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組織開発〜「個人の足し算」から「でこぼこを補う」へ〜

2024/08/04に公開

はじめに

0.1. 自己紹介

私は、東京大学松尾研究室発AI企業のVPoE、IT×教育企業のCEOとして組織開発に携わっています。
前者の企業では、人とAIが協働する社会を目指し、まずは数年内に日本一のAIカンパニーを目指しています。
後者の企業では、「不十分で十分な」コミュニティの構築・運営に携わっています。そのコミュニティは、理想と現実の中間世界で、人は「そのまま」な関係でつながります。心と体と技に関して、心ではマインドフルネス実践など、体では食育など、技ではAI活用(生成AI活用やG検定対策)などについて共に育みます。

0.2. 本記事の概要

本記事は以下の内容で構成されています。

  1. 組織とは?組織開発とは?
    「組織」や「組織開発」という用語について共通認識を合わせます。
  2. チームトポロジー
    1章で取り上げた「チームトポロジー」について詳しく説明します。
  3. 組織の生産性の最大化
    企業が求める「企業やチームの組織としての生産性の最大化」について取り上げます。
  4. でこぼこ組織
    チーム内の個人の能力を測定したり伸ばすことだけでなく、チーム全体での生産性の最大化に注力することの重要性を記します。
  5. でこぼこ組織開発(スケッチ)
    「でこぼこ組織」と名付けた組織の大切さを説明します。
  6. おわりに
    チーム全体で見れば最適な組織を目指します。
    「個人の集まり」の視点だけでなく「でこぼこを補う」組織について記します。

0.3. 注意

  • 本記事の内容はあくまで私個人の見解であり、所属する企業の見解ではありません。

1. 組織とは?組織開発とは?

1.1. 組織とは(簡潔にいうと)

  • 組織とは、共通の目標を達成するために協力し合う人々の集団です。

1.2. 組織とは(詳細にいうと)

  • 組織とは、共通の目的や目標を持つ複数の人々が、その目標を達成するために相互に協力し合う仕組みを指します。組織は、明確な目標設定、役割分担、コミュニケーションの仕組み、評価やフィードバックの体制を持つことが一般的です。これにより、個々のメンバーが持つスキルや知識を最大限に活用し、組織全体として効率的に目標を達成することが可能になります。組織は、企業や非営利団体、政府機関、教育機関などさまざまな形態で存在し、それぞれの目的に応じた構造や運営方法を採用しています。

1.3. 代表的な組織の分類

組織の分類 定義 説明 提案時期 特徴1 特徴2 特徴3 具体例(企業) メリット デメリット
学習する組織 継続的な学びと成長を促進する組織。 メンバーが自主的に学び合い、知識を共有することを重視する。 1990年代 自己反省とフィードバックの文化。 知識の共有と継続的な学習。 柔軟な組織構造。 トヨタ自動車、GE、グーグル。 イノベーションの促進、適応力の向上。 学習文化の構築に時間がかかる。
ティール組織 自律性と全体性を重視する進化型組織。 自律的なチームが自己管理し、目的に基づいて行動する組織。 2010年代 自己管理。 目的重視。 全体性。 ビュートゾルフ、ホライズン、ジンガー。 柔軟性の向上、従業員のエンゲージメント向上。 自律性のバランスが難しい。
ビジョナリーカンパニー 長期的なビジョンと目的を持つ企業。 明確なビジョンと目的を持ち、それに基づいて戦略を立てる。 1990年代 長期的視点。 強い企業文化。 継続的な改善。 IBM、3M、ディズニー。 長期的な成功、強い企業文化。 短期的な柔軟性の欠如。
デリバリング・ハピネス 従業員と顧客の幸福を重視する企業文化。 従業員の幸福を最優先にし、その結果として顧客の幸福を追求する。 2000年代 従業員の幸福。 顧客満足。 強い企業文化。 ザッポス、サウスウェスト航空、ペタゴニア。 高い従業員満足度、顧客ロイヤリティの向上。 コストがかかる可能性。
心理学的経営(リクルート) 心理学の知見を活用した経営手法。 従業員の心理的要因を考慮し、モチベーションを高める経営手法。 2010年代 モチベーション管理。 フィードバックの活用。 ストレス管理。 リクルート、サイバーエージェント、ユニリーバ。 高い従業員モチベーション、健康な職場環境。 専門知識の必要性。
ワイズカンパニー 社会的責任を重視する企業。 社会に対する責任を果たし、持続可能なビジネスを追求する。 2000年代 社会的責任。 持続可能性。 長期的視点。 ユニリーバ、パタゴニア、ベン&ジェリーズ。 ブランド価値の向上、長期的な信頼。 短期的な利益の減少。
チームトポロジー チームの構造と相互作用を重視する手法。 チームの構成とその相互作用を最適化することで、生産性を最大化するための手法。 2010年代 明確な役割分担。 効果的なコミュニケーション。 柔軟な組織構造。 Spotify、Netflix、Amazon。 効率的なプロジェクト運営、迅速な意思決定。 組織変更のコスト。

