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FVMでFlutter SDKのバージョンをプロジェクト毎に管理する

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こんにちは、Altive株式会社のFlutterアプリ開発者、村松龍之介(@riscait)です😸

Flutter SDKのバージョン管理ツールであるFVM(Flutter Version Management)をご紹介します。

https://fvm.app/

上のリンクの通り、丁寧な公式ドキュメントがありますので、そちらで事足りる方には不要な説明が多いと思います。

※Flutterのバージョン管理というと asdf の名前も上がりますが、併用困難等の利用から筆者は FVM のみを使用しています。

これより先の記述は筆者の環境であるMacでの説明になります。それ以外のWindows等では当てはまらない説明があるかもしれません。適宜読み替えてください。

FVMの用途・機能は大きく2つ

  1. 複数のFlutter SDKバージョンをインストールできる。
    →複数のFlutter SDKをインストールしておくことができるので、切り替えが容易になります。
  2. fvm_config.json を使用することで、Flutter SDKバージョンを明示してチームで統一できる。

複数のFlutterアプリ開発に携わるならFlutter SDKのバージョン管理は必須とも言えます。

こちらのアプリは stable(安定板)の最新 を使ってるけど、あちらのアプリは v1.17.0 のままだし🙀
あ、あちらは dev(開発版)を使ってる!

といったときに、都度グローバルにインストールしたFlutterのバージョンを上げたり下げたりするのは面倒です。。

FVMを使って、アプリごとにチームでFlutter SDKのバージョンを統一しましょう👍

FVMを選ぶ利点

  • Flutterバージョンの切り替えが簡単(コマンド1つ)
  • バージョン情報を含むパスを設定ファイルに記述しなくて良い
  • VS CodeならUser Sattingsでパスを指定すればプロジェクトごとの設定は必須ではない

FVMのちょっと気になるところ

  • fvm flutter xxx のように、flutterを指定したバージョンで実行したい時はプレフィクスが必要

FVMのインストール

DartかHomebrewを使ってインストールできます。

Dartでインストール

dart pub global activate fvm

fvm --version # -> インストールしたfvmのバージョンが表示されればOK👌

Homebrewでインストール

brew tap leoafarias/fvm
brew install fvm

その他のインストール方法

GitHubのリポジトリから直接ダウンロードする方法もあります。
Windowsでは choco コマンドでインストールできるようです。

https://fvm.app/docs/getting_started/installation

PATHを通す

環境により違いはあると思いますが、 fvm コマンドを使用するために以下のPATHが必要になることが多いです。

.zshrc
export PATH="$PATH:$HOME/.pub-cache/bin"

僕は ZSH を使用しているため ~/.zshrc に追加しましたが、bashやfish等環境により差異がありますのでご確認ください。

プロジェクト(アプリ)で使用するFlutterバージョンを指定する方法

releases で使用できるFlutterバージョンを確認する

今現在、どのFlutterバージョンが使えるのか、最新のstable更新されたかな?
といったときには次のコマンドを使用します。

fvm releases

以下の出力の場合、stable(安定板)の最新は 2.5.2 であることが分かります。

出力サンプル

Sep 8 21   │ 2.5.0            
Sep 10 21  │ 2.5.0            
Sep 13 21  │ 2.6.0-5.1.pre    
--------------------------------------
Sep 16 21  │ 2.6.0-5.2.pre     beta
--------------------------------------
Sep 17 21  │ 2.5.1            
--------------------------------------
Sep 25 21  │ 2.6.0-11.0.pre    dev
--------------------------------------
--------------------------------------
Sep 30 21  │ 2.5.2             stable

出力されたFlutterバージョンが古い、最新のバージョンが反映されていない。。というときは、FVM自体のバージョンを上げると解決する可能性があります。
dart pub global activate fvm

use でFlutterバージョンを指定する

使用するFlutterバージョンを決めたらuseコマンドを使いましょう。
バージョン番号を指定するか、Channelを指定します(stable , beta , dev , master

fvm use 2.5.2
or
fvm use stable

.fvm/flutter_sdk.fvm/fvm_config.json が生成されました👏
前者はSDKへの相対シンボリックリンク、後者は指定したFlutter SDKのバージョンが書き込まれています。

fvm_config.json
{
  "flutterSdkVersion": "2.5.2",
  "flavors": {}
}

まだインストールしていないFlutterバージョンだった場合は、「未インストールだよ。インストールする?(意訳)」と訊かれるので、Yesを選べばインストールもしてくれます👍

