2025年度ITストラテジスト試験振り返り
はじめに
本記事は令和7年度(2024年)春期のIPA「ITストラテジスト試験(ST)」の振り返りをするものです。
受験期に感じたことや学んだことは以下ツリーにてリアルタイムに投稿していました。
結果としては、おそらく午後1で落ちてると思います。
私の属性
- 30代前半
- 一児の父
- 某外資系IT勤務
- IPA試験の経験は10年ほど前に基本情報を取得したのと、前年秋にPM試験を受験して落ちました…
- PM試験の振り返り記事はこちら
- 現在の主な業務は業務改革・改善系のコンサル兼エンジニア
という名の便利屋 - ビジネスモデル立案やDX企画立上げの経験は無し
受験理由
「攻めのDX」を学びたかった
私はこれまで、既存業務の抜本的な改革・業務フローの見直し・自動化効率化ツールの開発といった、いわゆる「守りのDX」に取り組んできました。
守りのDXに従事するうえで、「成果」ではなく「工数」に対して報酬が支払われるという商習慣に強い違和感を覚えてきました。生産性を上げれば工数は減る。すると売上も減る。つまり、効率化すればするほど損をするという構造です。
せっかく業務が効率化されても、「もう手がかからなくなったので契約終了です」と言われてしまう。それを避けるために、“自社を外すと回らない仕組み”をわざわざ作るという、不健全な判断が求められることすらあります。
本来なら、業務改善の先にある事業成長や新たな価値の創出こそが本当のゴールであるはずです。私は、たとえ「守りのDX」がきっかけであっても、その先の「攻めのDX」までを一貫して提案・実行できるようになりたいと考えていました。
ITストラテジスト試験を通じて経営や事業全体の視点から物事を捉える力を磨き、目の前の仕事を“工数を埋めるための作業”ではなく、“価値につながる提案”として形にしていきたい。それを実現するための知見を体系的に得ることができることを期待して、ST受験を決めました。
作業減らした分の工数と金を価値創出に充てたいよ、の雑な図
あとは単純に今の業務に飽きてきたので、もっとアップサイドの業務に携わりたいというのもあります。(これが本音)
勉強時間
計143:16でした。
PM試験のとき(計123:31)よりは勉強したものの、PM試験のときは公私ともに多忙だったことと、今回のほうが取り掛かりの開始が早かったことを踏まえると「もう少し頑張れたのではないか」という反省はあります。
午前2については、PM試験で想定外の足切りを喰らったトラウマもあり手厚めに学習しました。
勉強法
午前1
免除のため勉強なし
午前2
以下の書籍とアプリを使用しました。
「ALL IN ONE」は、午前2に関連する知識が網羅されており買って良かったと感じています。
「情報処理教科書 高度試験午前Ⅰ・Ⅱ」はPM試験時に購入したものです。他区分の過去問からSTでも出そうな問題も予測されており、PM試験のトラウマがあった私はそれらの問題も一通り学習しました。
アプリに関しては隙間時間にちょこちょこ使用していました。
午後1
以下の参考書をもとに解き方を研究しました。
あとはひたすら実戦しました。
具体的には印刷した過去問を解き、参考書の解説を読んで解答とそこに至る過程に齟齬が無いかを確認しました。
たまにIPAの講評でも「正答率が低かった」と書かれており、解説を読んでも「こじつけでは?」と思うような問題に出くわすことがありましたが、それは問題が悪いものだと切り捨てるようにしてました。
午後2
午後1で挙げた書籍に加え、論文の書き方を学ぶ目的で以下の参考書も購入しました。
PM試験でも同シリーズは持っているのですが、ベースは同じ内容でした。
論文サンプルは役に立つかと思います。
こちらもひたすら紙ベースで実戦しました。
思いつかないテーマや回答の整合性などはChatGPTと会話しつつブラッシュアップしていきました。
ChatGPT使用時の注意点ですが、基本的に高評価しか出さないです。
なので、あらかじめ忖度しないようチューニングするか、「もっと良くするにはどうしたらいい?」という聞き方でブラッシュアップする使い方をするのが良いかと思います。
その他
知識補填のために以下の書籍とサイトで学習/情報収集しました。
書籍
サイト
試験前1週間の動き
試験7日~2日前
PM試験のときは生活のリズムに気を配ってましたが、今回は特に意識しませんでした。
というよりどうしても早起きができず、朝勉強できなかったため夜に勉強して就寝時間が遅くなり、、の負のスパイラルに陥ってました。
この時期は主に午後1,2の学習をしていました。
試験前日