1.4. 組織開発とは?

  • 組織開発とは、組織全体の有効性と健全性を向上させるための計画的な取り組みです。組織の構造、プロセス、人材、および文化を改善し、組織全体のパフォーマンスを最適化することを目的とします。

  • 組織開発の5W1H

項目 タイトル 内容
Why ビジョン 組織の全体的な効率性と健全性を向上させること。
Who 実践者 人事部門の専門家、外部コンサルタント、経営陣。
When 時期 組織が変革を必要とする時期、例えば、急速な成長期や大規模な変革期。
Where 環境や場所 企業内外を問わず、組織全体に影響を与える環境や場所。
What 人と人との関係性 組織内の人間関係の改善を通じて、協力体制を強化。
What チームとチームの関係 チーム間のコミュニケーションと協力を促進し、部門間のシナジーを最大化。
What 組織構造 組織構造を再設計し、効率的な運営を可能にする。
How プロセス(計画、実施、評価) 計画段階、実施段階、評価段階のプロセスを通じて行われる。
How 戦略 リーダーシップの強化、コミュニケーションの改善、トレーニングプログラムの実施など。

2. チームトポロジー

2.1. チームトポロジーとは?

チームトポロジーとは?

  • チームトポロジーとは、組織内のチームの構造と相互作用を最適化することで、全体の生産性を最大化するための手法です。

チームトポロジーを取り入れる企業

  • Spotify
    • スクワッドとトライブという小規模な自律的チーム構造を採用し、迅速な製品開発とイノベーションを実現。
  • Netflix
    • 小規模で自律的なチームが独自に意思決定を行い、柔軟かつ迅速な運営を可能に。
  • Amazon
    • "Two Pizza Teams" 概念を導入し、小規模なチームで迅速な意思決定と高い機動力を持つ。

2.2. チームトポロジーの4つのチームと3つの相互作用

チームトポロジーの4つのチーム

  • Stream-aligned Team
    • 直接的な価値提供を行うチーム。
  • Enabling Team
    • 他のチームを支援し、能力向上を図るチーム。
  • Complicated Subsystem Team
    • 特定の複雑な問題を解決するチーム。
  • Platform Team
    • 共通のインフラストラクチャを提供するチーム。

チームトポロジーの3つの相互作用

  • Collaboration
    • チーム同士が密接に協力し合う。
  • Facilitation
    • チームの活動をサポートし、効率化する。
  • Service
    • サービスを提供し、他のチームの活動を支援する。

4つのチームと3つの相互作用の関係

チーム Collaboration Facilitation Service
Stream-aligned Team
Enabling Team
Complicated Subsystem Team
Platform Team
  • ⚪️は相性がよい、△は相性はそれほどよくない

2.3. 背景〜コンウェイの法則と逆コンウェイ戦略〜

コンウェイの法則とは?

  • コンウェイの法則とは、「組織が設計するシステムは、その組織のコミュニケーション構造を反映する」という法則です。

コンウェイの法則の例

  • 例えば、大規模な企業で複数の部門が連携する際、各部門のコミュニケーションの取り方がそのままシステムのモジュール構造に反映される。

逆コンウェイ戦略とは?

