AWS歴1年未満で挑んだソリューションアーキテクト - アソシエイト合格体験記 【AWS-SAA】
2023年8月にAWSのソリューションアーキテクト - アソシエイト(以後SAA)の試験を受験し、合格することができましたので、その合格体験記を残しておきます。
SAAの概要はこちら
AWS認定の合格体験記はすでに多くの方が執筆しており語りつくされたネタのようにも思えますが、受験する人によって境遇は違うかと思うので、どこかにいるかもしれない自分と同じような境遇の人の役に立てることを祈って本記事を書いていきます。
自分の経歴
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大学時代にPythonを独学で習得し、講義や趣味で個人開発をやるようになる。
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当時AWSの存在は知ってたが特に使ったことはなし。
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就職活動時、データサイエンティストを志すも、新卒で入社した大手IT企業で何故か携帯電話の基地局を作ることになり、1年半で転職
- この時の転職活動の際にAWSを少し勉強し、自作のポートフォリオをEC2でデプロイした。AWSちょっとわかるアピールをしたかった。
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その後AI系ベンチャー企業に採用され、晴れてデータサイエンティストデビューを飾る。
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入社だいたい半年後、データ分析基盤開発の案件にアサインされ、業務として初めてAWSに触れ始める。
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(参考)SAA受験時に持っていた資格
- Pythonエンジニア認定 基礎試験 & データ分析試験
- 統計検定2級
- JDLA G検定
- JDLA E資格
- 普通自動車免許
受験に至るまでの経緯
大学時代からうっすらと興味のあったAWSですが、ついに業務として扱う機会に恵まれ、これを機に資格も取ってとことん詳しくなろうと思ったのが受験のきっかけです。
現職に就くまでの転職活動の際にも少しAWSの勉強をし、SAAを受験してアピールに繋げようと思ったこともありました。しかし、あまりの試験範囲の広さに「これは業務で毎日触りでもしないと無理やろ」となり断念していました。
ちなみにAWS認定にはいろんな資格があり、まず一番最初に受験の候補にあがるのがクラウドプラクティショナー(以後CP)かと思います。
ただ、SAAの試験範囲はCPも包括しているのでSAAの勉強をしていればCPも自然に合格できるようになるだろうと判断し、今回は効率を重視しSAA合格を目標に定めることにしました。
ざっくり勉強スケジュール
- 2023年4月23日 8月末までの合格を目指し受験を決意&教材を購入
- 2023年5月~ 6月 平日のうち3日くらい1~2時間、予定のない休日3~4時間ペースで勉強
- 2023年7月~ 8月 平日毎日1~2時間、予定のない休日5~6時間ペースで勉強
- 2023年8月31日 受験&合格
水曜と金曜以外の週5でジムに通っているので、6月までの平日はジムに行かない日もしくは行くのが遅い日に1~2時間ほど勉強に割いていました。
7月と8月は試験直前ということもあり、ジムがある日もその後にカフェや深夜まで営業している地元のファミレスなどで勉強していました。ファミレスは席が広く客層も落ち着いていて、かなり勉強に向いている空間です。新型コロナが落ち着き、深夜営業が復活しつつあるのは大変喜ばしいです。
「予定のない休日」はだいたい2週間に1回のペースで訪れる感じです。夏なので海に旅行に行ったりBBQしたりもしました。計画次第で楽しいこととも全然両立できます。
使った教材
SAAは受験者も多く、書籍や問題集も幅広く出版されているので勉強の選択肢が非常に充実している資格です。
そんな多様な選択肢の中で自分が選んだのはUdemyで展開されている「【SAA-C03版】これだけでOK! AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト試験突破講座」のコースです。
こちらの講座を選んだ理由は下記のとおりです。
- 実際のAWSサービスに触れながら行う、いわゆるハンズオン形式で学べる点。
