VaR (Value-at-Risk) の DC (Difference of Convex) 表現の紹介
この記事は数理最適化 Advent Calendar 2022 の 22 日目の記事です。
はじめに
今年の最適化アドベントカレンダーでCVaRとシナリオ法によるポートフォリオ最適化と初学者が学んだDC最適化(概要)を見て、CVaR や VaR の最適化も DC 計画問題も両方昔の自分の研究テーマだったので、懐かしくて咽び泣いていました。
せっかくだから、VaR の最小化問題を DC 計画問題として定式化できるという両方に関連する話題を紹介しようと思います。
ここで紹介する内容は Wozabal の Value-at-Risk optimization using the difference of convex algorithm を大昔の記憶を頼りにめちゃくちゃ雑に要約したものです。
VaR と CVaR
細かいことはCVaRとシナリオ法によるポートフォリオ最適化を見て頂くとして、VaRとCVaRの関係はだいたい下の図のような感じになっています。
何か最適化問題の解(最適解である必要はない)を決めるとリスクの分布が決まるとして
- 0.95-VaR は 95 percentile のリスクの値
- 0.95-CVaR は 95% より上のとこの平均
といった具合です。
(リスクの関数が凸であれば)CVaR 最小化問題は凸関数の最小化問題として表されることが Rockafellar と Uryasev によって示されています。一方でVaR最小化問題は解くのが難しい問題とされています。
2 つの CVaR(凸関数)の差で VaR を表現する
次の図のように 0.96-CVaR で平均を取っている範囲と 0.94-CVaR で平均を取っている範囲の差分を持ってきて、その中の平均を取ってみましょう
だいたい 0.95-VaR と同じくらいになりそうですよね?そんな理屈で十分小さい
ここまでくれば、後は初学者が学んだDC最適化(概要)も紹介されている DC Algorithm を適用できるというわけです。
おわりに
当時は DC 計画について調べると出てくる 2 人の人間の論文を一生読み続けるしかなかった記憶があるのですが、もしかして最近はナウなヤングにもバカウケで激アツなのでしょうか?
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