UE5(Unreal Engine)のNiagara(ナイアガラ)について
こんにちは。鷹司です。
今回はおすすめNiagaraについて語ります。
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Niagaraの機能は小さい粒子の動きや大きさ、形状を変更して、
自由な表現を可能とするUE5(Unreal Engine)における強力な機能です。
Niagara(ナイアガラ)の基本と応用
ナイアガラは、炎や煙、爆発、雷など、特別なエフェクトを作るための機能です。
このナイアガラを使いこなせるようになれば、シーン作成の幅を大いに広げることができます。
それでは、さっそくナイアガラをいじっていきましょう。
Niagara(ナイアガラ)のフォルダ作成
まず、コンテンツの何もないところを右クリックして新規フォルダを作成します。
フォルダ名は「Niagara」としておきます。
Niagara(ナイアガラ)システムの作成
Niagaraフォルダの中に入り、右クリックを押して選択肢から「Niagaraシステム」を選択します。
すると、いくつかのナイアガラエミッタが表示されます。
Niagara(ナイアガラ)の基本概念
Niagaraは、立方体や球といったパーツ(パーティクルと呼びます)を一定の方向に放出させることで、様々な視覚効果を出す機能です。
エミッタには、立方体や球などの単純なパーティクルを、数を変えたり、
一定方向または分散させて動きをつけたり、大きさを変えたりするテンプレートが含まれています。
単純な素材でも、粒子のように細かくして動きをつけることで、炎や煙、雨や雪、
レーザー光線などの表現が可能です。
Fountainエミッタの使用例
たくさんのエミッタがありますが、今回は「Fountain」を例に説明します。
これを左クリックして、右下の「作成」を押しましょう。
するとフォルダに「NewNiagaraSystem」が作成されました。
次章でこの「NewNiagaraSystem」の設定をいじってみましょう。
NewNiagaraSystemの編集
作成された「NewNiagaraSystem」をダブルクリックして開きます。
すると、このようにたくさんパネルのある画面が表示されます。
この画面では、分かりにくいかと思いますので、
こちらの「スケーラビリティ」をクリックしましょう。
すると、マテリアルのグラフのような画面が表示されます。
そしたら、Fountainのプロパティをクリックし、右側エミッターの項目の中にある
Local Space にチェックを入れましょう。
そうすることで、左側のビューに小さい粒子が表示されるようになります。
プレビューパネルの見方
この画面の見方ですが、白い雪のようなエフェクトが表示されている箇所がプレビューパネルです。
実際にレベル上と同じように、パースペクティブのボタンから様々な角度で確認できます。
Fountainエミッタのスポーン設定
右側にある「Fountain」のエミッタのスポーンについては、
+ボタンを押すことでエミッタを追加できます。
現在、エミッタは下から上に向かって吹き上げるような動きになっていますが、
この動きや、動きを構成するモジュール(部品のようなもの)を追加できます。
エミッタの更新
エミッタの更新については、選択すると右側の詳細タブに各種設定項目が表示されます。
まず、一番上にあるのは「LifeCycle」です。
ここでは、左側のエミッタ(下から上に向かって吹き上げる一連の動き)(LifeCycle)を設定できます。
ループの設定
現在、この動きはLoop BehaviorによってInfiniteに設定されており、永遠に繰り返されます。
これをOnceにすると動きが一度きりになり、Multipleにすると指定した回数再生できます。
Loop Durationでは、この動きがループする時間を指定できます。
Loop Delayにチェックを入れて数値を入力すると、
動きが一度終わった後に指定した時間、間をあけて再生させることができます。
例えば、一定間隔で噴き出す噴水の水などを表現する際に使えます。
パーティクルの割合設定
次に「Spawn Rate」について説明します。
これは噴き出している物体(パーティクル)の割合(rate)を変更できる箇所です。
この数値を上げると、左側のパーティクルの数が一気に増えます。
パーティクルのスポーン設定
続いて、パーティクルのスポーン設定について説明します。
こちらを選択すると、右側に各種項目が表示されます。
まず、「Point Attributes」について説明します。
ここでは、パーティクルが出現してから消えるまでの長さを設定できます。
現在、このパーティクルは下から上に吹き上げられた後、重力によって下に下がり、
地面に落ちる前に消えていきます。
たとえば、「Lifetime Max」を現在の1.75から10に変更すると、
パーティクルが下の方まで落ちてきて、最後まで消えずに残っているのが分かります。
では、この値を1.75に戻しておきます。
パーティクルのカラー設定
次に、パーティクルの色を変更する方法について説明します。
色を変更することで、水の流れや桜吹雪、火山灰なども表現できるようになります。