Flutter "stable" is not installed.
Would you like to install it? Y/n:

インストールのみを行うコマンド

ここでは使わないけどインストールだけはしておきたい、というときは install コマンドを使用します。

fvm install 2.5.2

list でインストール済みのFlutter SDKバージョンを確認する

list コマンドを使うとインストール済みのバージョンが一覧表示されます。

fvm list

出力サンプル

stable (global) # globalで使用されるバージョン(後述)
dev
2.5.2 (active) # 現在のディレクトリで有効なバージョン
2.4.0-4.2.pre
2.0.0
1.22.5

プロジェクトごとに必要な設定+IDEの設定

FVMを導入したアプリプロジェクトで初回に行う設定は以下の通りです。

.gitignore に追記

FVMは、選択したバージョンのFlutter SDKへの相対シンボリックリンクをプロジェクトの .fvm/flutter_sdk に追加します。
こちらは、プロジェクトのバージョン管理には不要なものとなるので .gitignore に追記してバージョン管理外としましょう。

.gitignore
.fvm/flutter_sdk

Android Studio の設定例

Preferences > Language & Frameworks > Flutter の 「SDK」内 Flutter SDK path に以下のパスを入力します。

/{プロジェクトまでのパス}/.fvm/flutter_sdk

そのアプリで使うFlutter SDKのバージョンを変更するたびに書き換える必要はありません👍

VS Code

設定 dart.flutterSdkPath".fvm/flutter_sdk" を設定します。

settings.json
{
    "dart.flutterSdkPath": ".fvm/flutter_sdk"
}

VS Codeには、ユーザーの設定とワークスペースの設定の2つの設定ファイルがあります。
コマンドパレット(⌘ + shift + p )で「settings」と打ってみると以下の選択肢が表示されます。

  • Preferences:Open Settings (JSON)
  • Preferences:Open Workspace Settings (JSON)

上がユーザーごとの設定、下がワークスペース(多くはアプリ)ごとの設定ファイルを開くコマンドです。
自分だけでfvmを使うだけであれば、ユーザー設定に追記するだけで良いです。
チームメンバーにもユーザー設定に追記するようREADME辺りに書いておきましょう。


しかし、 .vscode/settings.json をGit管理にしても大丈夫な場合は、
Workspaceのsettings.jsonを編集すると、より確実にVS Codeを使用しているメンバーはFVMで指定したFlutterバージョンを使用することになります。

かつ、ユーザー設定よりワークスペース設定の方が優先されるのでチームメンバーが settings.json をいじる必要はありません。

Preferences:Open Workspace Settings (JSON) を選ぶか、新規に .vscode/settings.json ファイルを作成しましょう。

開いた settings.json"dart.flutterSdkPath": ".fvm/flutter_sdk" を追記すればOKです。

{
    // 使用するFlutter SDKのパスを指定。
	"dart.flutterSdkPath": ".fvm/flutter_sdk",
    // 検索対象からFVMのファイルを除外します。(任意)
    "search.exclude": {
        "**/.fvm": true
    },
    // ファイル監視対象からFVMのファイルを除外します。(任意)
    "files.watcherExclude": {
        "**/.fvm": true
    },
}

fvm use コマンドでバージョンを変更したのにIDEでバージョンが切り替わらない場合は一度プロジェクトのウィンドウを閉じて再度開きましょう。

参加したプロジェクトでFVMが使われていた時にすること

FVMが使われ、 fvm_config.json のあるプロジェクトに参画した場合にやることはシンプルです。

fvm install

以上のコマンドを実行すれば、指定のFlutter SDKバージョンがなければインストールされます👍

flutter createでFVMを使う(Flutter以外のディレクトリでFVMを使用する)

Flutter SDKのバージョンを指定してから、flutter create コマンドで新規プロジェクトを作成したい場合などに fvm use x.x.x としても…

Not a Flutter project. Run this FVM command at the root of a Flutter project or use --force to bypass this.

