2024年プロジェクトマネージャ試験振り返り
はじめに
本記事は令和6年(2024年)秋期のIPAプロジェクトマネージャ試験(PM)の振り返りをするものです。
受験期に感じたことや学んだことは以下ツリーにてリアルタイムに投稿していました。
ちなみに、自己採点したところ午前2で1問及ばず落ちてます。
私の属性
- 30代前半
- 一児の父
- 某外資系IT勤務(英語はできない)
- 現在の主な業務は業務改善系のコンサル兼エンジニア
という名の便利屋 - もともとはWeb畑のディレクター
- 「リード」や「チーフ」というポジションは経験あるが、明確なPMロールは経験は無し
- IPA試験の経験は、10年ほど前に基本情報を取得したのみ
受験理由
プロジェクト管理のノウハウを体系的に学びたかった
私は業務改善を生業としています。
「プログラミングして良い感じに自動化してほしい」という依頼を頂くことは多いですが、よくよく分析してみると「自動化以前に、そもそもの管理がなっとらんな」と感じることが多いです。
ただ、「なぜ『管理がなっていない』と思うのか」「どう改善すれば良いのか」に対し根拠を持って説明できないことがあり、自分のなかでモヤモヤを抱えている状態でした。
そのような自身の課題感に対するアプローチとして、PM試験は有効なのではないかと考えました。
※ちなみに、「"マネジメント"と"管理"は別物」という言説がありますが、それに則ると私はあくまで"管理"のノウハウを学びたかったです
来年春期のITストラテジスト(ST)に向けた準備をしたかった
前述でそれっぽいことを書きましたが、ぶっちゃけこれが一番の理由です。
私は今年の6月に、来年春期のST試験を受けることを決めていました。
ST試験を受けると決めた理由の1つは、"業務改善"や"自動化効率化"という「守り」の施策だけでなく、それにより浮いた時間やお金を"高度化"に回す「攻め」の施策まで含めて一気通貫で提案・実行できるようになりたいと考えているからです。
ただ、さすがに約10か月も試験勉強するのはダレるだろうなと感じていました。
ぶっつけ本番では不安だったから予行練習をしたい、午前1の免除を取って少しでも余裕を持ちたかった、などの理由もありPM試験を受けてみることにしました。
勉強時間
計123:31でした。
6月末から勉強を始めたのですが、平日は(よりによって)仕事が数年に一度レベルの忙しさに見舞われ、休日も家庭の用事などでなかなかまとまった時間が取れませんでした。
時間を努力指標にするつもりはないですが、100h以上捻出できたことに対しては自分を褒めたいですし、自信にもなりました。
勉強時間の記録にはNotionを使い、以下のテンプレートをカスタマイズしました。
勉強法
午前1
まずは以下の参考書を2,3周しました。正直「過去問道場だけで良かったかも」と思いましたが、書籍で学習するほうが合ってる人は持っておいて損はないかと思います。
その後、寝る前などの隙間時間に過去問道場をやりました。全項目チェックのところにある「★おすすめ」の年度のみを対象としました。
ちなみに、計算問題は計算式を覚えるのがめんどくさい、スマホだと解きにくいなどといった理由から完全に捨てました。
午前2
午前1同様、過去問道場で問題を解きました。
午前2の範囲は午前1に内包されているであろうことと、早い段階で正答率が90%を超えたこともあり、あまり重点的な対策はしませんでした。
午後1
以下の参考書をもとに解き方を研究しました。
最初の頃はエクセルに問題のキャプチャを張り付けてそこで解いていましたが、紙ベースで勉強するのが良いと思いました。
PCと紙では解き方や頭の使い方が全く異なるためです。
また、参考書ではまず問題文のなかでポイントとなるところにマーキングし、その後設問に入る流れとなっています。
私も最初はそのやり方に倣っていたのですが、試験1週間前になって設問1→問題文→設問2→問題文→…という進め方に変更しました。
理由としては、設問に関係しないところにもマークを付けまくってしまい、設問を解くときに何が重要なのか全くわからない事態に陥ったためです。
午後2
午後1で挙げた書籍に加え、以下の参考書も購入して論文の書き方を学びました。
午後1同様の理由で、紙ベースで勉強するのが良いと思いました。
手書きをしてみると意外と漢字が思い出せなかったり、手書き故に一度書いた文章を安易に修正できないことに気づきます。それらへの対処法を身に着けるためにも、早めに手書きを経験してみるべきだと考えています。
また、周囲に高度区分の経験者がいる場合は時間を貰って論文を読んでもらい、客観的に評価してもらうのが良いと考えています。
私は周りに高度区分を受けた経験を持つ人が居なかったこともありChatGPTに添削してもらいましたが、基本的にどんな駄文でもA判定にしやがるためです。プロンプトを試行錯誤したりもしましたが、なかなか思ったようなフィードバックは得られませんでした。
ChatGPTに添削してダメ出ししてもらうことは諦めて「もっと良くするにはどうしたらいい?」というような聞き方でブラッシュアップをしてもらう使い方に切り替えましたが、「添削してくれる人が居たらよかったな」という考えは払拭されないままでした。
試験前1週間の動き
試験7日~2日前
普段より30分ほど早く起きるよう、生活のリズムを整えました。
なぜならば、試験開始時間から逆算すると普段の起床時間では余裕が無いし、頭の覚醒も間に合わないと考えたからです。
また、ちょうど季節の変わり目で気温がグッと下がった時期だったこともあり、体調管理にも気を配りました。
勉強面では、朝起きて始業時間までは午後1,2のいずれかを解き、夜寝る前に答え合わせと解説の理解をしました。
試験前日
