みすてむずアドベントカレンダー 14日目 自己流ドメインの選び方・買い方を書く
はじめに
これはみすてむず いず みすきーしすてむず Advent Calendar 2025の14日目の記事です。
一昨年、同じみすてむずのアドベントカレンダーであるみすてむず いず みすきーしすてむず (4) Advent Calendar 2023において、下記のような記事を書きました。
ただ、レジストラを紹介したはいいものの、結局どういう流れでドメインを選んで買うのか、という実践の部分は書いていなかったな、というのが記事を書いた後の思うところでした。
ですので、今回はこの実践編ということで、私(数寄屋)流のドメインの買い方、ひいては買うのを想像していろいろ見て回るやり方をご紹介したいと思います。
なお、あくまで私の自己流ですので、絶対にこうしないといけないというものではありません。
実際にはアレンジしたり、ほかの方のやり方を参考にしてドメインを買いたい時などに役立てていただければと思います。
なお、このやり方はセカンドレベルドメイン以下を買いたい場合の手順です。
任意の文字列をトップレベルドメインに設定したものを購入したい場合については大会社・大組織でなければ実質不可能ですので割愛します。
この記事での「ドメイン」「TLD」の定義について
前述の記事と同じように、ドメインについては暗黙的に以下2点のように記述しますので、ご了承ください。
- ドメインとは、インターネットにおけるドメイン名のことをさします
- 特に例外の旨記載のある場合を除き、ドメイン取得サービスへの言及で「ドメイン」という場合、利便性のため、取得可能なセカンド(場合によってはサード)レベルドメインをさす意味で使用いたします。
- 例えば、「.jpドメイン」や「.jpのドメイン」と書いた場合、「.jpのセカンドレベルドメイン」という意味になります。
ドメインの詳しい解説については、今回はいたしません。
ご興味のある場合は前述の記事をご覧ください。
- 例えば、「.jpドメイン」や「.jpのドメイン」と書いた場合、「.jpのセカンドレベルドメイン」という意味になります。
また、TLDについては、たとえばXXXXX.comにおける.com部分を指すものとします。購入するときにユーザが決める文字列以外、といったほうがいいでしょうか。
トップレベルドメインをさす、としないのは、.co.jpなどの特殊なドメインに代表されるように、技術的にはセカンドレベルドメインでありながら、トップレベルドメインのように扱われるものがあるからです。
しかしこの事情について一つ一つ注釈をつけるのは冗長になる面もありますので、便宜的にTLDをそのように扱います。
みすてむずとは?
ITに関わる人のサーバーにしたい。話題はテーマフリーです。晩ごはんから仕事の話(NDAには注意)まで。
(サーバー紹介文より)
以上のようなコンセプトの、技術系の人が集まるMisskeyサーバーです。
書いた人
いわゆる「工学系の進路しか向いていなかったオタク女子」です。
できることも、好きなことも、得意教科も工学系だったのでその方向に進学し、職業もエンジニアです。
なので旧Twitterのあれこれにともないみすてむずに移住し、そのままそこで住んでいます。
想定する読者
- 上にも書いた、2023年のアドカレの海外ドメイン業者おすすめ記事を読んで、実践はどうなるか気になっていた人
- 大体ドメインのことはわかっているけれど、実際どう探すかいまいちわからない人
- ドメインを買おうかなと思っている人
- 私(数寄屋)というN=1のエンジニアがドメインを選ぶとき、どんな感じなのかなんとなく知りたい人
早めにまとめ
長くなると思いますので、まずざっくりまとめると、以下の通りになります。(まとめても割と長めです)
まず認識しておくこととしては、ドメインを選んで買うということは、商品と扱っている業者が特殊だが、基本的な構造はネットショッピングだということです。
それに沿って、以下のような手順(前後したりごっちゃになる場合もあります)で私はドメインを買っています。
- 買うドメインを選ぶ(2と前後することもあり)
a. ウィンドウショッピング形式
b. ドメイン名決め打ち形式 - ドメインを購入するレジストラを選ぶ(1と前後することもあり)
a. 最初からレジストラを決めておく
b. 1. で選んだドメインをもとに調査して決める
