M5Burner v3の使いかた
1. 概要
M5Burner は M5Stack 製品のファームウェアを扱うツールです。主な機能は以下の通りです。
- ファームウェアの入手
- ファームウェアの書き込み・消去
- 独自ファームウェアの公開・配布
- シリアルモニタ
2. 対応機種
M5Burner で対応している機種は以下のとおりです。
- M5Stack BASIC/BASIC v2.6/GRAY/BASIC v2.7/M5GO/M5GO v2.6/M5GO v2.7/Fire/Fire v2.6/Fire v2.7
- M5Stack Core2/Core2 v1.1/for AWS IoT EduKit/Tough/CoreS3/CoreS3 SE
- M5StickC/M5StickC Plus/M5StackC Plus2/M5Stick T-Lite Thermal Camera Dev Kit
- ATOM Lite/Matrix/Echo/U/S3/S3 Lite/S3U
- ATOM Printer
- ATOM Display/ATOM Display Lite
- M5StickV/UnitV
- Timer Camera/Timer Camera X/Timer Camera Fisheye
- M5Stack Core Ink
- M5Paper/M5Paper v1.1/M5Paper COMM Edition
- M5Stamp PICO/S3
- M5Station RS485/Battery Version
- M5Dial
- M5Stack Din Meter
- M5Stack Capsule
- M5Stack Cardputer
- Air Quality Kit
- M5Stack NanoC6
3. 事前準備
M5Stack BASIC/M5GO/Fire v2.6 や M5Stack Touch/M5Stamp PICO (シリアル変換 IC に CH9102F を使っている機種)を使う場合は,M5Stack のダウンロードページから使用する OS 用の CH9102F ドライバ(CH9102_VCP_SER_Windows.exe
,CH9102_VCP_SER_MacOS v1.7.zip
)をインストールしてください。
M5Stack BASIC/GRAY/M5GO/FIRE を使う場合は,M5Stack のダウンロードページから使用する OS 用の CP201X ドライバ(CP201x_VCP_Windows.zip
,CP201x_VCP_MacOS.zip
,CP201x_VCP_Linux.zip
)をインストールしてください。
M5Stack Core2 を使う場合は,機体によって搭載されているチップが CP201X の場合と CH9102F の場合があります。両方のドライバをインストールしておくと良いそうです(M5Stack Core2 ESP32 IoT Development Kitの「USB Driver」より)。
CH9102F か CP201X かどちらのドライバを入れたら良いかわからないときは,両方インストールしても問題ありません。
M5StickC/M5StickC Plus や ATOM Matrix/Lite/Echo の場合は USB ドライバをインストールする必要はありません。
M5StickV/UnitV の場合,もしくは M5StickC や ATOM Matrix/Lite/Echo でうまく動かない場合は,使用する OS 用のFTDI ドライバをインストールすると動くようになります(環境によってはドライバを 2 回インストールしないと有効にならない場合があります)。
4. 入手方法
M5Stack サイトのメニューから「SOFTWARE」にマウスカーソルを合わせると(①),下に新たなメニューが現れるので,「Developer Tools」を押します(②)。
左にあるメニューの「M5BURNER」を押します(③)。
使用している OS に対応する M5Burner をダウンロードします(④)。
- M5Burner-v3-beta-win-x64.zip(Windows 版)
- M5Burner-v3-beta-mac-x64.zip(macOS 版)
- M5Burner-v3-beta-linux-x64.zip(Linux 版)
5. インストール
5.1 Windows 版
ダウンロードしたM5Burner-v3-beta-win-x64.zip
を展開し,適当なフォルダ(C:\ProgramData\M5Burner
など)に移動します。
6. M5Burner の起動
インストールしたフォルダ(C:\ProgramData\M5Burner
)にあるM5Burner.exe
をダブリクリックして実行します。
2022 年 8 月 16 日版から起動時にバイナリアップデートもかかるようになったようです。
更新を反映するには「restart」(再起動)をクリックして M5Burner を再起動します。
7. ファームウェアの書き込み
ここでは,M5Stack BASIC にUIFlowのファームウェアを書き込む方法を説明します。
7.1 機種の選択