のように、「Flutterプロジェクトではありません」と言われてしまいます。

その場合は --force オプションを付けることで強制的に fvm コマンドを使用し、Flutter SDKバージョンを指定することが可能です。
(結果、Flutterプロジェクトで行った時と同様、 .fvm/ が生成されます)

fvm use 2.5.2 --force
# 後述のglobalを設定していなくても、 指定したfvmコマンドが使える
fvm flutter create .

global を使えばどこでも flutter コマンドが使用できる

個別に fvm use x.x.x でバージョンを指定したプロジェクト内では当然 fvmコマンドが使用できますが、
それ以外の場所で使用するFlutter SDKバージョンを指定するのが global コマンドです。

global コマンドで入れたFlutterバージョンは fvm を付ける必要がありません👌

fvm global stable
flutter --version # <- Flutter 2.5.2 • channel stable ...

のように global コマンドを使ってバージョンを使用すれば flutter コマンドがどこでも使用できるようになります。
単一のFlutter SDKをインストールするのと違いが分かりにくいですが、fvm globalを使用する利点としては、より高速なバージョンの切り替えとキャッシュの恩恵を受けられることにあります。

FVM以外でインストールしたFlutter SDKがある場合は、競合を避けるため削除しましょう。
Flutter公式ドキュメントにそってインストールした場合は ~/development にあります👍

global な flutter コマンドを使用するにはPATHを通しましょう。

初めて global コマンドを使用した時、おそらく以下のような表示が出るかと思います。

Flutter "stable" has been set as global
However your "flutter" path current points to:
.
to use global Flutter SDK through FVM you should change it to:
/Users/{user_name}/fvm/default/bin

PATHの追加が必要になります。

筆者の場合は以下のPAHTを ~/.zshrc に追記しています。($HOME/Users/{user_name} を表す変数です)

.zshrc
export PATH="$PATH:$HOME/fvm/default/bin"

その他のコマンド

remove で不要なSDK削除

もう使用しないFlutter SDKバージョンを削除するには remove コマンドを使用します。

fvm remove 2.5.2

doctor で環境とプロジェクトの構成情報を表示する

現在使用しているFlutter SDKのバージョンやIDEに設定すべきFlutter SDK Pathを見ることができます。

fvm doctor
出力例

FVM Version: 2.2.3


FVM config found:


Project: zenn-content
Directory: /Users/riscait/Projects/Riscait/zenn-content
Version: stable
Project Flavor: None selected


Version is currently cached locally.

Cache Path: /Users/riscait/fvm/versions/stable
Channel: true
SDK Version: 2.5.2

IDE Links
VSCode: .fvm/flutter_sdk
Android Studio: /Users/riscait/Projects/Riscait/zenn-content/.fvm/flutter_sdk

Configured env paths:


Flutter:
/Users/riscait/fvm/default/bin/flutter

Dart:
/opt/homebrew/Cellar/dart/2.14.3/libexec/bin/dart

FVM_HOME:
not set

flutterの前にfvmと打つのが嫌な人は、エイリアス追加も1つの方法です

筆者は .zshrc に以下を追記して fvm flutter -> f , fvm dart -> d としています。

.zshrc
alias f="fvm flutter"
alias d="fvm dart"

筆者のFVMの使い方

Flutterアプリ開発では基本的にFVMを使用してFlutter SDKバージョンを固定してチームで同じバージョンを使用できるようにしています。

一方で、FlutterやDartのOSSなパッケージなどはFVMでのバージョン指定がされていないことがほとんどなので、 fvm globalstable を指定して使っています👌

最後に

宣伝

Riverpod の実践入門本を書きました👍

https://zenn.dev/riscait/books/flutter-riverpod-practical-introduction

参考

https://fvm.app/
https://flutter.dev/docs/development/tools/sdk/releases

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