こんにちは、沙代です。
群って魅力的ですよね。落ち着いて眺めてみたいと思います。
(前回のリンク)
群の定義
ものの集まりGが次の条件を満たす時、群という。
(i) Gの任意の2つの元a,bに対して、乗法または積とよばれる演算abが定義されている。abはまたGの元となる。
(ii) 3つの元a,b,cに対して、
a(bc)=(ab)c(結合則)
(iii) 単位元と呼ばれる元eがあって、すべての元に対して、
が成り立つ。
(iv) すべての元aに対して、aの逆元と呼ばれる元a−1が存在して、
aa−1=a−1a=e
が成り立つ。
(出典:『新装改版 群論への30講 (数学30講シリーズ)』)
定義補足
実は、ae=ea=a, aa−1=a−1a=eはそれぞれ、ae=a, aa−1=eでよい。(同上)
確認してみます。
ae=a,aa−1=e⟹ea=a
ea=(aa−1)a=a(a−1a)=ae=a
ae=a,aa−1=e⟹a−1a=e
a−1a=a−1(ae)=(a−1a)e=ee=e
確認できました!
変換は群
例として、左右対称変換Tによる集合G=I,Tが群になることを確認してみます。
(i) IT=TI=T∈G,TT=II=I∈G
(ii) I(II)=(II)I=I,I(IT)=(II)T=T,I(TI)=(IT)I=T,T(II)=(TI)I=T,T(IT)=(TI)T=I,T(TI)=(TT)I=I,T(TT)=(TT)T=T
(iii) II=I,TI=T(I∈G)
(iv) TT=I,II=I(T−1=T,I−1I)
確認できました!
感想
演算について閉じていていることが実は重要ですね。
群の結合則が成り立たないと、マグマと呼ばれるものに近いものになりそうです。
群の単位元が存在しないものは、半群と呼ばれるものに近いものになりそうです。(マグマ+結合則)
群の逆元が存在しないものは、モノイドと呼ばれるものに近いものになりそうです。(半群+逆元)
逆元が存在するけれど単位元が存在しないようなものは、準群と呼ばれるものに近いものになりそうです。
こういった構造の詳細は、準群等のWikipediaからも確認することができます。
(読んでみても分かりきりません!)
準群の例として、整数の集合と引き算で例が示されていました。準群における逆元は、単一の単位元に対する逆元とは異なり、方程式を解くための操作(逆操作)の側面が強そうだなと思いました。
参考にさせていただいた本・ページ
『新装改版 群論への30講 (数学30講シリーズ)』

https://ja.wikipedia.org/wiki/準群
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