画面左側に M5Stack 製品の機種を選ぶメニューがあります。ここでは BASIC が含まれる「CORE」をクリックします。CORE に対応するファームウェアの一覧が表示されるので,UIFlow の BASIC 用ファームウェアである一番上の「UIFLOW(CORE)」に注目します。
7.2 ファームウェアの検索
ウインドウの上にある検索(Search)に文字を入力すると,インクリメンタル検索(文字を入力するごとに検索結果が表示される)により入力した文字と名前が一致するファームウェアが表示されます。公式のみ(Only Official)のチェックボックスをオンにすると,M5Stack が配布しているファームウェアのみを検索対象にすることができます。
7.3 ファームウェアのダウンロード
ダウンロードするファームウェアを決定したら,右にあるプルダウンメニューで書き込むファームウェアのバージョンを指定します。検索窓にバージョン番号を入力することで検索することもできます。ここでは v1.11.8 を選びます。
UIFlow というタイトルの横に緑で「official」と書かれているのは,M5Stack 社が提供しているものを表します。official がついていないものは一般ユーザが提供しているものです。
右下の「Download」ボタンの上にある作者(Author)に作者名が表示されています(official の場合は作者は M5Stack)。またファームウェアの公開日(Published At)も表示されています。公開日はバージョンが上がるたびに更新されます。
矢印のところに表示されている数値は,ファームウェアのダウンロード数とコメント数を表しています。ふきだしのアイコンを押すと,書かれているコメントを見たり,コメントを投稿することができます。
独自ファームウェアの場合には,ファームウェアのソースコードなどが置かれているGitHubリポジトリへのリンクが表示されていることがあります。
「Download」ボタンを押すとダウンロードが始まります。
ダウンロードボタンのところにダウンロードしたパーセントが表示されます。
ダウンロードが完了すると右上に「完了(Finish)。ダウンロードできました(Download Successfully)」と表示され,「Remove」(ダウンロードしたファームウェアの削除),「Burn」(ダウンロードしたファームウェアを焼く=書き込む)ボタンが表示されます。ダウンロードしたファームウェアによっては他のボタンが追加されることもあります。UIFlow のファームウェアの場合は「Configure」(設定)ボタンも追加されます。
7.4 ファームウェアの書き込み
「Burn」(書き込む)ボタンを押すと,WiFi の設定を聞かれます。
接続する WiFi の SSID(SSID は Service Set Identifier の略で,無線 LAN で接続するアクセスポイントを識別するための名前のこと) とパスワードを入力して「Next」(次へ)ボタンを押します。
「WIFI Password」(WiFi のパスワード)の右端にある目のアイコンを押すと,入力したパスワードを表示して確認することができます。
「WIFI SSID」の右端にある青いディスプレイのアイコンを押すと,「Do you want to use the same Wi-Fi as your current computer?」(今あなたが使っている PC が接続している Wi-Fi の設定を使いますか?)と表示されます。YES を押すと,M5Burner を起動している PC が接続している WiFi の SSID とパスワードを入力することができます。
PC が 5GHz 帯のアクセスポイントに接続している場合は,2.4GHz 帯のアクセスポイントに接続してからボタンを押してください。
ここで入力した SSID とパスワードは M5Stack 上の NVS(Non-Volatile Storage:不揮発記憶)に記憶され,WiFi に接続する際に利用します。
M5Stack BASIC が接続されているシリアルポート(Windows の場合は COM ポート)と転送速度(baudrate:ボーレート)を設定します。転送速度は 1500000(1.5Mbps,bps はビット毎秒(bit per second))で問題ありませんが,書き込みに失敗する場合は速度を落とします。
「Start」(開始)ボタンを押すとファームウェアを書き込みます。
書き込んでいる様子が表示されます。
ファームウェアの書き込みが完了すると「書き込み完了(Burn Successfully)。ここを押して戻る(click here to return)」と表示されるので,緑のボタンを押します。
書き込みが失敗する場合は,転送速度を落として再度書き込んでみてください。それでも失敗する場合は,ファームウェアを一度消去してから書き込むとうまくいくことがあります。
「8. M5Stack に書き込まれたファームウェアの消去」を参照してください。
7.5 設定の書き込み
