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皆もMicrosoft Storeでソフトを公開しよう!メリットとか誤解とかの説明!

2023/04/23に公開

どうも、一週間ほど前に、「AuText」をリリースした「ぷらむらいす」です。
https://zenn.dev/test_myname/articles/5742cff0a18df5

本日の話

Microsoft Storeで、「AuText」というWindows10やWindows11向けのアプリをリリースしたのだけども、よくある誤解やMicrosoft Storeで公開するメリット/デメリットを紹介します。

  • よくある誤解
  • Microsoft Storeで公開するメリット
  • Microsoft Storeで公開するデメリット

Microsoft Storeって、マイクロソフトが出しているWSLや有名どころのPythonやiTunesなどと言った所は、出しているけど、ちょっとした企業さんや個人が開発したソフト(特に日本)は、かなりの確率で出してないことが多いです。
私としては、WSLやiTunesを使用してた経験からMicrosoft Storeって結構便利じゃない…?とか思ったです。なので、ぜひ自分も出来るならしてみたいなぁと思っていました。

で、ソフトを実際に出してみて、気づいたことを書き残して置きます。

その前に…参考になる資料

https://zenn.dev/shwld/articles/7e927dd3f9b5e3
私は、こちらの記事見て、作業はしてませんが、C#のWinUI3やUWPのようにVisual Studioで開発してない場合は、こちらを見た方もいいかと思います。

1.よくある誤解

Microsoft Storeに公開するためには、署名証明書が必要である

これは、間違いです。
私も、リリース分のところまで開発し終わって、公開じゃ!となったときに、手続きの最初は「もしかして…」とちょっと冷や汗かきましたが、間違いでした。
WinUI3やUWPでは、Microsoft Store以外でリリースするため時は、必須です。
しかし、逆に言うとMicrosoft Storeならば要りません

また、WinUI3やUWP以外のWPFやその他様々な環境で開発されたexeアプリであっても、Microsoft Storeで公開するときに署名証明書は必要ありません。

Visual Studioで開発した場合のMicrosoft Store用の設定・ビルドの仕方は、こちら
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/msix/package/packaging-uwp-apps#generate-an-app-package-upload-file-for-store-submission

Microsoft Storeは、UWPやWinUIで開発されたアプリしか公開できない

これも、間違いです。
「その前に…参考になる資料」で、1つ資料を挙げましたが、こちらは、UWPやWinUI以外の環境で開発して、その時のやり方を紹介しています。

難解な登録方法・審査は厳しい

登録方法

登録方法は、単純に「性的や暴力的か?」とか「情報収集する場合は何をするか書け」「アプリ説明を言語別に書け」というある意味当然の事を聞かれるだけで、難しくはないです。
むしろ、「情報収集する場合は何をするか書け」とか書かない方が怖いというか、下手するとSNSで炎上する要素にもなりかねないので、ある方が助かります。

あと、私としては、TwitterのAPI申請の方が、難しいです。Twitterは、「このAPIの利用目的」などの説明も記入も全部英語だし…

審査

正常に動作するのかなどのMicrosoftの判断が入りますが、少なくとも、適切にバグ取りして適切に説明してあれば、何事もなく通ります。
というか、初回動作するか否かの状態で、バグあるのに、リリースするとかちょっと何言っているか分からない。

2.Microsoft Storeで公開するメリット

自動アップデートでユーザーに提供できる

私は、個人的な要件でboothに載せてあるソフトをユーザーとして使うことがありますが、ハッキリ言って、バージョンアップが面倒です。
私は、一部の方に限っては開発者のTwitterを見ているので、いつバージョンアップしたのか分かりますが、見てなければ、バージョンアップを知ることは出来ません。
また、バージョンアップの情報を、ユーザーに知らせるためにはソフトの仕組みに組み込むのもありですが…そういう手間をかけるなら、勝手にストア機能で回してくれた方が、効率的でユーザーが分かりやすいかと思います。

組織さんにも簡単に提供できる

私のは、まだ組織の方からの購入はありませんが、ボリューム購入を設定することが出来ます。
わざわざホームページに、「ボリューム購入につきましては、お問い合わせください」なんて書く必要はありません。

また、オフラインライセンスにも対応しているため、「このソフトは基本的に全てオフラインで出来るのに…」という場合でも、安心して提供できます。

開発者が、ダウンロード・クラッシュなどの状況が知ることができる

はい。クラッシュした情報が知る事が出来ます。
ちなみにAuTextは、かなり確立でクラッシュやフリーズが起きているみたいです。怖いぃぃいいひぇぇぇー!
なお、ちゃんと「クラッシュ」「フリーズ(ハングアップ)」「メモリエラー」という項目があります。

プライバシーポリシー・動作環境を明確に表示できる

ユーザー目線的な話になりますが、ストアなので、全てのアプリにおいて、統一された表記をしてくれます。
なので、プライバシーポリシーや動作環境が明確に表示してくれます。