「今更ジタバタしても結果は変わらない」「それよりもコンディションを整えるほうが重要だ」という考えのもと、参考書を軽く読んだくらいでゆったり過ごしました。
また、私は睡眠によって翌日のパフォーマンスの9割が決まると思っているので、体を動かしよく眠れるようにしました。(が、緊張でなかなか寝付けずでした・・・)
試験当日
少し眠気はあったものの、わりとすんなり起床できました。
45分前に会場に着きました。だが、人が全くいない・・・
「早く着きすぎたかな?」と思い15分ほど待ってみましたが、誰も来ない・・・
念のため受験票を見てみると、会場と同系列の別のビルに居たことが分かりました。
幸い早めに現地入りしていたことと、会場がすぐ近くだったこともあり間に合いましたが、試験会場の確認はしっかりする必要があると感じました。
私が間違えた場所と試験会場、名前も似てたしややこしすぎんだろ・・・
持って行く物
- 受験票
- これ忘れたら受験できないので、必ず出発前に忘れてないか確認しましょう
- 証明写真は「ピクチャン」というサービスを使いました。スマホで撮った写真をコンビニで200円で印刷できるという優れものです
- シャープペンシル(2本)
- シャーペンの替え芯
- 消しゴム(2個)
- 定規
- 時計
- 私が受験した会場には時計がありませんでした。受験にあたり時間配分は重要な要素の一つですので必ず持って行くようにしましょう
- デジタルの電波時計を持って行きました。デジタル時計を持ち込んで良いか事前にリサーチしたのですが明確にOKという情報を見かけず、周りを見渡してもアナログ時計ばかりだったので「ダメかな」と思いましたが、何も言われませんでした
- 試験官が使用する時計も電波時計らしく、自分も電波時計を使ったことで1秒のズレなく時間管理ができました
- カーディガン
- 会場の空調状況が分からなかったことと、季節の変わり目ということもあり持って行きました
- 当日の服装は半袖でしたが、「ちょっと寒いかも」と思ったときに羽織れて良かったです
- マスク
- 私は持って行きませんでしたが、あったほうが良いと思います。なぜならば、試験開催される4月/10月は花粉の時期ということと、会場によっては空気が汚れている場合があるためです。私はおそらく花粉で当日鼻水とくしゃみが止まりませんでした(周りの人すまん)
食べ物
当日食べる物も気を遣いました。休憩時間に気分転換で散歩したいなどの理由が無い限り、事前に準備しておくのが良いと思います。
テーマは「血糖値を上げず脳に栄養を与える」です。(科学的根拠は知らん)
- ゼリー飲料
- 朝と昼に1本ずつ食べました
- ミックスナッツ
- 昼に食べました
- 一口羊羹
- 血糖値が上がりすぎない程度に糖分とエネルギーを摂取する目的
- 午前1,午後1のあとの休憩時間に食べました
- ラムネ菓子
- ブドウ糖摂取とリフレッシュ目的
- 各休憩時間に食べました
- 炭酸水
- リフレッシュと疲労回復目的
- 各休憩時間に飲みました
試験の感想
午前1
- 「計算問題は捨てる」と決めていたものの、いざ出たらキョドってしまいました。勉強しとけばよかった
- 思いのほか過去問が出てこず「あ、ここで終わった」と思いました
午前2
- 自己採点の結果、ここで落ちました・・・
- 思った以上に過去問が出てこなかったため、過去問以上の知識が無い私には歯が立たなかったです
- PMに関する知識不足を痛感すると同時に、「初見で正解出せる人ってどんなキャッチアップしてんだろ」と思うところもありました
午後1
- 問1と問2を選択しました
- 正直「行けたんじゃね?」と思いました
- 回答欄のマスが思ったより小さく書きにくかったです
午後2
- 問2を選択しました
- なんとか最後まで書ききったものの、リーダーシップに関する問題だったこともあり結構自分語りが多くなってしまいました。奇跡的に午後2まで来れても、A判定は取れなかっただろうなと思います
振り返り
総括
私はもともと「資格より実績が大事」「過程より結果が大事」と考えています。
ただ、受験までの過程を通して得るものが多かったので、PM試験は受けて良かったと考えています。
学んだことを実際の業務で即アウトプットできる楽しさもありますし、自身のマインドセットにアップデートが起きていることを実感できるのも新鮮でした。
午前2
- PM関連の知識を身に着けることができました
- "クラッシング"や"ファストトラッキング"など、業務で当たり前にやっていることにも実は名前があるということを知りました。さらに"RACIチャート"など、知らなかったが業務に役立てそうな知識も得ることができました
- 計画や管理など感覚で作成しがちだったものの手法を学ぶことができ、より根拠を持って作成できるようになりました
午後1
- ケーススタディ的にプロジェクト進行を身に着けることができました
- 「Why」に対しては「〇〇だから」、「What」に対しては「〇〇なこと/もの」のように、「何を問われているのか」は業務をするうえでもより意識するようになりました
- (正直納得いかないものもありましたが)解答へたどり着くプロセスを学ぶ過程で、プロジェクト内の課題や状況とそれに対する理由や根拠を紐づける力が付きました
午後2
- 自身の経験を(捏造しつつも)棚卸することができました
- 論文を作成するなかで自身の言語化能力も上がったと思います
今後について
まずは来年4月のST試験に向けて勉強を進めていきます。
PM試験を来年リベンジするかは決めていないですが、仕事するうえで必要スキルではあるので、受けないにしても引き続きPMに関する学習はしていくつもりです。
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