  • 逆コンウェイ戦略とは、望ましいシステムアーキテクチャを達成するために、組織構造を再設計するアプローチです。

逆コンウェイ戦略の例

  • 例えば、Netflixでは、独立した小規模チームに責任を持たせることで、柔軟でスケーラブルなシステムアーキテクチャを実現している。

チームトポロジーにおけるコンウェイの法則と逆コンウェイ戦略

  • チームトポロジーは、コンウェイの法則を基に、組織のコミュニケーション構造がシステムアーキテクチャに与える影響を考慮しています。これにより、組織内のチームの構造とその相互作用を最適化し、効率的なシステム設計を目指します。また、逆コンウェイ戦略を活用することで、望ましいシステムアーキテクチャを実現するために、組織の構造を意図的に再設計することができます。
  • 例えば、Netflixのように小規模で自律的なチームに責任を持たせることで、柔軟でスケーラブルなシステムを構築することが可能となります。
  • このように、チームトポロジーは、コンウェイの法則と逆コンウェイ戦略を組み合わせることで、組織全体の生産性と効率を最大化する手法です。

2.4. チームトポロジーの魅力(チーム自体とチーム間の関係に着目)

  • チームトポロジーの魅力は、各チームが明確な役割を持ち、効果的に連携できる点にあります。
  • Stream-aligned Teamは直接的な価値提供を行い、Enabling Teamは他のチームを支援し、Complicated Subsystem Teamは特定の複雑な問題を解決し、Platform Teamは共通のインフラストラクチャを提供します。これにより、各チームが専門的な能力を最大限に発揮しながら、全体として効率的に運営されるのです。

3. 組織の生産性の最大化

3.1. 組織の生産性とは?

組織の生産性とは?

  • 組織の生産性とは、組織が持つリソース(人材、資金、時間など)を活用して、目標を達成する効率と効果のことを指します。

組織の生産性の例

  • 製造業
    • 効率的な生産ラインと品質管理により、少ないコストで高品質な製品を大量生産すること。
  • サービス業
    • 顧客満足度を高めるためのトレーニングとプロセス改善により、リピート顧客を増やすこと。
  • IT企業
    • アジャイル開発手法を採用し、迅速なソフトウェアリリースと市場のニーズに対応すること。

3.2. 組織の生産性を最大化するとは?

組織における「生産性の最大化」とは?

  • 組織の生産性の最大化とは、リソースの最適な配置と運用により、組織全体の目標を最も効率的かつ効果的に達成することを意味します。

組織の生産性の最大化の例

  • プロジェクト管理
    • プロジェクトのスコープ、タイムライン、リソースを最適化することで、時間とコストの無駄を削減する。
  • 業務プロセスの自動化
    • ルーティン作業を自動化することで、従業員がより高付加価値な業務に集中できるようにする。
  • データ分析
    • データを活用して、業務プロセスのボトルネックを特定し、改善策を講じる。

3.3. 組織の生産性をどう測るか?

組織の生産性を測る基準の例

  • ROI(投資利益率)
    • 投資に対する利益の割合を測る指標。
    • 【例】新製品開発に投入した資金に対する収益。
  • KPI(重要業績評価指標)
    • 目標達成度を測る具体的な指標。
    • 【例】月間売上高、顧客満足度スコア。
  • 労働生産性
    • 労働者一人当たりの生産量を測る指標。
    • 【例】従業員一人当たりの売上高。

組織の生産性の基準を測る方法の例

  • 定期的なパフォーマンスレビュー
    • 従業員の業績を定期的に評価し、フィードバックを提供する。
  • 業務プロセスのモニタリング
    • 作業の進捗状況やプロセスの効率をリアルタイムで監視する。
  • 顧客フィードバックの収集
    • 顧客満足度調査やフィードバックを収集し、サービス改善に役立てる。

4. でこぼこ組織

4.1. 能力主義とは?

能力主義とは?