- 試験特化ではなく、今後AWSを業務で使っていくことも視野に入れて作られた講座である点(受講前でこれを判断するのは難しいですが、レビューに同様のことを書いている人がいたのでそれを信じました。結果正しかったです。)。
- 「これだけでOK!」と掲げている通り、インプット内容として試験範囲はこの講座のみで完結しており、教材を複数買わずに済む点。ただ試験向けの演習材料として問題集だけは後ほど追加で購入しました。
- 最新のAWSのサービス状況に合わせて講座の内容もアップデートされ続けている点。
- 価格が安い点。このボリュームで定価2400円は破格だと思っています。最初安すぎて不安になりました。セール対象のコースなのでもっと安く買えるタイミングもあります。
実際に勉強を進める中でもっとも恩恵を感じたのは、4つ目の講座の内容がアップデートされ続けている点です。
AWSはUIのアップデートが非常に盛んであり、書籍などで図説されている内容が現在のAWSの画面とは全く別物になってしまっているというケースも珍しくありません。
今回お世話になったコースでは、若干の差異はあるものの概ね最新のUIでハンズオンが取り組める状況になっており、そこが原因で作業が進まなくなるということは全くありませんでした。
これはAWSという変幻自在なサービスを学習するうえであまりにも大きすぎる恩恵です。
こんな上質な教材をたった2400円で受講させてくれた製作者様への感謝も込めて、本記事ではこちらのコースを強く勧めさせていただきます。
勉強の進め方
コースに収録されている動画は主に2種類に分けられ、1つは座学編。もう1つはハンズオン編です。それぞれの学習の仕方に分けて書いていきます。
座学編
その名の通り、座学編の動画ではその単元で学ぶAWSサービスの概要についてスライドを見ながら解説をひたすら聞いていく形になります。
ただ動画を見ているだけでは集中力が持たなかったり眠くなってしまったりするので、とりあえず画面に表示されているスライドの内容をGoogleドキュメントにひたすら書き写していました。
。動画は1.5倍で見ても問題なかったです。2倍だと少し早く感じました。
図説も豊富なので時間がある人はノートやペンで手書きでやってみてもいいと思います。
とにかく試験範囲が広く膨大なので、ここでは無理に覚えようとせずに「はぇ~そうなんだ」と納得することだけに留めていました。
覚える作業は一通りインプットが済んだ後の問題演習の時にやる予定です。
ハンズオン編
ハンズオン編では、動画内で実際に講師の方が行うAWSの操作を、見よう見まねで手元でも実施してみる形で進めました。
ここではあまりメモは取ったりはしませんでした。
この作業の目的は何か?なぜこの設定をする必要がある?などを意識し、それ以外はただ本当に動画の中で行われている作業を手元で再現することに集中していました。
AWSのアカウントは個人で取得したものを利用します。
コースで実施する内容は基本AWSの無料利用枠の範囲に収まりますが、稀に料金が発生する作業を行うパートがあります。その場合は講師の方が事前に説明してくれるので、聞き逃さないようにしてください。
万一無料利用枠をできない場合にはそこそこの料金がかかることが見込まれるので、個人的にはこのコースのためにもう1つアカウントを作り直すことをお勧めします。
テストに向けて
47時間強あるコースを一通り視聴し終えてからは問題演習を繰り返し、アウトプットの練習と覚えきれていない範囲の復習を徹底していきます。
コースには、それぞれの単元ごとに用意されている小テストと本番形式で臨める模擬テスト2回分が演習問題として収録されています。小テストは本番よりかなり易しめで、模擬テストは本番と同程度という肌感覚でした。
模擬テスト2回分は3周ほど繰り返すことで、その範囲の知識を定着させることができました。ただ2回分のテストではSAAの試験範囲の網羅とまでは到底いかず、体感6~7割かなという印象です。
また個人的に、試験当日に問題を解くにあたって最も自信につながるのは、自ら問題を解いて正解をしたという経験に他ならないと思っています。
そんな理由でさらなる問題演習に取り組む必要があると思ったので、追加で問題集を購入することしました。
そこで、今回教材として購入したコースと同じ製作者様が作成されたこちらの「【SAA-C03版】AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集(6回分390問)」を購入しました。
簡単に言うと、最初に買ったコースで2回分収録されていた模擬試験が6回分収録されているコースです。難易度もほとんど同じです。
