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Tableau 2022.3 リリース記念 新機能まとめ🎉

2022/10/24に公開

Tableau 2022.3 リリース記念 新機能まとめ 🎉

Tableauでプリセールスエンジニアをしている @rsugimura17 です。Tableau 2022.3 が2022年10月18日にリリースされました。Tableau 2022.3のリリースを記念して新機能の紹介をしていきます。

なぜ記事を書いたか

Tableau公式の新機能紹介ページはありますが、下記の理由から記事を書きました。

  1. Tableauの2022.3 紹介ページ以上に、機能の詳細をもう少しわかりやすくユーザーに届けたい
  2. 新機能の紹介はあっても、利用手順に関するTableau公式ヘルプがリンクされていないため、興味を持った機能を試しづらいことを解消したい

この記事ではすべての新機能の利用手順をまとめることはせず、利用手順はTableau公式のオンラインヘルプに任せています。

機能の使い方は、各機能の紹介の最後に公式リンクを添付しているので、Tableauのオンラインヘルプ記事を参照ください。

機能サマリ

Tableau Desktop

#1 データガイド
#2 動的ゾーン表示
#3 テーブル拡張機能
#4 Salesforce Marketing Cloud コネクタ
#5 Tableau External Actions
#6 ディメンションをメジャーとしてコピー

Tableau Prep

#7 データグリッドから値をコピーする
#8 CRM AnalyticsにPrepフローの出力を書き込む

Tableau Cloud/Server

#9 データガイド
#10 共有するコンテンツへのアクセス権付与
#11 Web編集機能の強化
#12 Tableau Cloud の新しい Google BigQuery コネクタ
#13 パブリッシュされたデータソースの編集
#14 データストーリーがすべてのデータソースで利用可能
#15 コンテナー内での動的スケーリング
#16 Tableau Server のアクティビティログ
#17 Tableau Prep Conductor のエラーメッセージの改善
#18 仮想接続向けのクラウドベースのファイルコネクタ

Tableau Desktop

#1 データガイド

Tableau のダッシュボードを見たときに、データの意味や使用方法について疑問に思ったことはありませんか? ダッシュボードを公開するときに、ダッシュボードの使用方法に関する説明を含めたいと思ったことはありませんか?

データ ガイドは、Tableau の右側にある新しいペインです。ユーザーがダッシュボードまたは ビューに関連するコンテキストを入力することができます。Vizの説明、追加のリソースリンク、Vizに追加されたフィルター情報、利用したフィールド、データサマリーなどが表示されます。
そのほか、ユーザーは、データの外れ値やデータの変化傾向などの関連情報をすばやく特定することができます。


データガイド


ダッシュボードの説明、Vizの説明は1,000文字まで入力可


URLの追加数は制限なし

参照ヘルプ:Explore Dashboards with Data Guide

データガイドはTableau Desktopに限らず、Tableau Cloud/Serverでも閲覧可能です。Viewerなどの閲覧者に向けたコンテキストとして重要な役割をもつ機能になるはずです。

日本のTableauユーザーも注目の機能です。

#2 動的ゾーン表示

ダッシュボード ゾーンを動的に表示および非表示にすることで、ダッシュボードの作成者は、ダッシュボードの要素を動的に表示するインタラクティブなダッシュボードを作成できます。Tableauのダッシュボードの可能性を広げる機能です。


Furniture をクリックするとパックバブル


Technology をクリックするとツリーマップ


Tableau Tim のYoutubeから引用させていただきました

Video: Dynamic Zone Visibility: New in Tableau 2022.3

海外ユーザーが続々と動的ゾーン表示を使用し始めています。

Tableauのオンラインヘルプでは動的ゾーン表示の効果的な例を見つけることが難しかったため、基礎的な使い方をYoutubeで解説してみました。

https://youtu.be/w3kaDfMGhOk

Youtubeの解説動画についてyamayanさんからコメントいただきました。

参照ヘルプ:Use Dynamic Zone Visibility

#3 テーブル拡張機能

Tableauのテーブル拡張機能は、Python、R、Einstein Discoveryを使った分析拡張機能です。入力テーブルから処理スクリプトによりテーブルを出力することができます。今までの分析拡張機能は、Tableauの計算フィールドを介してPython、R、Einstein Discoveryと連携し計算の処理結果を返すことができました。テーブル拡張機能により、分析列計算だけでなく、テーブル加工を含む処理ができるようになります。