  • 能力主義とは、個人の能力や成果に基づいて評価や報酬を決定する考え方です。これは、個人の知識やスキル、業績に応じて公正に評価されることを重視し、組織の成長や個人のモチベーション向上に寄与するものとされています。

能力主義の例

  • 日本の義務教育での定期テスト
    • 生徒の学力を評価し、進学や奨学金の対象とする。
  • 企業の人事評価制度
    • 従業員の業績やスキルに基づいて昇進やボーナスを決定する。
  • スポーツの競技大会
    • 選手のパフォーマンスに基づいて順位や賞を決定する。

4.2. 社会における能力主義の限界

  • 企業での生産性
    • 組織の生産性は個人の能力だけでは測れません。チーム全体の協力が必要です。個々の能力だけに依存する評価は、組織全体のパフォーマンス向上には必ずしも結びつきません。
  • 教育の不平等
    • 教育環境や家庭の経済状況が個人の能力評価に影響を与えるため、能力主義だけでは公平な評価が難しい場合があります。
  • 心理的ストレス
    • 能力主義による過度なプレッシャーが心理的な健康に悪影響を与えることがあり、モチベーションや生産性の低下を招く可能性があります。

4.3. 組織の生産性は「個人の足し算」で測れない

  • 組織内で個々の能力が独立して存在するわけではなく、相互作用を持つため、個人の能力を単純に合算するだけでは組織全体の生産性を正確に測定することは困難です。
  • 組織の生産性は、メンバー間の協力やチームワーク、相互作用によって生み出されるため、個人の能力を超えた要素が重要となります。
  • 例えば、チームの一体感やコミュニケーションの質が組織全体の成果に大きな影響を与えることが多々あります。

4.4. 組織の生産性は「でこぼこの補いあい」でも生まれる

  • 組織の生産性を最大化するためには、個人の能力の最大化に固執するのではなく、個人同士の関係性と補完関係を重視することが必要です。
  • メンバーが互いの強みを活かし、弱みを補い合うことで、組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。
  • 例えば、チームメンバーが互いに協力し合い、異なるスキルセットを持つことで、複雑な問題にも柔軟に対応できるようになります。組織全体で協力し、相互に補完し合うことで、生産性の向上を実現することが可能です。

4.5. でこぼこ組織とは?

  • でこぼこ組織とは、個々のメンバーの強みと弱みを相互に補完し合うことで、チーム全体としての生産性を最大化する組織形態を指します。
  • この組織では、メンバー間の多様性と相互作用を重視し、一人ひとりの能力を最大限に引き出しながら、全体として最適な成果を上げることを目指します。

4.6. でこぼこ組織の例

  • Google
    • Googleは、異なる専門知識やバックグラウンドを持つ多様なチームメンバーが協力し合うことで、革新的な製品やサービスを生み出しています。例えば、エンジニア、デザイナー、マーケティング専門家が一体となってプロジェクトに取り組むことで、各分野の強みを活かし、全体の成果を高めています。
  • IDEO
    • デザイン会社のIDEOは、多様なスキルセットを持つメンバーがチームを組み、ユーザー中心のデザイン思考を実践しています。各メンバーが持つ独自の視点と能力を活かし、斬新なアイデアや解決策を創出することができます。
  • Airbnb
    • Airbnbは、異なる文化的背景や専門知識を持つチームメンバーが連携することで、ユーザーエクスペリエンスを向上させています。これにより、多様な視点から問題を捉え、グローバルな市場に対応したサービスを提供しています。

5. でこぼこ組織開発スケッチ

5.1. でこぼこ(不完全)を受け入れる

  • チーム内でメンバーの個々の強みと弱みを認識し、互いに補い合うことが重要です。不完全であることを受け入れ、それを前提に協力して目標を達成することで、チーム全体のパフォーマンスを向上させることができます。

  • 例えば、コミュニケーションが得意なメンバーが情報共有を促進し、技術的なスキルに優れたメンバーが具体的な作業を担当することで、チーム全体の効率が向上します。

  • チーム全体で協力し、個々のメンバーの強みを活かしながら、弱みを補完し合うことで、生産性を最大化することができます。メンバー間の信頼と協力関係を築き、共通の目標に向かって努力することが重要です。

5.2. 不完全を受け入れる環境

  • メンバーが自由に意見を述べ、アイデアを共有できる非構造的なコミュニケーション環境を整えることが重要です。これにより、創造性が促進され、チーム全体の柔軟性と適応力が向上します。
  • 例えば、定期的なブレインストーミングセッションや、リラックスした雰囲気でのディスカッションを取り入れることで、メンバーが自由に意見を交換できる環境を作ることができます。

