Zennでの執筆体験を加速させるエイリアス設定
はじめに
Zenn では ZennCLI と呼ばれるツールが公式から提供されており、GitHub を利用した記事の投稿、記事のバージョン管理ができます。Web ブラウザ上のエディタに縛られない柔軟な執筆環境を構築できる点が Zenn の大きな特徴です。普段、記事を執筆する中で ZennCLI のコマンドを叩くことが多くありますが、コマンドを毎回正確に叩くプロセスを簡略化して記事の執筆に専念したいと思い、エイリアスを作成することで記事の執筆に集中できる環境を作成しました。
作成したエイリアスの一覧
以下のエイリアスは MacOS のデフォルトシェルである Zsh
で利用するものになります。また記事を管理するディレクトリへのパスは環境によって各自読み替えてください。WSL2(Ubuntu Zsh)・Macbook(Zsh)にてそれぞれ動作確認済みです。
# ZennCLI用にに定義したエイリアスの確認用
alias agzenn='alias | grep zenn'
# Zennのコンテンツ管理に移動
alias zenn='cd ~/Documents/my-zenn-contents'
# Zennのコンテンツ管理ディレクトリに移動してVSCodeで開く & プレビュー表示
alias zennop='zenn && code ~/Documents/my-zenn-contents && npx zenn preview --open'
# 新しい記事をランダムなスラッグで作成
alias zennna='zenn && npx zenn new:article'
# 新しい記事をスラッグを指定して作成
alias zennnas='zenn && npx zenn new:article --slug'
# 新しい本をランダムなスラッグで作成
alias zennnb='zenn && npx zenn new:book'
# 新しい本をスラッグを指定して作成
alias zennnbs='zenn && npx zenn new:book --slug'
# ブラウザ上でプレビューを開く
alias zennpr='zenn && npx zenn preview --open'
# ZennCLIのバージョン確認
alias zennv='zenn && npx zenn --version'
# ZennCLIのアップデート
alias zennup='zenn && npm install zenn-cli@latest'
すぐ執筆環境を立ち上げるオールインワンエイリアス
Zenn の執筆をすぐ行いたいとき用のエイリアスを定義したら以下のようになりました。&& でつないでおり、かなりごちゃごちゃしていますが、個人的なオールインワンなエイリアスになります。
- Zenn のディレクトリに移動
- VSCode でディレクトリを開く
- ブラウザで記事のプレビュー
が順番に実行されます。以下の エイリアスを定義することで ZennCLI を使って記事をすぐに書き始める環境が一発で立ち上がります。
# Zennのコンテンツ管理ディレクトリに移動してVSCodeで開く & プレビュー表示
alias zenn='cd ~/Documents/my-zenn-contents' # 共通処理 ディレクトリ移動
alias zennop='zenn && code ~/Documents/my-zenn-contents && npx zenn preview --open'
ポイント
ZennCLI をローカルにインストールしているため、基本的に npx を使ってコマンド実行します。npx コマンドの実行の際にエイリアス zenn
で Zenn コンテンツ管理ディレクトリへ必ず移動するようにしています。
コンテンツ管理ディレクトリへのアクセス
記事を管理しているディレクトリ(my-zenn-contents)へすぐ移動できるように zenn
というエイリアスを設定しています。
# ドキュメントディレクトリ内にあるコンテンツ管理ディレクトリへアクセス
alias zenn='cd ~/Documents/my-zenn-contents'
移動先に絶対パス(フルパス)を指定しているため、どのディレクトリで作業していても、zenn
と打つだけですぐにコンテンツ管理ディレクトリへ移動します。
私は、Zenn の記事を執筆する際にVisual Studio Codeというエディタを Zenn の記事を書くときに利用しています。VSCode の利点として、指定したディレクトリを VSCode 上で瞬時に開くことのできる Code コマンド