サブスクリプションやアドオンが簡単に提供できる

私は、まだサブスクリプションやアドオンの販売をしてませんが、自前で1から構築するよりは簡単です。
この方法しか出来ないっ!ということはなく、多様な方式を導入することが出来ます。
下の画像は、「Microsoftパートナーセンター」という開発者が見ることが出来る画面の「新しいアドレスの作成」というページです。
Microsoftパートナーセンターのアドオン作成画面の一部

日本語で、Microsoft Storeへの登録作業が出来る

メールは、英語になってたりしますが、基本的には、自分の言語に変更して表示できます。
また、面倒だったので、適当に日本語でMicrosoftへのメッセージを書いたのですが、ごく普通に何事もなかったかのように対応してくださいました。
これはマジでビックリしました。申請系のものは、ほぼ英語で書けと言われるので…ありがとうございます。

ソフトの公開の前に、3段階で状態調査をしてくれる

これ、割と助かると思います。特に自動調査機能には、凄く助かりました。
ソフトの状態調査は、3段階あると書きましたが、下記の通りになっています。

  1. ソフトのビルド時後に、開発者のパソコン内で、自動でソフトの検証を行ってくれる
  2. ソフトをアップロードすると、ソフト内に設定されているアイコンなどの自動調査をしてくれる
  3. ソフトについて全ての情報を設定後、申請を掛けるが、その審査時に、多分人の手で、調査してくれている

1番と3番目については、私はリジェクトありませんでしたが、2番目では6回ぐらいリジェクト食らいました。
ですが、逆に言うと、ユーザーに変な状態で提供する前に、止めてくれたとも言います。
また、ソフトの説明文を書く時に、ソフトがパソコンの特定の権限を使うような場合は、「なぜその権限が必要なのですか?」という欄があります。
これのお陰で、ユーザーは、安心して利用できるようになるのだと…思いました。

世界を相手に配布できる

日本で良く配布するために使用されるのが、boothや自前配布サイト、Steam、Vectorなどがありますが、今挙げたものの内、世界を一括で相手に出来るサービスは、Steamしかありません。

Microsoft Storeは、Windowsに標準搭載されているものなので、入り口としては入りやすいとは思います。
今回のAuTextは、英語と日本語に対応しています。ダウンロードの総数が少ないので、アレですが、1週間ほどでマレーシアやポーランド、ニュージーランド、イギリスからインストールがありました。(わぁお世界)
あと数日で、日本からのインストールより、海外からのインストールの方が上回りそうな感じです。
どの開発環境でも、多言語対応はさほど難しくはないので、最低限、英語も対応して置いた方がいいかもしれません。

ちなみに、Twitterやホームページでは、英語ではこのソフトについて説明してないので、海外の方は、Microsoft Store経由だけから来たことになります。

また、インストールのタイミングについてですが、日本は、最初の2日間ぐらいしかインストールなかったのですが、海外は、地道に1日数件来ています。
海外(特に英語圏)の方が市場が大きいのは当然のことですが、英語圏を見捨ているのは、かなり勿体ないなぁと思ってしまいました。

追記(2023/5/12)

AuTextのリリースから一ヵ月近く経ちました。
ダウンロード総数は、50を超えました。日本は、40%ほどしかなく、残りの60%は海外からです。
海外については、「アメリカだけ」という訳ではなく、前述したように非常に多様な国々からありました。 1日にインストールされる数は、最近は3件、4件と増えて来ています。
Microsoft Storeのグローバルな販路の幅広さをとても感じました。

3.Microsoft Storeで公開するデメリット

ホームページが、必要

github pagesに載せられるような静的サイトで良いので、ホームページを持っている必要があります。
理由ですが、「プライバシーポリシー」について載せる欄があるからです。
(※ ソフトの権限次第では、プライバシーポリシーページは不要なこともあります)

と言っても、さっき言ったように、こういう用途の場合は、別にwordpressのような大きなものでなくてもよいので、Jekyllとかでパパっと必須事項だけ作っておけば大丈夫です。
なので、必要なサーバースペックは超最低限で済みます。

さくらインターネットのようなレンタルサーバーで静的サイトを動かすなら、カタログの最低スペックの「ライト」プランで大丈夫です。(2023年4月21日現在、月額128円)

開発者登録でお金が必要

私の場合、個人開発なので、1回の支払いだけで済みます。
料金も安く、2023年4月21日現在で、1,847円です。

アドオンなどの販売に手数料を取られる

まぁ、ストアなので、手数料はそりゃ取られますよね。税金だと思って諦めましょう。
ちなみにStreamは30%で、Microsoft Storeは12%だそうです。お安いっ!
なお、AppleとGooglePlayストアは15%
(※ appleについては中小事業主向けのみ。大きいなところだと30%)

Windowsソフト限定

これは、Microsoftなので、しょうがないですね。
AuTextの場合は、Windows限定機能が入ってたので、Microsoft Storeだけの配布で十分だと判断しました。

オワリ!

以上、Microsoft Storeの紹介でした。
皆も、ぜひMicrosoft Storeでソフト公開してみよう!

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