
終わりに
ウルトラワイドモニターはマジで便利なので全プログラマーが使って欲しいです。
そして任意のIT企業は会社支給のモニターの選択肢にウルトラワイドモニターを加えて欲しいです。ウルトラワイドモニターがあるだけで生産性はマジで変わります。
ちなみにですが、個人的には曲面のウルトラワイドモニターがおすすめです。ウルトラワイドモニターは横に広い分、平面だと端の方は距離が遠くなり、視認性が悪くなります。曲面モニターならその問題は起こりません。
ウルトラワイドモニターに栄光あれ!
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