TableauのData Science and Machine Learningを専門とするソリューションエンジニアの投稿と利用例です。

https://www.linkedin.com/posts/amirmeimand_python-r-sagemaker-activity-6980191480317431810-Rx6y?utm_source=share&utm_medium=member_desktop

テーブル拡張機能を使ったときに、ライブ/抽出が選択オプションにないことに気付いたでしょうか?

ライブ/抽出の選択が存在しない

公式ヘルプには本機能の接続仕様については言及されていませんが、テーブル拡張機能のデータベースを確認すると、ローカルにHyperファイルを生成していることがわかります。


テーブル拡張機能のデータベースの所在

スクリプト処理時に2つのHyperファイルが作成されており、それぞれをTableau Desktopで開くと入力テーブルと出力テーブルがHyperファイルとして保存されています。


ローカルディレクトリ内にHyperが保存

内部の処理では、テーブル拡張機能の処理スクリプト実行時に入力テーブルの抽出を行い、出力テーブルも抽出を行なっていそうです。

参照ヘルプ:Table Extensions

tweet dataの例ではPythonスクリプトを実行しています。tweet dataを処理した処理スクリプトのコードは以下の通りです。

サンプルデータから一部抜粋

処理スクリプトの内容

 # ライブラリのインポート
import pandas as pd
from collections import Counter
import string
import re
import nltk
nltk.download('stopwords')
nltk.download('punkt')
from nltk.tokenize import word_tokenize
from nltk.corpus import stopwords

stop_words = stopwords.words('english')
from textblob import TextBlob

df = (pd.DataFrame(_arg1))

# 7000行のデータに制限する df = df[:7000].
def clean_tweets(tweets):
    # ツイートから http を削除する tweets = re.sub('http', '', tweets) tweets = re.sub('https', '', tweets)
    # トークン化して小文字にする
    tweets = word_tokenize(tweets)
    tweets = [w.lower() for w in tweets]
    # 句読点を外す
    table = str.maketrans('', '', string.punctuation)
    remove_punct = [t.translate(table) for t in tweets]
    words = [word for word in remove_punct if word.isalpha()]
    # ツイートからストップワードを除去
    stop_words = set(stopwords.words('english'))
    return [w for w in words if not w in stop_words]
# Tweetカラムにclean_tweetsを適用する
df['Clean_Tweets'] = df['Tweets'].apply(clean_tweets)

# word count functionを定義
def counter(tweets):
    cnt = Counter()
    for words in tweets:
        for word in words:
            cnt[word] += 1
    return cnt

word_cnt = counter(df['Clean_Tweets'])
most_common_words = word_cnt.most_common()

# word count dataframeを定義
twitter_word_counts = pd.DataFrame(most_common_words, columns = ['Words', 'Counts'])

# word count dataframeをソート
twitter_word_counts = twitter_word_counts.sort_values(by='Counts', ascending=False)
twitter_word_counts = twitter_word_counts[:250]

# センチメントスコアとラベルを計算する
sentiment_scores = [round(TextBlob(tweet).sentiment.polarity, 3) for tweet in twitter_word_counts['Words']]
sentiment_category = ['positive' if score > 0 else 'negative' if score < 0 else 'neutral' for score in sentiment_scores]
twitter_word_counts['Sentiment'] = sentiment_category

return twitter_word_counts.to_dict(orient='list')

TableauからPythonスクリプトを処理するためには、TabPy(Tableau Python Server)をインストールし、設定する必要があります。

Tableau Prepユーザー会でいつも活躍されるNULLさんにも早速使っていただいています。

参照ヘルプ:TabPy
参考記事:Tabpyとは?コンセプトやメリット、インストール方法まで解説
Tabpy - Tableau + Python 連携 を使ってみよう!(その1:Tabpy導入編)