の存在があります。Code コマンドについては以前、Zenn 記事にまとめています。
以下のようなコマンドで、別のディレクトリで作業していても VSCode で Zenn のコンテンツ管理ディレクトリをすぐに開いてくれます。
# Zennのコンテンツ管理ディレクトリをVSCodeで開く
$ code ~/Documents/my-zenn-contents
記事や本のプレビュー
VSCode にはデフォルトでマークダウンのプレビュー機能があるため、マークダウンファイル(.md)をその場でプレビューしながら書くことができます。しかし、Zenn には Zenn 独自のマークダウン記法(メッセージやアコーディオン(トグル))があるため VSCode のプレビュー機能では完全にプレビューできません。そこで ZennCLI には、localhost
でサーバーを立ち上げて Zenn 上でどのように表示されるのかを投稿前に確認できる Zenn Editor
があります。ホットリロードに対応しているため、ローカルで加えた変更を瞬時に反映しながら記事を書いていくことができます。
$ npx zenn preview
と実行し、ブラウザでlocalhost:8000へアクセスすると ZennEditor
が起動しており、ブラウザ上での見え方をリアルタイムで確認できます。
この機能を簡単に呼び出すために、zennpr
というエイリアスを設定しています。エイリアスを使うことで、プレビューを開くときのコマンドを npx zenn preview
を簡略化でき時短に繋がります。
エイリアスの中で、プレビューコマンドに加えて --open
オプションを追加しているところがポイントになります 。
# 記事と本のプレビュー
alias zennpr='zenn && npx zenn preview --open'
公式ドキュメントには詳しく記載がありませんが、ここで --open
というオプションをつけることで、デフォルトのブラウザでプレビュー画面が自動的に開かれるようになります。予めエイリアスに--open オプションを含めておくことですぐにプレビューできるようにしています。ローカルで記事の修正をしたときなどすぐに見え方を確認できるのはとても便利です。
新しい記事・本の作成
ZennCLI を使って新しい記事・本を作成するときのコマンド、npx zenn new:article
を zennna
、npx zenn new:book
を zennnb
としています。記事と本とでエイリアスの後ろを(new:article , new:book)をそれぞれの頭文字にしてわかりやすくしました。記事にはスラッグ(任意の記事名)を指定でき、npx zenn new:article
とするとランダムのスラッグにて記事が作成されます。スラッグを付ける場合はコマンドの後ろにそれぞれ、--slug
というオプションを付けることで任意のスラッグをつけることができます。私は記事ごとに個別のスラッグをつけて管理することが多いので、zennnas
、zennnbs
のようにスラッグオプション(--slug)を含めたエイリアスも定義しています。
# 新しい記事をスラッグを指定して作成
alias zennnas='zenn && npx zenn new:article --slug'
# 新しい本をスラッグを指定して作成
alias zennnbs='zenn && npx zenn new:book --slug '
エイリアスに続けて、付けたいスラッグを続けるだけで簡単にオリジナルのスラッグをつけて記事を作れるので便利です。
$ zennnas alias-of-zenncli(本記事のスラッグ)
スラッグ以外に、絵文字やタイトル、本の販売価格など作成時に利用できるオプションは数多くあるので、詳しくは以下の公式記事を参考にしてみてください。
まとめ
今回、Zenn の執筆をするときに活用しているエイリアスについて紹介しました。
ZennCLI・ZennEditor は Zenn ならではの機能でとても革新的なものだと感じています。この執筆体験をさらに良いものにするため、エイリアスなどで柔軟にカスタマイズすることで、更に執筆へと集中できる環境が出来上がりました。
今回紹介したエイリアスは執筆中になんども使うコマンドであるからこそエイリアスの定義で簡略化し、目的である記事の執筆に集中できる環境作りというコンセプトで考えたものになります。あくまで個人的な運用なので、ベストプラクティスとはいえませんが、あくまで参考程度に各々が使いやすいように設定して見てください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。