書き込むファームウェアによっては,「Configure」(設定)ボタンという設定を書き込むためのボタンがあります。例えば,UIFlow 用のファームウェアには,起動モードやブートメニューを表示するかなどの設定を書き込むために「Configure」(設定)ボタンがあります。ここでは UIFlow の「Configure」(設定)について説明します。
まず「Configure」(設定)ボタンを押します。
M5Stack BASIC が接続されているシリアルポートを指定します。
「Load」(読み込み)ボタンを押すと接続されている M5Stack BASIC に設定されている項目が読み込まれます。
それぞれの項目は以下のとおりです。
-
COM
接続しているシリアルポート -
MAC
接続している実機の MAC アドレス(変更不可) -
APIKEY
実機と UIFlow を接続するために使う識別子(変更不可)。変更する場合は一度ファームウェアを消して再度書き込みます。 -
Start Mode
起動時のモードを以下から指定する。- Internet Mode(インターネットモード)
ブラウザから UIFlow(https://flow.m5stack.com)を使うときのモード - USB Mode(USB モード)
UIFlow Desktop(既に更新停止)で使うモード - App Mode(アプリケーションモード)
実機にダウンロードしたプログラムを実行するモード。プログラムをダウンロードしていない場合は MicroPython の REPL(Read Evaluate Print Loop の略で,対話的にプログラムを実行できるモードのこと) プロンプトが表示されます。
- Internet Mode(インターネットモード)
-
Boot Menu
起動メニュー(アプリの選択,アプリケーションモードでの起動,設定が選べるメニュー画面)を表示するか設定する。- Show(表示する)
起動時にメニューを表示します - Hide(隠す)
起動時にメニューを表示しません
- Show(表示する)
-
Boot Beep
起動時にブザー音を鳴らすかを設定する(スピーカーが付いた機種のみ有効)。- On(鳴らす)
- Off(鳴らさない)
-
Server
UIFlow サーバを選択する。-
flow.m5stack.com
中国本土以外から接続する場合。日本からの場合もこちらを選択する。 -
sg.flow.m5stack.com
中国本土から接続する場合
-
-
WIFI SSID
実機が接続する WiFi の SSID。ファームウェア書き込み時に指定した値が入っている。 -
WIFI Password
実機が接続する WiFi のパスワード。ファームウェア書き込み時に指定した値が入っている。 -
COM.X
COM シリーズのベースモジュール(COM.LTE など)を使ってネットワーク接続をするかどうかを指定する。WiFi 接続する場合はFalse
で良い。 -
APN
上の COM.X をTrue
にした場合に表示される。APN(Access Point Name の略で接続先のこと)を指定する。
設定を変更したら「Save」(保存)ボタンを押して保存します。保存ができると右上に「成功(Success)。設定を更新しました(Update configurations successfully)」と表示されます。
「中止(Cancel)」ボタンか右上の「×」ボタンを押して設定画面を閉じます。
7.6 ファームウェア一覧の更新
ファームウェアの一覧は M5Burner を起動したときに自動的に更新されますが,起動している最中に手動で更新したい場合は,右上にあるメニューボタンを押します。
「Refresh Firmware」(ファームウェアを更新する)を押します。
特に何の反応もないので,メニュー以外の場所を押してメニューを閉じます。
8. M5Stack に書き込まれたファームウェアの消去
M5Stack の電源を入れても反応がなかったり,ファームウェアを書き込もうとしてもエラーになる場合は,一度 M5Stack 製品に書かれているファームウェアを消去して,再度書き込むとうまくいくことがあります。
「7.4 ファームウェアの書き込み」の手順と同様に「Burn」(書き込む)ボタンを押して,WiFi の設定をして「Next」(次へ)ボタンを押すと以下の画面になるので,ファームウェアを消したい実機が接続されているシリアルポートを設定して「Erase(消去)」ボタンを押します。
消すかどうかを確認せずにいきなり消すので,接続先をよく確認して「Erase(消去)」ボタンを押してください。
消去している様子が表示されます。
ファームウェアの消去が完了すると「消去完了(Erase Successfully)。ここを押して戻る(click here to return)」と表示されるので,緑のボタンを押します。
9. シリアルモニタの起動
2022 年 8 月 5 日のアップデートで v3 でもシリアルモニタが起動できるようになりました。
まず,右上にあるメニューボタンを押します。
「Serial Monitor」(シリアルモニタ)を押します。
接続するシリアルポートを選択し,「Connect」(接続)ボタンを押します。
接続に成功すると「[FROM M5Burner] 接続したシリアルポート opened.