あまり疲れたくなかったので午後問題はせず、午前2の見直しをしました。
ずっと見て見ぬふりをしてきた計算問題にこのタイミングで向き合い、結局疲れました。
試験当日
午前1が免除だったのでギリギリまで寝てました。あやうく遅刻するところでした。
持って行く物
PM試験と同じ物を持って行きました。
- 受験票
- これ忘れたら受験できないので、必ず出発前に忘れてないか確認しましょう
- 証明写真は「ピクチャン」というサービスを使いました。スマホで撮った写真をコンビニで200円で印刷できるという優れものです
- シャープペンシル(2本)
- シャーペンの替え芯
- 消しゴム(2個)
- 定規
- 時計
- 私が受験した会場には時計がありませんでした。受験にあたり時間配分は重要な要素の一つですので必ず持って行くようにしましょう
- デジタルの電波時計を持って行きました。デジタル時計を持ち込んで良いか事前にリサーチしたのですが明確にOKという情報を見かけず、周りを見渡してもアナログ時計ばかりだったので「ダメかな」と思いましたが、何も言われませんでした
- 試験官が使用する時計も電波時計らしく、自分も電波時計を使ったことで1秒のズレなく時間管理ができました
- カーディガン
- 会場の空調状況が分からなかったことと、季節の変わり目ということもあり持って行きました
- 当日の服装は半袖でしたが、「ちょっと寒いかも」と思ったときに羽織れて良かったです
- マスク
- 花粉症の方は必須ですね。会場によっては空気が汚れていたり乾燥している場合もあるので、持ってて損はないと思います。
食べ物
こちらもPM試験と同じです。
- ゼリー飲料
- 朝と昼に1本ずつ食べました
- ミックスナッツ
- 昼に食べました
- 一口羊羹
- 血糖値が上がりすぎない程度に糖分とエネルギーを摂取する目的
- 午前1,午後1のあとの休憩時間に食べました
- ラムネ菓子
- ブドウ糖摂取とリフレッシュ目的
- 各休憩時間に食べました
- 炭酸水
- リフレッシュと疲労回復目的
- 各休憩時間に飲みました
試験の感想
午前2
前日に学習した計算問題や当日直前にたまたま見た問題が出題されてラッキーでした。
さらに、「デジタルフォレンジック、最近話題だし出るだろうな」と思ってたら本当に出てきました。
これは過去にNW,SCで出題された問題でした。やはり他区分からの出題もあるようです。
また、最近話題だから出題されたのかは定かではないですが、最近のニュースは観ておいたほうが良さそうだなと思いました。
午後1
問1と問2を選択しました。
問2は「自分が子育て世帯だしなんか聞いたことある話だしイケんじゃね?」と選択しましたが、個人的に超難しかったです。
反対に、「よく分からないけどこれで良いや」と決めた問1は比較的答えやすかったと思います。
問題の選択基準はちゃんと決めておくべきだったなと反省しています。
午後2
問2を選択しました。DXについてはさんざん過去問で練習したためです。
ただ、準備していた論文を使えば良かったものを、何を思ったのか完全アドリブで書いてしまいました。
設問アの途中で「何をやってるんだ俺は…!?」と我に返ったものの、もう時間的に間に合わないと思ってとりあえず書きあげました。
たぶん午後1で落ちてますが、奇跡的に通ってても、ここで良くてB判定だと思います。
感想と今後について
PM試験では以下のように述べていました。STに関しても同様の感想となります。
私はもともと「資格より実績が大事」「過程より結果が大事」と考えています。
ただ、受験までの過程を通して得るものが多かったので、PM試験は受けて良かったと考えています。
学んだことを実際の業務で即アウトプットできる楽しさもありますし、自身のマインドセットにアップデートが起きていることを実感できるのも新鮮でした。
今後についてですが、必要に迫られない限り受験することはないと思います。
理由としては、今回の受験までの過程で「試験を通して学びたかったこと」は得られたと考えているからです。
これ以上やるとなると「試験を手段とした学習」ではなく「試験に受かることが目的の勉強」となってしまい、それは私にとって本質的ではないと考えているからです。
なので、今後はこれまでに得た知見を経験として昇華しつつ、攻めと守りどちらのDXにおいてもプロフェッショナルとなれるよう尽力してまいります。
最後に
受かりたかったーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!(まだ結果出てないけど)
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