#4 Salesforce Marketing Cloud コネクタ

TableauからSalesforce Marketing Cloud のコネクタが追加されMC EngagementのデータをTableauへ連携することができます。

Salesforce Marketing Cloudコネクタのメリットは以下となります。
・メール配信履歴/配信結果やBU内のデータエクステンションを利用可能
・メール配信履歴/配信結果が6ヶ月以前も取得可能
・メール配信履歴/配信結果のデータビューを結合することなく、事前に用意されたデータソースを使うことで開・封数、クリック数など取得可能


Marketing Cloudコネクタ

参照ヘルプ:Marketing Cloud

#5 Tableau External Actions

Tableau Enternal Actionsは、選択したデータをSalesforce内のSalesforce フローに送信し、Salesforceのアクションを実行することができます。Tableauのビューから直接Salesforceの自動化フローを実行し、作業の流れの中でデータのインサイトからアクションを起こします。こちらの機能は、Tableau CloudとTableau Serverで利用可能です。


ダッシュボードにワークフローが追加

この機能は、2022.3 リリースの一部として含まれるプレビュー機能として利用可能になっています。

参照ヘルプ:Integrate External Actions

#6 ディメンションをメジャーとしてコピー

修飾キー (Windows: Ctrl キー、OSX: Cmd キー) を押しながら、ディメンションとメジャーの区切り線上にディメンションをドラッグするだけで、そのディメンションがメジャーとしてコピーされます。

Tableau 2022.3 New Features:ディメンションをメジャーとしてコピー

Tableau Prep

#7 データグリッドから値をコピーする

Tableau2022.3から、Tableau Prepのデータグリッドから選択した値のセットをコピーして、任意のドキュメントに貼り付けることができるようになりました。この機能は、2022年8月からTableau Cloudでも利用できるようになりました。

参照ヘルプ:Copy field values in the data grid

#8 CRM AnalyticsにPrepフローの出力を書き込む

Tableau Prepでオンプレミスまたはクラウドデータをクリーニングして、CRM Analyticsに出力することができるようになりました。


Tableau Prepの出力からCRM Analyticsを選択

CRM Analytics にデータを出力するフローは、コマンド ライン インターフェイスを使用して実行できません。Tableau Prep Builder を使用するか、Tableau Prep Conductor で Web 上のスケジュールを使用して、フローを手動で実行できます。

参照ヘルプ:Save flow output data to Datasets in CRM Analytics

Tableau Cloud/Server

#9 データガイド

Tableau Desktop のデータガイド機能は、Tableau Cloud/Serverのダッシュボードを見たときにも使用できます。データの意味や使用方法について、ユーザーがダッシュボードまたは ビューに関連するコンテキストを入力することができます。Vizの説明、追加のリソースリンク、Vizに追加されたフィルター情報、利用したフィールド、データサマリーなどが表示されます。そのほか、ユーザーは、データの外れ値やデータの変化傾向などの関連情報をすばやく特定することができます。


Tableau Cloud/Server上のデータガイド

参照ヘルプ:Explore Dashboards with Data Guide

デフォルトでデータガイドを開くかどうかをマイアカウント設定で選択することができます。

データガイドのデフォルト表示設定

#10 共有するコンテンツへのアクセス権付与

ユーザーは Tableau Server または Tableau Cloud でそのコンテンツを表示する権限を持っている必要があります。コンテンツに権限を設定できる場合、コンテンツを共有する際に、ユーザーに閲覧権限がない場合は権限の付与の選択が表示されるようになりました。


ダッシュボードの共有ボタン


任意のユーザーへの共有


コンテンツを表示する権限の付与の選択

参照ヘルプ:Grant access to shared content

#11 Web編集機能の強化

  1. データ型を変更
    Web での作成作業中に、データペインからフィールドのデータ型を変更できるようになりました。操作方法は Tableau Desktop の場合と同じです。フィールド名の左にあるアイコンをクリックし、ドロップダウンリストから新しいデータ型を選択します。
  2. 書式設定の強化
    Web 作成者は、表内の枠線と境界線の書式を設定して、好みのスタイルを選べるようになりました。