+ .com, .net, .orgの場合はXserver domainを基本として選ぶ - 買う
購入するものがドメインですので、細かく言えばドメインが既に売約済みであるかどうかの確認なども挟まりますが、それはそれぞれの手順の段で書いておこうと思います。
ちなみに、テクニックというのもあれですが、大体の場合、1ドル円と1ユーロ円の相場をサッと確認できるようにしておくと便利です。
特に注意するべき事項
先に挙げた手順の中でも、2.は特に重要です。
オンラインショッピングでも、ショッピングサイトの選択が重要であるように、ドメインを買う際も、国内でも国外でもレジストラの評判をよく調査して選ぶことが大切です。
管理の観点から言ってもあまり多くのサービスを使うのは大変ですので、私のようにいくつかのレジストラだけを固定で使うようにしているのでなければ、TLD-listでの評判や、Trustpilotでチェックしたり、詳しい知り合いがいれば尋ねて調べることを強くお勧めします。
ドメインの選び方/買い方(自己流)
さて本題ということで、ドメインの選び方と買い方を紹介していきます。
繰り返し述べますが、こちら筆者である数寄屋の自己流ですので、実際にやってみる際は自分に合わせて都度調整することをお勧めします。
といいましても、実のところドメインを買うというのは、そこまで特殊なことではありません。
商品と扱っている業者が特殊というだけで、基本的な構造はネットショッピングなのです。
つまり、
- 購入可能な商品を選ぶ(場合によっては2.が先)
- 売っているショップ(業者)を選ぶ
- 買う
という基本的なプロセスが基本形となっています。
それを把握したうえで読んでいただければ、より理解しやすくなるかと思います。たぶん。
0. 前提と準備
前提スキルとしてまず、英語をそこそこ読めるものといたします。
ある程度、というか、翻訳片手に英語のサイトを利用して色々チェックするのに抵抗がなく、海外レジストラのサイトを利用するのに忌避感がないぐらいの能力を想定しています。
また、買うドメインとレジストラが完全に決まっている(その場合はこの手順をそもそも大いに省略できてしまうのですが)場合以外は、別タブに1ドルと1ユーロが現在いくらかを表示して参照しやすくしておくのが便利です。
ついでにおおよそでドルを見て円でのの金額を脳内で概算できるようにしておくとはかどります。
1. ドメインを選ぶ(探す)
準備の次は買う商品、つまりドメインを探すやり方です。
私の場合、重要で保持しておきたいドメインはだいたいちゃんと確保済みですので、ドメインの文字列をぼんやりとしか、または全く決めず、探して選びながらいろいろ調整することが多いです。
一方、あらかじめ用途が決まっているなどで、最初から買うドメインが決まっている場合もあります。そちらの手順も(私もたまにそうなることがあるので)紹介します。
a. ウィンドウショッピング形式
まず上述した「探して選びながらいろいろ調整する」方式を紹介します。
この方式を仮に呼ぶとすれば、ウィンドウショッピング形式でしょうか。
いろいろなTLDのリストを出して、ソートして見て回るのでひとまずそう呼ぶことにします。
この方式は、取りたいドメイン文字列が決まっていてもTLDが決まっていなかったり、そもそもドメイン文字列もうすぼんやりとしか決めれていない、はたまた、とりあえずなんか買う/探そうかなと思った場合に使っています。
1. TLDのリストを絞り込み・ソートしてよさそうなTLDを探す
まずTLD-ListのトップページやPorkbunのドメインリストを開きます。
すると、以下画像のように、ドメイン一覧の画面が開きます(Porkbunのほうはスクリーンショットの状態より少し下にスクロールしたほうが分かりやすいと思います)。

開いた時点の状態では、TLD-listは人気順、Porkbunでは名前順に並んでいるこれらの一覧ですが、どちらもリストのフィールド名をクリックすることでソートすることができます。
TLD-listのほうには検索機能もあるため、細かく条件を調整することも可能です。
これらの一覧を使い、以下のような感じでなんとなくよさそうなTLDを探します。
- Porkbun: 更新料金の安い順でソート
- TLD-list: 更新料金の安い順でソートしつつ、TLDの上限をセカンドレベル、文字数の上限を10文字程度に設定して検索(Porkbunより掲載されているTLDが圧倒的に多く、また、長いTLD名も含まれるため)
