前提
指数分布 Exp(λ) はモーメント母関数が指数の形ではないので、再生性がない。
MX(t)=λ−tλ
実際、ただし、各 Xi は独立で同一の指数分布 Exp(λ) に従うとき、
M∑X(t)=(λ−tλ)n
であるから、
f∑X(x)=nλexp(−nλx)
証明
確率変数 Wn=∑i=1nXi の分布を求める。ただし、各 Xi は独立で同一の指数分布 Exp(λ) に従う。
1. k=2 の場合
2つの独立な指数分布に従う確率変数 X1 と X2 の和 W2=X1+X2 の確率密度関数は畳み込み積分を用いて次のように求められる:
fW2(w)=∫0wfX1(x)fX2(w−x)dx.
各変数は指数分布に従うため、次のように代入する:
fW2(w)=∫0wλe−λx⋅λe−λ(w−x)dx=λ2e−λw∫0wdx.
∫0wdx=w なので、
fW2(w)=λ2we−λw,w≥0.
これはガンマ分布の形状パラメータ k=2 と尺度パラメータ θ=λ1 の場合に対応する。
ガンマ分布の詳細は下記参照。
https://zenn.dev/shundeveloper/articles/eba111782c85cf
2. k=3 の場合
次に、W3=X1+X2+X3 の確率密度関数を求める。すでに求めた W2 の密度関数を用いて、
fW3(w)=∫0wfW2(x)fX3(w−x)dx.
これに先ほどの結果を代入すると、
fW3(w)=∫0wλ2xe−λx⋅λe−λ(w−x)dx=λ3e−λw∫0wxdx.
∫0wxdx=2w2 なので、
fW3(w)=λ32w2e−λw,w≥0.
これはガンマ分布の形状パラメータ k=3 と尺度パラメータ θ=λ1 の場合に対応する。
3. 一般の場合 (k=n)
上記の畳み込み積分を繰り返すことで一般の場合を求めることができる。すでに k=n−1 の場合の密度関数が
fWn−1(w)=(n−2)!λn−1wn−2e−λw,w≥0
求めている。これを用いて、Wn=Wn−1+Xn の密度関数を求める:
fWn(w)=∫0wfWn−1(x)fXn(w−x)dx.
代入すると、
fWn(w)=∫0w(n−2)!λn−1xn−2e−λx⋅λe−λ(w−x)dx=(n−2)!λne−λw∫0wxn−2dx.
積分の結果は
∫0wxn−2dx=n−1wn−1.
したがって、
fWn(w)=(n−2)!λne−λw⋅(n−1)wn−1=(n−1)!λnwn−1e−λw,w≥0.
この結果より、Wn の分布はガンマ分布に従う:
Wn∼Gamma(n,λ1).
参考文献
(1) 竹村彰通.”新装改訂版 現代数理統計学”.2020.学術図書出版社
(2) 久保川."現代数理統計学の基礎".2017.共立出版
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