こちらのコースもこれまで同様に知識定着とアウトプット練習を目的として演習に取り組みました。
6回分の試験が収録されていますが、後半3回分の試験をやる頃にはかなりスラスラ解けるようになり、復習したい範囲もかなり減っていました。
目的としていた本番に向けた盤石な自信は確実につけることができたと思います。
試験当日
試験前
2023年8月31日に秋葉原の試験センターにて受験しました。前にE資格の受験で使ったセンターと同じ場所で、縁起が良いという理由でここにしました。
試験開催媒体はPearsonVUEという外資系企業で、この企業が開催する受験ができる会場であればどこでもの試験センターでも受験できます。
試験会場で本人照合する際には身分証明書が2種類必要になります。自分は運転免許証とマイナンバーカードを持参しました。
試験本番
試験の制限時間は130分で問題数は65問。1問あたり2分ちょいで解かなきゃいけないペースです。
AWSの認定試験はシチュエーションや要件などが細かく説明される分、問題文がやや長文なりがちなことで知られます。
ここで重視されるのはコストかセキュリティか?達成したい目的は何か?あげられているサービスに対し的外れなことを言っている選択肢は?などが汲み取れれば思ったより早く解けるようになります。
例でいうと、リレーショナルデータベース(以下RDS)を使うことが要件であげられているのに、DynamoDBを採用している選択肢があったら即切りできます。尚世の中にはNoSQLでRDSっぽい管理する手法も存在していますが、SAAの試験でそこまで出題されることはありません。
ここらへんの肌感覚は模擬試験の演習を通して磨いていくと良いと思います。
自分は90分くらいですべての問題に目を通し回答を埋めることができました。
残りの40分で「あとで見直す」ボタンでチェックをつけた箇所を中心に振り返ります。問題が長文な分、文中に見落としていた条件があることが多く、かなりの数の回答を修正した記憶があります。
また、一見わからない問題も時間をかけて消去法で考えたら意外と回答を絞れるというケースもあったので、不安要素のある問題はバンバン「あとで見直す」ボタンでチェックをつけていくと良いと思います。
「あとで見直す」チェックをした問題プラスアルファでそれ以外の問題のケアレスミスチェックを少ししたところで試験が終わりました。
試験後
試験が終わった後、同じパソコンで15問ほどのアンケートを答える画面に切り替わります。
その回答が終わった後に試験結果が出ると思っていたので、ドキドキしながらアンケートに回答していましたが、特に合否っぽい情報は表示されないまま「お疲れ様でした」画面になりました。
少し調べたところ、身分照合や不正チェックのために試験終了後から合否通知までは少しタイムラグがあるようで、最大5営業日かかる場合もあるようです。
自分はその日の夜にジムで筋トレをしている最中にメールが届きました。
急に画面に「Congratulations!」と出てきて驚きましたが、すぐにすべてを察しました。
会社の評価に載せるために8月中に取得したかったので嬉しかったです。
後日譚と総括
業務でAWSを使っている真っ只中というだけあって、今回の資格はこれまで取得したものの中でもトップレベルで業務への影響が大きいと感じています。
特に最近は要件定義を行うことが多く、どの場面でどのサービスを使うかというまさにSAAの学習過程で育まれた視点は、業務に直結していると言っても過言ではありません。
また、周囲のエンジニアもクライアントさんもAWSの知識に精通している人が非常に多く、SAA程度の知識は持っていて当然、という体で話が進んでいるような感覚もあり、逆に今回の資格を取らずに今までよく業務できていたなと感じるほどでもあります。
冒頭でも話した通り、AWS認定試験にはいろんな種類があり、同じソリューションアーキテクトの上位レベルのソリューションアーキテクト・プロフェッショナル、通称SAPと言われるものや、同じアソシエイトレベルでも開発目線の問題が出されるデペロッパー・アソシエイト、運用目線のSys-Opsアソシエイトなど、専門知識の試験を除くと全6種類あります。
全6種類の試験を取ることをAWS6冠などとも言われたりしていますが、自分は次はSys-Opsアソシエイトを受験し、ひとまずアソシエイト3冠を目指そうと思っています。
拙い文章ではありましたが、ここまで読んでいただきありがとうございます。
今回の記事がAWS学習をされる方に何らかの形でお役に立てれば幸いです。
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