個人アプリの有料本を書いたら「価値がない」というコメントに泣いた
先日こんな「本」をリリースしました。
3年続けた個人アプリの収益情報を赤裸々に公開したものです。
この壮絶な3年間で培ったものを切り売りしているようで、本当はこんな本を出したくなかった。良い大人が普通財布の中身を人に教えないですよね?しかもそれで収益を得ようだなんて。でも、可愛くて仕方のない「個人アプリ」の開発資金を稼ぐためなら、どんな泥臭いことでもやってやろうと覚悟を決めてリリースしました。アプリのミルク代を稼ぐためなら、泥水でもすすってやります。
すると、多くの反響もいただきました(一部抜粋)※SNSやGoogleフォームより
『ネットは結構探したのですが、収益化の情報はなかなか出てこなかったので助かりました!特にAmazonアフィリが興味深かったです』
『応援の意味合いも含めて買ってみた!物販とかアソシエイトとかやってみたい』
『~略~ 個人開発者の知見って、自らが多くの時間とお金を割いて失敗と成功を繰り返し、通常は外部にアウトプットしないものなので、このような有料記事を公開してくださったことに感謝です...』
『読みました!他の人がアプリでどうやって収益上げてるのかを知るのは非常に面白かった。』
そして「本」は売れてます。その状況についてはこちらの記事で書きました。
すると別の購入者から衝撃的なコメントがつきました。
「3000円の価値がない」
雷が落ちたかのような感覚に襲われ、実際には泣いてはいませんがちょっと悲しい。でもコメントを読むに、もっと具体的な収益化のための導入手順が書いていると思ったようで、そのズレがあったんだなと理解しました。
確かに、本屋に行って3000円も出せば分厚い丁寧に書かれた技術書が手に入ります。その感覚でいるのなら、確かに高いのかもしれない。ただ、無料部分で「収益化のヒント」と説明しているし、そもそも7000文字程度と事前に伝えており、その文字数ではとてもそんなに書けないよ...と思ったりしましたが、私の説明不足だったのだと反省しました。そのためいくつか「(追記)」として注意書きを増やしています。この点に気づけたことはコメントを頂いたおかげです。
そして思ったのは「情報の価値」を感じてもらえなかったんだなということ。
個人開発をしている人は、収益化を夢見ている人がほとんどだと思います。
本業と別にお小遣い程度の収益を目指している人もいれば、私みたいにこれで生活基盤を作ろうと思っている人もいる。
そうやって個人開発に真剣に取り組んでいる人が直面するのは「収益化の情報がほとんどない」という現実。収益化をしたくても、どんな種類があってどれが良いのかなんて情報は、ネットや本屋には転がっていないんです。しかも収益額を含めた生の声なんて。
じゃあその情報はどこにあるか?
一番はアプリコミュニティの中にあります。私も何個ものコミュニティに参加して、アプリ仲間の収益情報を聞きながら、大変刺激をもらったものです。でもこんな情報、表には絶対に出ません。当たり前ですけど、個人開発者として、自分のアプリが儲かっている情報を発信すると、デメリットはあれど、メリットが一切ない。簡単にマネされちゃいます。だから絶対に漏らさない。コミュニティで共有する理由は、ここで共有しても、既にコミュニティ内での人間関係があるがために、マネされるリスクが低いから。そんなことしたら界隈での評判も地に落ちます、狭い世界ですので。もしくはアプリ自体に難しい技術があって簡単に真似できないか、収益化を達成するために一定の高いハードルがあるか。
ただ、そんなコミュニティの中でも、全ての収益を具体的に明かすことは珍しい。もちろんプライドもあるし、恥ずかしさもある。相手の懐事情なんて、直球では聞きづらい。だからこの収益化の情報には「価値」があります。個人開発者が喉から手が出るほど欲しい情報です(私が所属しているコミュニティのボスは、結構オープンでしたが)。
私はアプリ名こそ明かしていないものの、この規模のアプリの「収益情報」なんてまず手に入りません。しかもこれだけ多岐に渡る「収益媒体」を試して、実際に一定の収益を上げている人は珍しいのではないかと思います(特化型で稼いでいる人がほとんどなので)。普通なら数千円程度では、見ず知らずの人に公開なんてしません。それに「ヒント」を得た個人開発者が増えることで、競合が爆増するリスクすらある。そんな貴重な情報です(特に個人アプリにおけるAmazonの収益情報なんて全くないので、収益化の可能性すら分からない)
と、ここまで書きましたが、だからこそ冒頭のコメントにはショックでした。普通ならお金でも買えない価値あるものを、リスクを背負って公開しているんだ、という自負があったから。それで、その価値に気づいて欲しいなと思い、この記事を書きました。
あらためて、具体的な収益化の手順までは書いていない、広く浅い内容です。文字数も7000字程度。ただ、月間1万人規模のアプリの、先月の全収益額とそのヒントを記載しています。個人開発者は基本的に自走しないと生き残れないのですが、これだけでモチベーションを持って走れるんじゃないでしょうか。そんな「本」です。
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