権限がない僕たちが目標を達成する方法
はじめに
仕事には達成すべき目標があります。
目標には自分1人で達成可能なものや周りの人の協力を得て達成できるものがあり、多くは後者です。
目標を達成するために巻き込むべき人を動かす権限をもっている場合は協力を得ることは比較的容易です。例えばあなたが開発チームのリーダーであれば開発メンバーを動かすことはあなたの権限の範囲内にあるため、比較的容易です。
しかし、目標を達成するために自分の権限の範囲外の人の協力を得る必要がある場合もあります。その場合は協力してもらう難易度が一気に高くなります。例えばあなたが開発チームのリーダーであれば、ほかの開発チームのメンバーや企画チームのメンバーの協力を得る必要があるときです。
こんなとき、権限がないのでその人がたまたま協力してくれることを祈るしかないのでしょうか。
権限がなければ祈るしかないのか
そんなことはありません。
例えば、プロジェクトリーダーはプロジェクトに関わる人たちを動かしていく必要がありますが、往々にしてその権限を持っていません。権限を持たない中で周りの人たちに協力してもらい、プロジェクトを成功させる必要がある訳です。
では、プロジェクトリーダーは権限を持たずに人を動かすためにどんなことを意識しているのでしょうか。
人を動かすために意識すべき6つの法則
人を動かすには、相手が求める何かを提供し、こちらのほしいものと価値の交換をする必要があります。人を動かすために意識すべきことをコーエン&ブラッドフォードが6つの法則にまとめています。
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味方になると考える
相手を悪く思わず、相手がだれであっても味方にすることができると考える。 -
目標を明確にする
相手の間違いや自分の正しさを証明するのではなく、相手からどんな協力を得たいのかという目標に注力する。 -
相手の世界を理解する
相手が気にしていること、相手の物事の味方や考え方、何を大切にしているかを理解する。 -
カレンシーを見つける
相手にとって価値のあるもの(カレンシー)は何かを考えて、日ごろから相手に渡しておく。 -
関係には配慮する
相手との関係性や相手の仕事の進め方を配慮し、相手に合わせたコミュニケーションを心がける。 -
目的を見失わない
最終的にプロジェクトの成功や成果を生み出すことが目的だということを忘れない。
権限がないメリット
権限がないメリットもあります。
ハーバード大学教授でリーダーシップ開発の第一人者であるロナルド・A・ハイフェッツ教授は著書「リーダーシップとは何か」の中でこう述べています。
「地位の高い立場からリーダーシップが発揮されるということは、ごくまれにしか見られない。その理由はオーソリティ(権威)の束縛によって説明出来る。社会生活の中で人々は概して、オーソリティの人物に対して出来るだけ苦痛の伴わない方法で問題を解決してくれることを期待する。」
例をあげると、開発チームリーダーの場合、開発チームの多くのメンバーが満足するかを考慮する必要があったり、色んな事のバランスをとることを考えて、思い切った施策が展開しにくいことがあります。また、強制力があるため、メンバーがやらされ仕事になってしまうこともあります。
ハイフェッツ教授はこうも述べています。
「オーソリティ(権威)が束縛にもなるということは、それを持たないでリードすることにも利点があることを示唆している。第一に、創造的な逸脱の自由をより多く持てる(バランスを取らなくていい)。第二に、一つの問題への集中が可能。様々な関係者の様々な期待を満たさなくていい。第三に、第一線の情報が手に入る。」
開発チームリーダーでなければ多くのメンバーが満足するかや色々な事のバランスより施策の効果を重視して思い切った施策を提案できるし、チームリーダーには言えないような本音も引き出しやすいでしょう。また、協力が得られたときは相手が納得感を持っているということになると思うので、やらされ仕事になりにくいかもしれません。
まとめ
権限がなくても諦めずに頑張っていきましょう。
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