」と表示されます。切断するときは右下にある黄色の「Disconnect」(切断)ボタンを押します。接続している実機を再起動したいときは,右下にある赤色の「Reboot」(再起動)ボタンを押します。
10. 独自ファームウェアの公開
M5Burner v2 では,自分で作成したファームウェア(以下「独自ファームウェア」と呼びます)を全世界に公開するためには,GitHub のM5Stack Firmwareリポジトリをフォーク(Fork)し,独自ファームウェアを追加してプルリクエストを送る必要がありました。
M5Burner v3 では,User Custom メニューから公開できるようになりました。独自ファームウェアの登録・削除や公開・非公開をボタンひとつで切り替えることができます。
ここでは,M5Burner v3 で配布できるファームウェアを作成する方法と,それを公開する方法について説明します。
10.1 配布する独自ファームウェアの作成
配布する独自ファームウェアを作成する方法には,実機にインストールされているファームウェアを抽出する方法と,PlatformIO 環境で作成する方法の 2 種類があります。
10.1.1 実機にインストールされているファームウェアの抽出
配布する独自ファームウェアを作成する一番かんたんな方法は,M5Burner の Firmware Exporter を使って実機にインストールしたファームウェアを抽出するやり方です。
まず,右上のメニューボタンを押します。
「Firmware Exporter」(ファームウェアの抽出)を押します。
「Firmware Exporter」ダイアログが表示されます。
各項目の内容は以下の通りです。
- COM(①)
接続しているシリアルポート - BaudRate(②)
ファームウェアを読み込むときのボーレート - Size(③)
実機のフラッシュメモリのサイズを 16MB,8MB,4MB の 3 種類から選択します。例えば,ATOM Matrix の場合は 4MB です。 - File Path(④)
青いフォルダボタンを押して,抽出したファームウェアを書き込むファイルパスを指定します。デフォルトのファイル名はesp32fw.bin
です。
右下にある青色の「Start」(開始)ボタンを押します。
プログレスバーが 100% になったら完了です。右上の「×」ボタンか,右下にある黄色の「Cancel」(中止)ボタンを押して終了してください。
続いて「10.2 独自ファームウェアを配布する」に進んでください。
10.1.2 PlatformIO 環境での作成
ここでは PlatformIO環境(コマンドラインやPlatformIO IDE for VSCodeなど)を使用して独自ファームウェアを作成します。
まず,platformio.ini
があるディレクトリに以下のスクリプトを置きます。generate_user_custom.py
は User Custom メニューからアップロードできるファームウェアをビルドして指定したディレクトリに保存するカスタムターゲット(firmware
という名前で指定)を作成するスクリプトです。
Import("env")
import os
firmware_name = env.GetProjectOption("custom_firmware_name")
firmware_version = env.GetProjectOption('custom_firmware_version')
firmware_suffix = env.GetProjectOption('custom_firmware_suffix')
firmware_dir = env.GetProjectOption('custom_firmware_dir')
if not os.path.exists(firmware_dir):
os.makedirs(firmware_dir)
firmware_bin = '%s_%s%s' % (firmware_name, firmware_version, firmware_suffix)
firmware_path = os.path.join(firmware_dir, firmware_bin)
app_bin = os.path.join('$BUILD_DIR','${PROGNAME}%s' % firmware_suffix)
env.AddCustomTarget(
name="firmware",
dependencies=['buildfs'],
actions=[
'"$PYTHONEXE" "$UPLOADER" --chip esp32 merge_bin '
'-o %s %s $ESP32_APP_OFFSET %s'
% (firmware_path, ' '.join([
addr + " " + name for addr, name in env['FLASH_EXTRA_IMAGES']
]), app_bin)
],
title="Generate User Custom")
次に,platformio.ini
に以下の設定を追加します。
[env]
...
custom_firmware_version = 0.0.1 # ファームウェアのバージョン番号
custom_firmware_name = atom_babies_firmware # ファームウェアの名前
custom_firmware_suffix = .bin # ファームウェアの拡張子
custom_firmware_dir = firmware # ファームウェアを生成するディレクトリ(相対パス)
...
[env:firmware]
...