5.3. 生への態度を気軽に話せる仕組み

  • 定期的な1on1ミーティングを通じて、メンバーが自身のキャリアパスや目標について自由に話せる場を提供することが重要です。これにより、メンバーのモチベーションが向上し、長期的な成長が促進されます。

  • 1on1ミーティングは、進捗確認や短期目標の話し合いにとどまらず、メンバーの個人的な成長やキャリアパスについても話し合う場とすることが望ましいです。これにより、メンバーの個々のニーズや希望を理解し、適切なサポートを提供することができます。

5.4. 能力主義に陥らない

  • 個人の能力を過度に測定することは、メンバーのモチベーションやチームの一体感に悪影響を与える可能性があります。給与決定や評価においては、個人の能力だけでなく、チーム全体の貢献や協力も考慮することが重要です。

5.5. でこぼこで、クリエイティブ!?

  • ある研究によれば、不完全な環境や多様性が存在する組織では、創造性が促進されることが示されています。
  • 例えば、異なるバックグラウンドを持つメンバーが集まり、異なる視点から問題を考えることで、新しいアイデアや解決策が生まれやすくなります。これにより、組織全体のイノベーションが促進されます。

5.6. 対話型組織開発における社会構成主義

  • 社会構成主義とは、社会的な相互作用や対話を通じて現実や知識が構築されるという考え方です。

  • 対話型組織開発では、この考え方を基に、組織内のメンバー間の対話を促進し、共通の理解や価値観を形成することを目指します。

  • 対話型組織開発における具体的な取り組み例として、以下の3つがあります。

  • ワークショップの開催

    • メンバーが自由に意見を述べ、共通の課題について議論する場を提供する。
  • フィードバックループの構築

    • 定期的なフィードバックを通じて、メンバーの意見や提案を反映し、組織全体の改善を図る。
  • クロスファンクショナルチームの設置

    • 異なる部門や専門分野のメンバーが協力してプロジェクトを進めることで、多様な視点やアイデアを取り入れる。

6. おわりに

6.1. 自分の世界の基準で人を測らない

  • 人は理想への憧れを持つことが多いですが、現実は不完全であり、時間や空間も有限です。
  • 人はそれぞれ異なる世界観を持ち、自分の基準を他人に押し付けることは、誤解や対立を招く原因となります。
  • 私たちが他人に期待する基準が満たされない場合、怒りや嫉妬といった感情が生まれます。このようなマイナスの感情を避けるためにも、自分の基準を他人に押し付けず、相手の世界観を尊重することが重要です。

6.2. そもそも個人の能力を測るのは難しい

  • IQやEQなどの測定指標は存在しますが、これらは用途に応じた一側面に過ぎません。
  • 例えば、日本の全国学力テストは、出題者の意図や評価基準に依存するため、すべての生徒の能力を正確に反映しているわけではありません。
  • また、社会では問題設定し解決する能力が求められることが多く、このような能力を測定することは難しいとされています。

6.3. 組織の生産性を測るのであれば?

  • 企業のゴールを考えると、売り上げの最大化や生産性の最大化が主要な目的です。
  • そのため、企業では個人の生産性の最大化を目指す必要はなく、組織全体としての生産性の最大化を目指すとよいです。
  • 組織の生産性を最大化するためには、能力主義の基準や自分の世界の基準を他人に押し付ける必要はありません。
  • 自分自身の基準を持ちながらも、他人の基準を尊重し、組織全体としての目標達成に向けてエネルギーを集中させることが重要です。

6.4. 「でこぼこ」でいいじゃない?

  • 組織には、人と話すのが得意なメンバーや、逆に苦手なメンバーが存在します。また、ビジネスに興味があるメンバーもいれば、そうでないメンバーもいます。
  • さまざまなメンバーを正しいかどうかわからない基準で測定し点数をつける方法もありますが、それよりもチーム全体で生産性の最大化を目指す計画や戦略を立てることにエネルギーを費やす方が効果的です。
  • 個々のメンバーの強みと弱みを補い合いながら、共通の目標に向かって協力することで、組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。

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