パーティクルのサイズ設定
「Sprite Attribute」については、パーティクルのサイズを変更できます。
例えば、「Uniform Sprite Size」に100と入力すると、
パーティクルが非常に大きくなります。では、この値を12に戻しておきます。
パーティクルの動作範囲設定
「Shape Location」については、パーティクルが動く範囲を変更できます。
現在は「Sphere」に設定されているので、パーティクルは球の半径を描くように動いています。例えば、「Shape Primitive」の選択肢から「BOX」を選択すると、
動きが若干変化します。
これは、BOX(立方体)の縦横の範囲にパーティクルの動きが広がったことを示します。
動きの範囲は、指定した「Shape Primitive」の下に表示される数値から変更できます。
パーティクルにかかる力の設定
「Add Velocity」については、放出されるパーティクルにかかる力を調整できます。
「Velocity Mode」は現在「In Cone」に設定されており、円錐形の範囲でパーティクルが下から上に上がってきて横に広がるように力が加えられています。
この設定を「Liner」に変更すると、
下から噴き出したパーティクルがこぼれ落ち、一定方向に直線的に流れる動きに変わります。
さらに、Velocityの各値を変更すると、
XYZの方向に応じて力の加わり方が変わり、全く異なる動きを表現できます。
値は元に戻しておきます。
Velocity Modeの設定
次に、「Velocity Mode」を「From Point」に設定すると、
ある一点からパーティクルが噴き出す動きになります。
「Minimum」と「Maximum」で力の加減を変更できます。例えば、Maximumを上げると、
パーティクルの噴き出し方が変わって面白い効果が得られます。
では、数値を元に戻し、
「Velocity Mode」を「In Cone」にしておきます。
パーティクルの更新設定
続いて、パーティクルの更新設定について説明します。
こちらも選択すると、右側の詳細タブに設定項目が表示されます。
重力の調整
「Gravity Force」については、パーティクルへの重力のかかり方を調整できます。
例えば、現在はZ軸の値が-980となっており、パーティクルは上から下に流れています。
この値を100に変更してみると、
パーティクルが下から上に流れ、下に落ちなくなります。さらに、X軸に1000を入力すると、
パーティクルがX軸方向に流れます。
次に、X軸を0に戻して、Y軸に1000を入力すると、
パーティクルがY軸方向に流れます。
このように、Gravityの値を変更することで、
パーティクルの動きを様々な方向に調整することができます。
スプライトレンダリングの設定
続いて、最後に「レンダリング」をクリックすると、右側の詳細タブに「スプライトレンダリング」という項目が表示されます。
ここでは、マテリアルの設定を行います。
現在は「DefaultSpriteMaterial」が設定されていますが、
これをクリックして他のマテリアルに設定することで、
パーティクルの見た目を変更することができます。
Ctrl+Zで元に戻しておきます。
Niagara(ナイアガラ)で簡単な炎を作成
それでは、このナイアガラを使って、簡単な炎を作ってみたいと思います。
まず、「Fountain」のパーティクルのスポーンを選択し、
「SpriteAttributes」の「Uniform Sprite Size Min」に50、
「Uniform Sprite Size Max」に180を設定します。
次に、下にスクロールして「Add Velocity」を選択し、「In Cone」から「Linear」に変更します。
パーティクルが下方向に流れてしまっているので、「パーティクル更新」を選択します。
右側の「Gravity」のZに350を入力します。
これで形状は炎のようになったかと思います。
最後に、「パーティクルのスポーン」を選択し、
「Point Attribute」の中の「Color」を選択します。
「Hex sRGB」の欄に「c44303」と打ち込み、Enterキーを押します。
すると、炎の見た目になったかと思います。
では、左上の保存ボタンを押してナイアガラのタブは閉じておきます。
作成した炎をレベルに配置
レベル上でこの「Fire」をレベルにドラッグアンドドロップしてみます。
レベル上に配置すると、このようにゆらゆらと燃え続けます。
ナイアガラで作成したものは常に動きのあるもので、
作成しているシーンをより豪華で自然な見た目にしてくれます。
簡単ではありますが、ここまでがNiagaraの解説となります。
Niagaraについては、小さな粒子の流れや形を変えることで様々なものを表現できます。
このNiagaraの操作に慣れてきたら、まずは簡単な水や炎、煙を作成してみて、
そのあとは雷やレーザー、RPGの魔法のエフェクトなど、徐々に高度なものを作っていくのが良いでしょう。
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