【Notionスプリント機能利用ガイド②】既存のタスクDBを活かしてスクラム管理を効率化する方法
はじめに
こんにちは。PoliPoliで開発をしている高野です。
この記事では、既にNotionでタスク管理を行っているチームが、既存のタスクデータベースを活かしてスプリント機能を導入する方法をご紹介します。現在運用中のデータベースを活用し、効率的にスクラム管理を始めたいチーム向けです。
登場する用語
- プロジェクト:プロダクトバックログにある個々のタスクを、もう一段抽象化してまとめる「箱」として扱っています。各タスクは「リリース可能な最小単位」であるため、関連する複数のタスクを束ねることで、チームが大まかな機能群を把握しやすくなります。
- タスク:プロジェクトを構成する具体的な作業項目のことです。プロダクトバックログアイテムを指します。
- スプリント:スクラム開発におけるスプリントのことです。タスクを一定期間で区切って管理するための枠組みを指します。
- スプリントボード:現在のスプリントで対応すべきタスクが、プロジェクト別やステータス別などに整理・表示されるダッシュボードです。チーム全体で進捗状況を簡単に把握できるようになります。
「既存のタスクデータベースを活かしたスプリント機能利用」方法
ポイント
既存のタスクデータベースにスプリントのプロパティを追加することで、手軽にスクラム管理が始められます。
手順
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必須プロパティの確認
まず現在利用しているタスクデータベースを開き、以下を確認します。- 「ステータス」「担当者」「期限」のプロパティが必要です。
- データベース上部の
•••
→ カスタマイズ → タスク から確認・設定します。
-
スプリント対応への変更
-
データベース上部の
•••
→ カスタマイズ → すべての機能を見る → スプリントをオンにします。
-
自動的にスプリントボードページが作成されます。
-
これで既存のデータベースがスプリント対応になります。
スプリントボードの設定・運用方法
スプリント期間などの設定と運用方法については前回の記事で説明しているため、そちらを参考にしてみてください。
スプリントのKPI(ベロシティなど)を可視化する方法
スプリント運用を続けていくと、「どれくらいの作業量を毎週こなしているのか」「どれだけ計画とズレがあるのか」といった定量的な振り返りが重要になってきます。
ここでは、前回の記事で細かく説明しなかった、スプリントプランニング時のプロダクトバックログアイテムの合計ストーリーポイントと、実際に消化したプロダクトバックログアイテムの合計ストーリーポイントによるベロシティをNotion内で簡易的に可視化する方法をご紹介します。
-
新規ビューの作成
まず、自動で作成されたスプリントページから新規テーブルビューを作成します。ビュー名は「ベロシティ」にしています。
スプリント期間1週間の場合を想定して、過去の3スプリントのみ表示するようにフィルターを設定します。スプリント期間に合わせて調整してください。
スプリント機能導入直後は、まだ過去のスプリントデータがないため、この時点でベロシティビューにはフィルターによりスプリントが一つも表示されなくなります。 -
計画時のストーリーポイントを記録する
スプリントボードページから現在のスプリントを開き、計画SP(ストーリーポイント)という数値プロパティを追加します。
スプリントプランニングを実施し、現在のスプリントに投入された、各プロダクトバックログアイテムのSP合計を計画SPを記入しておきます。
-
合計SPをロールアップする
次に、スプリントページを開き、スプリントデータベースにロールアッププロパティを以下を設定し作成します。
- リレーション:タスク(スプリント機能の設定をしたタスクデータベースを選ぶ)
- ターゲットプロパティ:SP
- 計算:その他のオプション → 合計
-
過去3スプリントの完了分のストーリーポイントの平均を表示する
スプリントデータベースの計画SPと合計SPそれぞれ、計算 → その他のオプション → 平均の順に選択します。
これで過去3スプリントのベロシティの可視化ができました。
この平均値をチームのベロシティとして活用することで、今後のスプリントプランニング時に、どのくらいの作業量を計画すべきか見積もる指標になります。
まとめ
既存のデータベースを活用することで、簡単かつ迅速にNotionでのスクラム管理を始めることができます。
また、ベロシティや完了ストーリーポイントの記録・可視化によって、スプリントの成果や傾向を定量的に捉えることができ、レトロスペクティブにおいて「何を改善すべきか」「どこに課題があったか」といった振り返りを深める材料として非常に有効です。
Notionの柔軟なカスタマイズ機能を活かしながら、チームに合ったスクラム運用と継続的な改善を進めていきましょう。
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