2. 目星をつけたTLDの個別情報を確認する
1.でよさそうなTLDを見つけたら、検索結果からドメイン名をクリックするなどして、ドメインの個別ページを開きます。
なお、一部ヨーロッパ寄りの情報なので正確な情報は一緒にWikipediaなど確認する必要はあるものの、詳しさではTLD-listのほうが勝っています。
TLD-listでもPorkbunでも個別のドメインのページが表示されるので、そこに表示される価格や注意事項に目を通し、場合によってはWikipediaや、Porkbunを開いていればTLD-listの個別ページを開いてドメインを取得するときの条件をチェックします。
他の条件については、私は主に以下の事項をチェックしています。
- 希望する文字列(その場で適当に思い浮かんだものでもよい)に関して取得可能か
- 取得条件
- 特にccTLD(国別TLD)においては在住する場所等での制限があり、それを乗り越える場合は追加料金がかかることが大いにあります。
- Whois代理公開(もしくはそれと同等のWhoisプライバシー用の機能)があるか
- 値段(円換算)
これらを目星をつけたドメインに対して検討し、買いたいドメインができれば候補に入れておきます。
b. ドメイン名決め打ち形式
最初からドメインでとりたい文字列や、TLDが決まっている場合は、ドメイン名を決め打ちで取得します。
b-1. ドメイン文字列とTLDが決まっている場合
取得可能かとTLDの条件をチェックしたうえで、レジストラ選びに進みます。選ぶ必要がないので…。
b-2. ドメイン文字列だけ決まっていてTLDが決まっていない場合
以下のように、ドメインが取得可能か一括でチェックしてくれたりとれるドメインを提案してくれる検索窓に取得したいドメイン文字列を入れます。
- TLD-listの検索窓
-
Porkbunの検索窓
ここで出てきた候補でよさそうなものがあれば、TLDの情報をチェックして取得候補に入れておきます。
なお、取得希望をするドメインによっては、たとえばkago.me(取得不能ですが例として挙げています)のように、TLDと語呂合わせすることもできるので、最後の2~3文字と一致するTLDがないか探してみるのもありです。
b-3. TLDだけが決まっている場合
TLD-list等のTLDの情報ページを開き、取得条件を確認したうえで適当に思い浮かんだドメイン文字列で取得可能か試すのがいいでしょう。
わりといろいろ取得されていたり、汎用性が高そうなのに案外取れるドメインがあったり、語呂合わせでいいものが思いつかないか試してみたりもできて、結構楽しい作業になります。
2. レジストラを選ぶ
ドメインを選べば、あとは購入する業者、すなわちレジストラを選ぶだけになります。
ここは前回の記事を参照…と書ければよかったのですが、前回の記事はあくまでそこまで海外レジストラを知らない人向けの紹介用で、私が実際に使用しているレジストラは異なります。
というわけで、私のレジストラの選び方を書いていこうと思います。
a. 気になっているレジストラを選ぶ
気になっているレジストラがある場合は、そこを使うことを前提に考えます。
場合によってはそもそも「気になっているレジストラがあるので試しにドメインを買ってみる」というように、ドメインを選ぶより前に決まっている場合があります。
ただし、選ぶ前にc.で述べる方法などで、レジストラの評判はきちんとチェックしておくのが大事です。
b. .com, .net, .orgドメインを買う場合
特に気になっているレジストラもなく、かつ.com, .net, .orgをTLDとするドメインを買う場合は、前回の記事でも書いた通り、私はXServer Domainを使うことにしています。
この3TLDはメジャーすぎて海外・日本どちらのレジストラで購入してもそこまで価格差がなく、両替の手数料など考えると日本のレジストラで買う方が現在でもやはり安牌です。
というわけで、日本のレジストラの中でもいろいろとよさそうなXServer Domainを使用しています。
c. 価格+評判を比較して選ぶ
bで述べた3ドメイン以外の場合、ドメインによって海外・国内の価格差などまちまちですので、まずは以下のような価格のページを出して買いたいドメインの値段(更新価格)を比較します。
- XServer Domainの価格ページ
- Porkbunの価格ページ