extra_scripts = post:generate_user_custom.py
PlatformIO IDE for VSCodeの場合は PlatformIO メニューにある「Generate User Custom」をクリックします。
コマンドラインで実行する場合はpio run
を実行します。
pio run --target firmware
どちらの方法でも実行するとビルドが始まり,custom_firmware_dir
で指定したディレクトリ(この例だとfirmware
ディレクトリ)に[custom_firmware_nameの値]_[custom_firmware_versionの値][custom_firmware_suffixの値]
という名前(この例だとatom_babies_firmware_0.0.1.bin
)で独自ファームウェアが生成されます。
この方法で独自ファームウェアを作る雛形(「M5Burner v3 で独自ファームウェアを生成する雛形」)を GitHub に置きましたので,参考にしてください。
また,実際に ATOM Babies(ATOM Matrix でつくった,てのひらに乗るかわいいいきもの) の独自ファームウェアを作った例が「ATOM Babies ファームウェア for M5Burner v3」にありますので,参照してみてください。
10.2 独自ファームウェアを配布する
独自ファームウェアを配布する方法には,M5Burner v3 に表示して誰もが自由にインストールできる形で配布する(「10.2.1 公開で配布する」)方法と,M5Burner v3 には表示せずに共有コードを使用して必要な人たちにだけ配布する(「10.2.2 非公開で配布する」)方法の 2 通りあります。
独自ファームウェアを配布するには,M5Burner の User Custom メニューを選択します。
User Custom メニューを使うには M5Stack Community のアカウントが必要です。ここでは「Login Now」ボタンを押します。
ログインダイアログが表示されます。
M5Stack Communityのアカウントとして登録しているメールアドレス(Email)とパスワード(Password)を入力して「Login」ボタンを押します。
ログインに成功すると,右上にM5Stack Communityアカウントのユーザ名が表示されます。以下の画面では既に 1 つファームウェアが登録されている状態を示しています。
10.2.1 公開して配布する
独自ファームウェアを公開するには,User Custom メニューの左上に表示される「Publish」ボタンを押します。
「Publish Firmware」ダイアログが表示されます。
各項目の内容は以下の通りです。
- Name(名前,①)
独自ファームウェアの名前です。 - Version(バージョン,②)
独自ファームウェアのバージョンです。公式に合わせて「v0.0.1」の形式にしておくと良いでしょう。 - Description(ファームウェアに関する説明,③)
独自ファームウェアがどういった機能を持っているかなどを説明します。 - Device Type(デバイスの種類)
ファームウェアがどの M5Stack に対応しているかを設定します。M5Burner の左にあるメニューに対応しており,「ALL」を選択したときと,ここで指定したデバイスのメニューを選択したときにそれぞれ表示されるようになります。- Core
- Core2 & Touch
- CoreS3
- StickC
- StickV & UnitV
- T-Lite
- Atom
- AtomS3
- TimerCam
- Paper
- CoreInk
- Stamp
- StampS3
- Capsule
- Dial
- AirQ
- Cardputer
- DinMeter
- NanoC6
- Station
- Github(GitHub の URL,④)
独自ファームウェアの GitHub リポジトリの URL を指定します。指定するとファームウェアの表示で GitHub のアイコンが表示され,クリックすると GitHub のリポジトリに飛ぶようになります。 - Firmware(ファームウェアのバイナリ,⑤)
「+」ボタンを押して独自ファームウェアのバイナリを指定します。 - Cover(カバー画像,⑥)
ファームウェアを表示したときに左側に表示されるカバー画像です。アニメーション GIF や SVG にも対応しています。指定しなかった場合はデフォルトの画像が表示されます。
以下は M5Burner に独自ファームウェアが表示されたときの様子です。それぞれ Publish Firmware ダイアログで設定したそれぞれの内容が表示されていることがわかります。
項目を入力したら「Upload」(アップロード)ボタンを押します。
「Publish」ボタンを押すと全世界に公開されます。公開したファームウェアを非公開にするには「Unpublish」(非公開)ボタンを押します。アップロードした独自ファームウェアを削除したい場合は「Remove」ボタンを押します。「Detail」(詳細)ボタンを押すと Publish Firmware ダイアログが表示され,登録情報を確認することができます。
10.2.2 非公開で配布する
独自ファームウェアのベータ版をテスターに試してもらうなど,全世界に公開するのではなく,特定の人たちだけに公開したい場合は,非公開で配布する方法があります。
まずは「10.2.1 公開で配布する」の手順でいったん独自ファームウェアをアップロードした後,「Share」ボタンを押します。
他の人たちと共有するために必要なコード(Share Code)が表示されます。このコードを知っている人はその非公開の独自ファームウェアを入手して実機にインストールすることができます。
既に共有コードを伝えている人たちとの共有を終了したいなどの理由で共有コードを変更したい場合は,時計周りに丸い矢印ボタンを押します。ボタンを押すたびにコードが変更されます。
右上の「×」ボタンを押すと表示が消えます。
10.2.3 共有コードを使って非公開の独自ファームウェアを実機に書き込む
では,他の人から教えてもらったその共有コードを使って非公開の独自ファームウェアを実機に書き込んでみましょう。User Custom メニューの左上にある「Share Burn」(共有書き込み)ボタンを押します。
