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初めての Tech Lead 経験:マネージャー?それともエンジニア?

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「Tech Lead やってみない?」
そう言われたとき、私は少し戸惑いました。
自分はまだまだコードで勝負したいエンジニアだと思っていたし、「マネジメント」はなんとなく別の世界だと思っていたからです。

でも実際にやってみると、“Tech Lead”という役割はマネージャーとエンジニアの間にある、ちょっと不思議な立ち位置だと気づきました。この記事では、私が初めて Tech Lead を経験して感じたこと、ぶつかった葛藤、そしてその中で見えてきたバランス感覚についてまとめてみます。

  1. コードを書く時間が激減した
    Tech Lead になる前、私は「チームの中で一番コードを書く人」くらいのイメージを持っていました。でも現実は違いました。

実装作業 < 設計・レビュー・相談対応・会議

VS Code より Google Docs を開いてる時間が増える

コードを書くときも「仕様の最終確認」としての実装が多くなる

エンジニアとしての自分とのギャップに、最初は少し戸惑いました。

  1. チーム全体を“前に進める”のが主な役割
    「自分が全部やったほうが早い」──これはエンジニアとしてはありがちな思考ですが、Tech Lead は**「チーム全体が進むようにする」ことが仕事**です。

✅ 意識したこと:
タスクを“振る”ことを恐れない

各メンバーの得意・不得意を把握してアサイン

誰かが詰まっていたら早めに声をかける

つまり、コードを書くことよりも、チームがコードを書ける環境を整えることが重要になってきます。

  1. 技術力“だけ”では信頼されない
    「技術的に正しいこと」だけではチームを引っ張ることはできません。
    それよりも大事なのは、安心して相談できる雰囲気や、方向性を示す力でした。

💡 学んだこと:
方針が変わったら“なぜ変わったのか”を丁寧に説明する

メンバーの提案を一度受け止めてから判断する

“迷ってる時”ほど早く言語化して共有する

結果的に、「この人となら一緒にやっていける」と思ってもらえることが、チームの安心感につながると実感しました。

  1. 「マネージャー ≠ Tech Lead」だけど、重なる部分はある
    Tech Lead は正式な“マネージャー”ではないかもしれません。でも、人に関わる責任がある以上、マネジメント的な視点が必要です。

1on1 はないけど、日々の雑談の中で状態を把握する

評価はしないけど、フィードバックは日常的に行う

意思決定はしないけど、意思形成には深く関わる

エンジニアの延長線上にありながら、人とチームを見る力が求められる──それが Tech Lead の難しさであり、面白さでもあります。

おわりに
Tech Lead になってから、「自分はエンジニアなのか、マネージャーなのか」という問いを何度も考えました。
でも今はこう思っています:

“チームで価値を届けるために、どちらの帽子も柔軟にかぶれる人”が Tech Lead

エンジニアでもあり、ファシリテーターでもあり、少しだけマネージャーでもある。
そんな曖昧で多面的な役割を、楽しめるようになったことが、私にとって一番の成長でした。

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