- TLD-listの価格ページ
ちなみに、現在円安ですが、それでもドメインによってはまだまだ海外レジストラのほうが安いものが結構ある印象です。
さて、実際の選び方としては、TLD-listで更新価格ソートしたうち、一番安いものを…と簡単に決めることができれば説明も簡単なのですが、そういうわけにもいきません。
普通のオンラインショッピングと同じで、ショップにあたるレジストラの事前に評判など調べて決める必要があります。
メールアドレス、自分の住所等の個人情報を入力することになるので、よく調べてレジストラの評判や評価をチェックし、また利用規約も読んでレジストラを選定することが重要になります。
私の場合、そこまでいっぱい使い分ける器用さもないため、レジストラを開拓する機会は後回しにしつつ、大体固定で利用するレジストラを2~3個決めておいて、その中で選んでいます。
レジストラの評判の調べ方
- TLD-listでの評判をチェックする
- Trustpilotでチェックする
- 検索して目立った悪評がないかチェックする(Redditなども参考にしています)
- 日本語の記事があればそれもチェックする
- 様々なドメインを持っている等、詳しい知り合いがいれば直接評価を尋ねる
- それこそ私はみすてむずで評価を尋ねることもあります。エンジニアの多いサーバーのため、いろいろと勉強させていただくこともしばしばです。
上記のような手段で評判を調べ、なるべく海外レジストラを使用することによる問題を避ける、というのが重要です。
とりあえず迷う場合は、前回の記事で紹介した、Porkbun、Namecheap、Cloudflare Registerあたりから始めるのがいいでしょう。この3社も永遠によいものとは保証しきれませんが、現在のところはそれなりにいいレジストラだと思います。
- それこそ私はみすてむずで評価を尋ねることもあります。エンジニアの多いサーバーのため、いろいろと勉強させていただくこともしばしばです。
3. 買う
買いたいドメインとレジストラを選んだら、後は購入するだけです(選ぶだけ選んで買うつもりではない場合は別ですが…)。
- 初めて利用するレジストラサービスの場合は必要に合わせて会員登録
- カート・会計画面でドメインごとにいろいろと条件が表示された場合はそれもチェック
- Whois等はこのあたりで実際に再チェックできることが多いです。
- OKであれば会計
- だいたいクレジットカードを持っていればなんとかなります
以上で、ドメイン購入は完了となります。
あとはAuto-Renewなど活用しつつ、ドメインを維持していきます。
実際のところはどの形式で選んで遊んでいるか
筆者(数寄屋)は実際のところ、以下の手順で定期的に遊んでいます。
- ウィンドウショッピング形式でドメインを選ぶ
- 価格を比較して会員登録済みレジストラを選ぶ
- 気分によって買う/買わない
実際にドメインを買わなくても、いろいろなドメインを知ることができて結構楽しい遊びになりますので、個人的に結構おすすめです。
まとめ
今回は、前回の記事で紹介したレジストラの利用の実践として、筆者(数寄屋)の自己流ではありますが、ドメインの選び方を紹介しました。
手順としては最初にまとめた通り、以下のようになります。
- 買うドメインを選ぶ(2と前後することもあり)
a. ウィンドウショッピング形式
b. ドメイン名決め打ち形式 - ドメインを購入するレジストラを選ぶ(1と前後することもあり)
a. 最初からレジストラを決めておく
b. 1. で選んだドメインをもとに調査して決める
+ .com, .net, .orgの場合はXserver domainを基本として選ぶ - 買う
何度も書きましたが、扱う商品と業者が特殊なだけで基本はオンラインショッピングですので、その気になれば結構気軽にできるものです。
ただし、オンラインショッピングでもショップを選ぶのが肝要なように、ドメインを買う場合はレジストラはきちんと調べる必要がありますので、それだけ気を付けていただければ、というか、そのために有名どころを前回紹介しましたので、迷われましたらそちらを参照くださればと思います。
お読みいただいた方、ありがとうございました。それでは、よきドメインライフを。
明日はぱいのみさんの「未定」です。楽しみ。
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