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進歩が速い IT の分野においても本は大事だと思う

2024/10/28に公開

TL;DR

  • IT 技術の進歩は速いがそれでも本がいい、という点をお伝えし隊
  • 商業誌の場合、ある分野におけるベースとなる知識を得るのに適している
  • 技術同人誌の場合、著者が書きたいことを書いているため、その情熱が楽しい

はじめに

前回は なぜ俺たちは技術同人誌を書くのか という poem をお届けしましたが、思いつく限りまた続けていこうかと思います。

技術に関する書籍、特に IT 技術に関しては、日進月歩であり特に AI に関する書籍・内容についてはあっという間に古くなってしまいます。
それでもなお、本を書くことの意味についてぽえっていくことにします。

(IT の) 技術書の意味について

前の説に書いた通り、IT 技術は日進月歩の勢いで進化しており、いくつかの領域ではある書籍が書店に並ぶまでの間の数か月間でさえ、もうその情報が古くなってしまうことも少なくありません。
特に最近注目されている生成 AI の領域では、例えば OpenAI 社の新しいモデルが一年に数回リリースされ、そのたびに今までの内容がもうガラッと変わってしまうような世界になっています。
そのほか、わたしはあまり詳しくはないのですが、いわゆる Web アプリケーションのフロントエンドなども、さまざまなものが次々にリリースされ、エンジニアたちの興味も移り変わっていくような状況にあるように思います。

もちろん、マスタリングTCP/IP 入門編 のような教科書的な基礎的な内容を扱っている場合、何年にもわたって売れ続けているかと思います。
わたしも、先輩も、若手にも、インフラエンジニアのような職種であればその名前を知っている方はとても多いのではないのでしょうか。

私個人としては、前者のようなとても進歩のはやい分野においても、その時点のスナップショットとして書籍ほどある程度カバーされた内容でその分野をおさらいするのも悪くないと思っています。
また、後者のような教科書的、基礎的な内容を含めて幅広くカバーされているものも、特に若手にとって、「わからないことを調べていくとさらにわからない単語で説明される」という状況を打破するのにとても役立ちます。
blog という媒体がその書きやすさ、公開のしやすさ、後からの修正のしやすさ、などから IT 技術ととても親和性が高いのも事実ですが、分量が多くなるとなんとなく読むのがめんどうになってしまいます。
本をパラパラ、興味のある部分からつまみ食いのように読んでいく、それもまた本という媒体の大きなメリットであり、だからこそわたしは技術書はほとんど物理的な本を買っています。

技術同人誌の意味について

商業誌ではなく、技術同人誌はどうなのか、ということを考えてみます。

というところなのですが、正直なところ、著者が書きたいと思ったことを書いて、本の形にまとめただけでもうそれはとてもとても尊い (てぇてぇ) ことであり、もうそれ以上に何も言うことはありません。
内容が薄かろうが、濃かろうが、ちょっと間違ってようが、typo があろうが、もうそんなものは些細な話であって、「世の中に伝えたい」と思ったこと、それを執筆して本にしたこと、それだけでも十分に価値があります。
商業誌に比べて甘々ではありますが、まずはハードルを下げること、技術同人誌という世界でもあんまり少ないんじゃないか (調べてないです) というこの文化を、本当に大事にしていきたいと思っています。
買う側からすると、著者がすぐ目の前にいる (ことが多い) ので、そのパッションを感じることができる、というのも技術同人誌およびその販売会の魅力のひとつかなと思います。

ちなみにお金儲けのために書こうと思うとぜーんぜん儲からないのでがっかりすると思います。。
自分の書きたいと思ったこと、そのパッションを伝えていく、技術書典技書博 などのイベントでなんかみんながわーっと盛り上がって、その場のノリであんまり知らないけどちょっと面白そうな本を買う、そんな偶然の出会いがとても楽しいです。
もちろん歴史のあるものとしては コミックマーケット (コミケ) というのもありますが、なーんか技術書典とかのほうが本として表紙とかをしっかり作りこんでいる、商業誌顔負けの本が多いような印象があります。
優劣をつけるわけではないですが、興味があればどちらも楽しんでみてください。

まとめ

IT 技術に関する書籍については、たぶんみなさまがそれぞれ思うところがあって、買う・買わない、blog がいい、など様々な意見があると思います。
私個人としては本の形でぱらぱらと読むのが好きで、出張・旅行などに分厚い O'Reilly の本を持って行っては、結局読まずに帰ってくる、というのを何度も繰り返しています。
また、個人的な活動として数年続けてきている技術同人誌の文化がとても好きで、どんどん盛り上げて、盛り上がっていってほしいなと思うところです。

参考

  • なぜ俺たちは技術同人誌を書くのか

https://zenn.dev/skmkzyk/articles/why-we-wrote-techbooks

  • マスタリングTCP/IP 入門編

https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274224478/

  • 技術書典

https://techbookfest.org/

  • 技書博

https://gishohaku.dev/

  • コミックマーケット (コミケ)

https://www.comiket.co.jp/

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