Web編集時のデータ型の変更


表内の枠線と境界線の書式設定の強化

#12  Tableau Cloud の新しい Google BigQuery コネクタ

Tableau Cloud の新しい Google BigQuery コネクタは、Storage Read API を活用してより迅速に抽出を作成できるようになっており、初期 SQL やクロスプロジェクト結合などの接続オプションでより詳細なカスタマイズが可能になっています。

#13  パブリッシュされたデータソースの編集

Tableau 2021.4 で追加されたパブリッシュされたデータソースの編集は、当時OAuthトークンを使用するデータベースはサポートをしていませんでした。BigQueryやSnowflakeのデータソースではTableau Cloud/Tableau上でのデータソースの編集はできず、Tableau Desktopにダウンロードして編集を行う必要がありました。Tableau2022.3 ではBigQueryやSnowflakeのようにOAuthトークンを使用するデータベースにおいても接続方法によって編集ができるようになりました。


サービスアカウント使用時に BigQueryデータソースの編集可

パブリッシュされたデータ ソースの編集では、以下をサポートしていません。

  • Tableau Cloud の Tableau Bridge コネクタ
  • Tableau Cloud と Tableau Server に埋め込まれたパスワードを使用するデータ ソース

参照ヘルプ:パブリッシュされたデータ ソースを編集する

#14 データストーリーがすべてのデータソースで利用可能

対応するすべてのデータソースで、データストーリーが利用できるようになりました。


データストーリー

参照ヘルプ:Tableau データ ストーリーを作成する (英語のみ)

#15 コンテナー内での動的スケーリング

Kubernetes を使用して Docker コンテナーでバックグラウンダーとそれを支えるプロセスを拡張できるようになりました。Tableau Server 管理者はこれまで、負荷のピーク時のために費用をかけて環境の規模を拡大するか、費用を節約する代わりにバックグラウンダープロセスの完了までに長い遅延が生じることを許容するかの選択を強いられました。現在は、必要に応じてバックグラウンダーリソースを追加し、ピーク時を過ぎたら停止することで、コストとパフォーマンスのトレードオフをコントロールできるようになっています。

こちらの機能は、Tableau Server 用の Advanced Management を利用の場合に限ります。また、自動スケーリングバックグラウンダーは Kubernetes でのみ使用できます。

参照ヘルプ:Dynamic Scaling in a Container - Tableau Server Backgrounders

#16  Tableau Server のアクティビティログ

ログ イベントを Amazon Simple Storage Service (S3) に送信し、パーミッションの変更イベントを追跡できます。
こちらの機能は、Tableau Server 用の Advanced Management を利用の場合に限ります。

  • Tableau サイトで誰が何をしているかを追跡
    • グループからのユーザーの追加または削除
    • あるプロジェクトから別のプロジェクトにコンテンツを移動
    • コンテンツのパーミッションを明示的に変更

参照ヘルプ:Activity Log

#17  Tableau Prep Conductor のエラーメッセージの改善

Tableau Prep Conductor でフロー実行時のエラーのトラブルシューティングを行えるようにするため、400 以上のエラーコードを追加し、エラーメッセージを改善して、根本的な原因とトラブルシューティングステップを明確に把握できるようにしました。

こちらの機能は、Data Management を利用の場合に限ります。


Tableau Prep Conductorのエラーメッセージ例

#18 仮想接続:クラウドベースのファイルコネクタ追加

仮想接続に含めたいデータへの接続に、クラウドベースのファイルを使用できるようになりました。ファイルコネクタには、クラウドにある標準的なファイルタイプ(例えば、BoxやGoogle DriveのCSVファイル)やクラウドベースのドキュメント(例えば、Google Sheets)などがあります。仮想接続でサポートされているファイルコネクターは、Azure Data Lake Storage Gen2、Box、Dropbox、およびGoogle Driveです。


仮想接続にクラウドベースのファイルコネクタが追加

仮想接続についてご存知ない方は以下を参照ください。
参考:Tableau 2021.4 - 仮想接続

リソース

本記事に関する詳細については、次のリソースを参照してください。

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