Share Burn ダイアログが表示されます。実機が接続されているポートを指定し,「Share Code」に教えてもらった共有コードを入力して青いボタンを押します。
実機への書き込みが始まります。出力に「Finished」と出たら書き込み終了です。左上の「×」を押してダイアログを閉じます。
11. 更新内容(独自調査)
2022 年 5 月 19 日版
- 初版
2022 年 8 月 5 日版
- シリアルモニタ(Serial Monitor)の追加
- ファームウェアリストの更新機能(Refresh Firmware)の追加
- 実機からファームウェアを抽出する機能(Firmware Exporter)の追加
- ファームウェアのデバイスタイプで Atom が抜けていたのを修正
- ファームウェアを書き込む際に WiFi を設定するダイアログに M5Burner が起動している PC の WiFi 情報(SSID とパスワード)を利用するボタンの追加
2022 年 8 月 16 日版
- M5Station メニューの追加
- User Custom の Device Type に Station を追加
- empty も追加されているが,おそらく Paper のミス
- バイナリアップデートの追加
2022 年 11 月 19 日版
- User Custom のファームウェアのダウンロード数がきちんと反映されるようになった
- User Custom のファームウェアを書き込む際に「This is an unofficial firmware, are you sure you want to continue?(非公式のファームウェアです。続行しても良いですか?)」という通知ダイアログが表示されるようになった
2022 年 12 年 24 日版
- T-Lite メニューの追加
- User Custom の Device Type に T-Lite を追加
- 2022 年 8 月 16 日版で User Custom の Device Type に追加された empty が きちんと Paper になった
2023 年 1 月 7 日版
- ATOMS3 メニューの追加
- User Custom の Device Type に AtomS3 を追加
- UIFlow v2.0.0(alpha)用ファームウェアの公開(ATOMS3 のみ)
2023 年 1 月 13 日版(20230113140000)
-
M5Burner/packages/appVersion.info
にバージョン番号が書かれるようになった?- 今回は 20230113140000
- Windows 版,Mac 版,Linux 版のサポートのための更新とのこと
2023 年 1 月 14 日版(202301132340)
- 更新内容不明
2023 年 2 月 17 日版(202302171200)
- StampS3 メニューの追加
- User Custom の Device Type に StampS3 を追加
2023 年 4 月 28 日版(202304281806)
- CoreS3 メニューの追加
- User Custom の Device Type に CoreS3 を追加
2023 年 5 月 27 日版(202305272000)
- UIFlow のファームウェアをダウンロードすると現れる Configurate ボタンを Configure ボタンに変更
2023 年 7 月 7 日版(202307072000)
- UIFlowのファームウェアをダウンロードすると現れる Configure ボタンがまた Configurate ボタンに戻ってしまった
- UIFlow2のファームウェアの Configurate ボタンを押したときに現れる設定ダイアログに Timezone の設定項目を追加
2023 年 7 月 13 日版(202307132000)
- Core2・TOUGH用UIFlow2ファームウェアの公開
- UIFlow2 のサムネイルの変更
2023 年 9 月 28 日版(202309281600)
- Core(BASIC/M5GO/GRAY)とM5CAPSULE用UIFlow2ファームウェアの公開
- User Custom の Device Type に Capsule を追加
- UIFlowのファームウェアをダウンロードすると現れるConfigurateボタンが再度 Configure ボタンに変更
2023 年 10 月 19 日版(202310191900)
- Dial メニューの追加
- User Custom の Device Type に Dial を追加
- Dial の UIFlow2 ファームウェアの公開
2023 年 11 月 02 日版(202311021900)
- 更新内容不明
2024 年 02 月 04 日版(202402041830)
- Cardputer,AirQメニューの追加
- User Custom の Device Type に Cardputer,AirQ を追加
2024 年 03 月 07 日版(202403071800)
- DinMeterメニューの追加
- User Custom の Device Type に DinMeter を追加
- USER CUSTOMのファームウェアのDetailでカバー画像がきちんと表示されない問題を修正
2024 年 04 月 26 日版(202404261800)
- NanoC6メニューの追加
- User Custom の Device Type に NanoC6 を追加
2024 年 05 月 24 日版(202405241800)
- Third Party Firmware メニューの追加
2024 年 07 月 24 日版(202407241700)
- 更新内容不明
12. 参考
- M5Burner v3 で独自ファームウェアを生成する雛形(PlatformIO 環境)(GitHub)
- ATOM Babies ファームウェア for M5Burner v3(PlatformIO 環境)(GitHub)
- M5Burner had updated(2022 年 8 月 5 日 23:39 の@M5Stackのツイート)
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